祝杯
さてと、勝ったし帰って寝るかってわけにはいかないらしく。とりあえず終わった後は握手で終えるって言う謎のスポーツマンシップに則って握手をした。
相手はスンゲー恨みの目でこっちを見てたけどな。
俺は移動させられて絢爛豪華と言った感じのラウンジに飛ばされる。
適当にうろついていると扉が開かれスーツを着た黒い何かに連れられ暗い道を進む。
どうやら、パーティー会場の様だ。
そこでは、様々な種族がグラスを傾け楽しんでいた。
俺が入ると同時に空気が変わる。
大きな拍手とともに迎えられ何だか恥ずかしい様な、嬉しい様な気持ちになる。今世ではこういう事はお世辞でしか無かったからな。
そして、席に着くと黒い人間が食事を運んできてくれる、お金を手渡そうとすると、ふるふると揺れそれはいらないと拒絶している様に感じられた。
「名もなき英雄様はここが初めての様ですな」
恰幅の良い優しそうな顔のお爺さんがこちらにやってくる。
皆がざわついているが、誰なんだろうか。
「ここは全て私が用意したものですので好きになるお召し上がりください」
「こちらの世界も悪くはないでしょう?貴方様に会えて光栄です、こちらの世界もお守りくだされば幸いです」
と、小さな声でささやいた。
ふむ、どうやら私の事を知っている様だ。結局守れたかは分からずじまいだったが、うまく行った様だな。
さてと、ゆっくりと楽しむとするか。
どうやら第二試合でも先程のダンジョンキングは持ち駒を全て失って居た事もあり一定時間が経つとリポップする巣系モンスター以外は使えず敗北を喫した。
相手はどうやら戦略的に一回戦では勝てないと察して手駒を温存した様だ、なかなか賢いな。
さてと、ゆっくりと笑いながら楽しんでいると何人かのダンジョンマスターが寄ってきて色々話をした。
そこで有益な情報をひとつ得た。モンスター強化についてだ。どうやら、モンスターに直接ポイントを注ぎ込めばステータスを上げられるらしい。
そしてそのシステムはマスターにも適応出来るがポイント効率がいかんせんよろしくないという事だ。
多分さっきの奴はあのキューティーシリーズだっけ?の五体に全部注ぎ込んでたんだろうなぁ。後々カタログ見たらあれはインスタントヒーローって言うモンスターで好きなヒーローを作れると言うものだった。
まぁ、確かにあのコスチュームを今世で作るのはなかなか難しいだろう。生産系モンスターでもいれば別だが、あれらはモンスターにカウントされないらしくカタログには載ってないからな。
スキル系の知識が潤沢にないと厳しいだろう。
あの貧弱な体から見るに自分の強化には一銭も使ってなさそうだし。
ダンジョンに戻ったら武神をマックス強化しとくか。
しばらく談笑した後何人かにフレンド登録をしてから、結果発表というものが行われた。
なんとあのダンジョンキングは一段階ランクが下がったらしい。あの後精神的に不安定になり五連敗した上にしたのランクのマスターにも負けたらしい。相当恥ずかしいだろう。
そして、二位は強化の事を教えてくれた龍のおっちゃんだった。龍人間っていうのが一番近いかも知れんが。
そして驚いた事にこのランキングを発表しているのが恰幅の良いお爺さんだった。まぁ、事前情報で実はダンジョンシステムを作った神であるって事は聞いてたんだけどね。
多分俺が神格に気がつかなかったって事はあんまり高位の神では無いと思う。隠せないからねあれ。
全能神って位だから人間に化けてみろよって言って街行ったらめっちゃ老人に拝まれてて笑ったからね。
あいつが無理なら多分誰も無理だろう。
そして、この試合の報酬として俺は杖を貰った。どうやら、これがあると外でもダンジョンについてあれこれ出来るらしい。凄い。
更に一瞬でダンジョンに帰れる様になる。まぁ、それはいらんかな。
祭典が終わり、副賞でポイントたんまり貰ったし全部武神につぎ込んでくるか。
まぁ、こいつを倒せる奴が出てくると俺のダンジョンは終わりだけどな。まぁ、俺がいるからなんとかなるがダンジョンとしては終わりだろう。
キョホウオ?あいつの事は忘れたほうがいい。
あぁージョーカーすげぇ良かった。なかなか共感できる作品でしたね。
皆さんも見てないならオススメです。ダイレクトマーケティング。