4 出落ちが多すぎる
また意識を失って倒れた。
……ミジンコか……
○
目を覚ますと、
俺はミジンコになっていた。
なんで、よりによって、ミジンコなんだ。
早く転生する方法を見つけねば。
周りを見渡すと、ここは水中ーーではなく、周りに人がいた。ただし、ミジンコ視点なので、滅茶苦茶でかい。
どうやらここは理科室のようだ。
ということは、今実験中でーーって、あれ?息ができない。苦しい……やば……また死ぬ…
ーーそうして、ミジンコの俺は短い人生を終えた。
なんやねん。
○
「早かったですね。10秒ほどでしたか?圧巻の出落ちっぷりでしたよ。」
「ミジンコはしかたないだろ」
「あ、今回のステータス確認します?ついでにスタンプ押しますけど」
「じゃあ、お願いします」
=====
和泉 雷覇 男(18)
職業:ミジンコ
レベル:1(最大:1)
体力:0(最大:2)
魔力:0(最大:0)
攻撃力:1
防御力:1
素早さ:5
知力:0
魔法:なし
特殊能力等:転生ルーレット使用(残り使用回数97回)、自害転生
=====
職歴に「ミジンコ(笑)」なんてかいたら、採用はまずないな。
「次の転生ですね。準備万端です!」
「気合い入ってますね……じゃあどうぞ!」
サイファさんがそういうと、いきなり煙がどこからともなくでてきて、少しずつ中のものが現れてきた。
「これって……」
「どうされました?転生ルーレットですよ?」
「上から降ってこないんですか?」
「なんか転生ルーレットが降ってくることに対する愛情が感じられますね……ただの演出ですよ」
「へぇー……」
そうなんだ!
てっきり、また降ってくるもんだとおもってた。
「なんかいいのこい!」
ーー結果は……
「ゴキブリですね……きもちわ……いや、なんでもないです。いってらっしゃい!」
前回同様、意識を失いました。
○
目を覚ますとーー
何か大きなものが上から降ってきた。
いや、正確には影だな。
その影はだんだん大きくなりーー俺の体に覆い被さった。
コンマ数秒後、俺は死んだ。
○
「瞬殺でしたね。」
「なんとかならんのか」
ーー毎度の様にスタンプ押してもらい、ステータス確認をした。(素早さ:130もあった。)
そして、転生ルーレットを回した。
ーー結果は……
「えー、カバですね。案外たのしいかもしれませんよ?それでは、いってらっしゃい」
そして、意識を失う。
さすがに、出落ちはないだろ。
○
意識がもどった。
俺の目の前にはーーカバがいた。
周りにもいた。
どうやら、縄張り争いの最中だったらしい。つまり、何を意味するのか。さっきの発言がフラグで、また出落ちで死ぬということだ。
少し相手のカバと喧嘩して、最終的に俺が負けた。
敗因は、相手の牙が脳に突き刺さったからだ。
実は、カバの牙は結構長い。
ーーはい、もうお判りですね?
出落ちです。
○
「ぷっ……コホン!お、お疲れ様でした」
「なんだ、この出落ちの頻度は」
少なくとも、三回転生したうち、三回出落ちっておかしい。
「もういいです……とりあえずスタンプください。……次のルーレットお願いします……」
「分かりましした……な、なんか、すごい申し訳ないです……」
頼むから、もう出落ちはやめてください。
ーードォォォン!
地響きとともに、ルーレットが降ってきた。
「今度は音も入れてみました!どうでしょうか?」
どうもこうも、絶対遊んでるだろ。
ーーそして、恒例の結果は……
「カメですね!以外と長生きらしいですよー。では、いってらっしゃい!」
○
目が覚めると、案の定修羅場ーーではなかった。
どうやら子ガメとして転生したらしい。
出落ちフラグがないのはいいが…カメっていっつも何しるんだ!?
ーーそして130年後……
「あー、なんか長生きしたわ」
そう、俺はカメとして130年生きたのだ!
なるほど、転生ライフ、出落ちだけじゃないんだな。
俺もそろそろ、寿命だな。
ーーそう思った瞬間、俺は深い眠りについた。
○
「長かったですね。記録を大幅に更新してますよ!はい、今回分のスタンプと、ステータスです。」
=====
和泉 雷覇 男(148)
職業:カメ
レベル:52(最大:100)
体力:0(最大:216)
魔力:0(最大:0)
攻撃力:34
防御力:302
素早さ:31
知力:0
魔法:なし
特殊能力等:転生ルーレット使用(残り使用回数95回)、自害転生
=====
ステータスの偏りが……
まぁ、カメなので、仕方ないのだろう。
さぁ、次の転生だ。