5 カメはやたら長生き
ここから少し、バトルモノ要素が増えます。
※基本的には日常系ファンタジーです。
さぁ、次の転生だ。
「ルーレットお願いします」
「了解」
「ああっ!」
ーーゴンッ。
俺の頭上で何か音がした。
……あ、ルーレットだ。
いま、落ちてきて、直撃したらしい。
ちなみに、この空間では、死んでいるということなので、体力が0で、これ以上減ることがないため、痛みは感じないらしい。
「すみません……」
ーーさて、ルーレットの結果だが……
「運がいいですね。またミジンコです!それではいってらっしゃい」
まじか。
ーーそうして、こんな出落ちライフが何度か続いた。
○
「雷覇さん、これで78回目の転生です!」
「もうそんなになるのか…早いな」
じゃあ、いつものお願いします。
「もう出落ちはやめてくれ!頼む!」
実は、カメに転生して以降、ずっと出落ちが続いていたのだ。酷すぎる。
ーー結果は……
「カメですね。前回は長生きしたので、今回も記録更新目指して頑張ってください!」
おい、長生きできる枠、カメしかないのか。
そして79回目の人生で、俺は170年生きた。
正直、時間の感覚がおかしくなってきた。
○
「雷覇さん、またまた記録更新ですねー。おめでとうございまーす!」
「ど、どうも。あ、あれ!?」
この口調、なんか聞覚えがある。
あ、シンファさんだ!時間凍結魔法の効果がおわったらしい。
何故かサイファさんもいる。
「じつは私はゼウス様に300年間の功績を認められて第3宇宙転生担当秘書から、第2宇宙転生担当に昇格しました。」
「……第2宇宙というと?」
「第2宇宙は、第3宇宙で言うファンタジーの世界が広がる空間です。魔法を使うことが可能になります。今まで雷覇さんの担当もしていたということで、引き続き姉のシンファと転生担当をさせていただきます。今回の私の昇格で、雷覇さんは第2宇宙に転生することも可能になりましたが、転生方法はルーレットなので、どうなるかはわかりません」
「なるほど……」
つまり、ルーレットで当たればファンタジー世界に転生できるのか。
「早速、転生しますかー?」
「そうですね。お願いします。」
ーーその後、たくさん死んでたくさん転生したが、20回転生したうち、第2宇宙は0回(0年)出落ちは18回(0年)カメは2回(200年)だった。
カメ率多くないか…?
○
そして98回目の転生前……。
「現在の雷覇さんのステータスです!あ、スタンプ押しますねー」
=====
和泉 雷覇 男(518)
職業:カメ
レベル:55(最大:100)
体力:0(最大:219)
魔力:0(最大:0)
攻撃力:31
防御力:292
素早さ:38
知力:0
魔法:なし
特殊能力等:転生ルーレット使用(残り使用回数2回)、自害転生
=====
「とうとう、スタンプも後1つですね…」
「ボーナス前最後の転生です!あ、ここで第2宇宙を引かないと、あとからとんでもないことになるので、頑張ってくださーい」
何があるんだ。
「では、98回目の転生お願いします」
「「わかりました」」
転生ルーレットが現れる。
「第2宇宙こおおおい!!」
ーー結果は……
「だ、第2宇宙の人間です!」
きたーーー!!!
「来世では、何と名乗りたいですかー?」
名前も変更できるのか。
どうせなら、ファンタジーっぽいのがいいな。
「じゃあ、雷覇の雷をとって、グライア=ワイズミで」
「では、雷覇…いや、グライアさん!第2宇宙へどうぞ!」
サイファさんがそう言うと、俺の体は原子サイズに分解されていき、ものすごい速度でどこかへ飛ばされた。