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焼き立てパン

「さあ、ユーキ様。こうして一生懸命こねこねして下さいね。とっても大切なお手伝いですよ。これがちゃんとにできないと、美味しいパンはできませんよ。」


「はいでしゅ!」


「ユーキちゃん頑張って。」


 僕は白い粉に水を入れて、ちょっとベトベトする粉を一生懸命こねこねです。今日はねみんなお家にいて、お母さんがとっても暇って言ったから、アメリアが僕とパン作ったらってお母さんに言ったんだ。

 だから今、僕お料理作るところで、パンの材料こねこねしてるの。とっても大切なお手伝いなんだって。だから僕真剣です。美味しいパン作りたいもん。


 こねこね、こねこね。ずっとこねこね。ベトベトでバラバラだった粉が、だんだんと1つの塊になってきました。アメリアがまだまだですよって。だからもっともっとこねこね、こねこね。


 たくさんこねこねして、やっとアメリアが良いですよって。ふぅ、疲れた。でもねまだまだ粉いっぱいあったの。だからまたまたこねこねです。

 お母さんもアメリアも隣でこねこねしてるけど、とっても早いんだよ。最初はこねこね一緒なんだけど、途中から台にばしばし叩きつけるの。僕バシッて音がすると、ビクってなっちゃう…。ちょっと怖かったよ。


 でもねお家で働いてるメイドさんや使用人さん達もパン食べるから、ビクっ、ビクってしながら、頑張ってこねこねしたよ。


 やっとこねこね終わって、次はいろんな形を作ります。塊から小さい塊にちぎって、好きな形作って良いって。

 何にしようかな?最初はうさぎさんにしよう!お顔作って、もっと小さくちぎった塊を棒の形にして、お顔にくっつけます。それからお目々作ってお口作って…。出来た!!うさぎさんのかんせい!!ちょっと耳の長さ違うけど大丈夫だよね。


 次はうんと、マシロのお顔作ろう。そうだ!みんなのお顔作ればいいんだ!マシロ達作って、お父さん達作って、アシェルとアメリアも作るよ。


「ふふ、黙々と作ってるわね。」


「はい奥様。とても楽しんでいただけてるようで良かったです。」


 みんなのお顔作ったら、今度はまた好きな形作ります。お星とか、三角とか。剣の形も作ったよ。

 全部作ったら、板の上に全部乗っけてパンを焼きます。早くやけないかなぁ。


 少ししてパンのとってもいい匂いがしてきました。焼いてる所にどんどん近づいちゃいます。危ないからってお母さんに抱っこされちゃった…。


 それからたくさん待って、やっとパンが焼けました。


「ふわわ!うさぎさんできたでしゅ!みんなできたでしゅ!………?」


「どうしたのユーキちゃん?」


「とうしゃんかあしゃん、みんなのおかお、まんまるでしゅ…。」


「ああ、そういうこと。ユーキちゃん。パンは焼くと膨らむのよ。だからみんなまんまるみたいになっちゃうの。でもちゃんと誰が誰だかわかるから大丈夫よ。」


 うさぎさんが1番うさぎさんだったよ。うさぎさんは後で食べよう。最初はお星様。パクッて食べたら、とっても熱くて、僕バタバタしちゃったよ。慌ててアメリアが用意してくれた冷たいミルク飲みました。ふぅ、びっくりしたし熱かった…。


「ユーキちゃん気をつけて。焼き立てのパンはとっても熱いのよ。」


 次はそっと食べます。さっきは熱くてびっくりして、味分かんなかったけど、今度はちゃんと食べられました。ふわぁ。とっても美味しい。ちょっと甘くて、ふわふわで、とってもいい匂い。


 食べ終わったら、お父さん達にパンを届けに行きます。みんなとっても喜んでくれたよ。

 最後は、使用人さんやメイドさんが休憩するとお部屋に行きます。焼き立てのパン。使用人さんもメイドさんもとっても喜んでくれました。

 またパン作りたいなぁ。


(使用人、メイド休憩室)

 ユーキ達がいなくなり、声が聞こえないであろう距離まで行ったと確信した使用人、メイド達は動き出した。


メイド1「それは私のよ!」

使用人1「いいや俺のだ!」

メイド2「ユーキ様のお造りになられたパンはこれだわ!頂きよ!」

使用人2「ずるいぞ!ちゃんと平等に配るべきだ!」


 オリビアとアメリアもパンを作っていたが、ユーキが作った、しかも使用人やメイド達のために作ったパンを、彼らが取り合わないわけがなかった。その日1日、彼らは戦うことになる。勝者はユーキのパンが手に入る。


 その後、ユーキがパンを作るたび、パン戦争が起こるのだった。


(その時のアシェル)

フン。なんて騒々しい人達なのでしょう。私はラッピングされた私だけのパンを頂いた。ふふ。騒ぐ使用人やメイドを見て、自然と笑ってしまう。旦那様達はもちろんのこと、その特別のパンの中に私も入っているのだ。こんなに嬉しいことはない。

 さあ、これからもユーキ様を大切に見守っていかなければ。特別な存在であるために。

 私はパンを見つめる。………これは大事にしまって置きましょう。くろにゃんに頼んでしまってもらえば、腐らず保存ができ、いつでも眺めることができる。


 *********


自粛が続く中、皆様どうか体に気をつけてお過ごし下さい。

今回はユーキのある日の出来事を書いてみました。少々短めの話になってしまいましたが、皆様もお料理なんてどうでしょう?私は…、出来たらやります(^^;;


ありぽん


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