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41 3時間ぶりの我が家

エイレーネがまた動き出した。



そして約50分後。

「シン村に到着しました。シャボン玉は解除しましたので、皆さんはお降りください。またのご利用をお待ちしています」

「うん。ありがとうね」

俺たちが降りると、エイレーネはクラーケン形態から人間形態に戻った。



「とりあえず、カンナ村に戻ろっか」

「そうですね。少し緊張します」

「私もだよ……」

そんな感じで、俺たちはカンナ村に戻った。



「300年ぶりに来たが、あまり大差ないな」

「うん、絶対言うと思った」

そう、この村は前世で最後に見た時から、街並みがほとんど変わっていないのだ。



「……大きく変わったことがあるとすれば、あそこと、あそこだな」

「うん、それも言うと思ったよ」

シルフィが指を差したのは、アンさんの家と、俺たちの家だった。



「手前にあるのが、現村長アンさんの自宅兼、カンナ村ギルドで、奥にあるのが、ライナ様の家です。ワタシとライナ様の娘さんたちもそこで暮らさせていただいています」

「そうなのか!ギルドは、他の村と比べると、結構立派だな」

「私たちが建てたんだよ」

「とりあえず、ライナたちの家に行こう」

す、スルーされた……!



「……わ、わかった。付いてきて」



そんな感じで、自宅に向かった。



「ここが、私たちの家だよ」

「リア様、結構立派ですねーーって、あれ?ライナさん、なぜかリア様がいません!」

「本当だ……。さっきから全く喋らないと思ったら……。どこ行ったんだろ」

そう言った瞬間、家の扉が勢いよく開いた。



中から出てきたのはーーリアだった。

「我はここにいるのだ。……なんでなのだ?」

「なんでって……。こっちのセリフだわ!」

「ライナたちに付いて行く途中、瞬きしたら、急に視界が変わって、我がいた場所はベットの上で、左右にはアキアとナツナがいたのだ。しかも我は意味のわからん記憶もあるし、見ての通り、包帯ぐるぐる巻きなのだ」

「意味のわからない記憶?」

「さっきまで海底の村にいたのとは別に、何かシルフィにズタズタに斬り裂かれた記憶が鮮明にあるのだ」

それ本当に起こったやつだ!



「あー、それ、あとで説明するね。……そんな事より、私の愛らしい娘たちは!?」

「ママ!お帰りー!ほんの数時間だったけど、何かあった?」

「正確には、3時間と25分。あ、今26分になった。……母さん、お帰り」

「ただいま!」

そっか。時間が狂ってたんだな。

相変わらず、会話に性格が出てるな。うん、可愛い。両方可愛い。



「リア、その傷は大丈夫なの?」

「もう大丈夫ーーうぐっ!」

「リアさん、無茶したらダメだよ!」

「姉さんの言う通り。まだ安静にするべき」

「わ、わかったのだ」



「……とりあえず、みんな中に入ろっか」

家の中に入った。



「それで、我の記憶の話はどうなったのだ?」

相変わらず発言がマイペース!



「えーっとね……。あなたに新しく追加された記憶は、私たちが海底の村に行く前に本当にあった出来事だよ」

「なるほど。じゃあ、傷だらけなのは?」

それ考えてなかった!



「あー……カズサが答えてくれるって」

「恐らく、今の時間軸は、海底の村ではなく、私たちが海底の村に行ってから約3時間後だから、まだリアさんの傷が癒え切ってないってこ

とだと思います」

急に振ったのに、サラッと答えた!

何か責任転嫁したこっちが恥ずかしくなってきた……。



「ライナさん、リア様の傷が治るまではわたくしもここにいてもいいですか?」

「いいよ。シルフィはどうするの?」

「……そ、そのことなんだがライナさん、ちょっとわがまま言っていいですか?」

なんで敬語なんだ。



「ど、どうぞ」

「これから、居候させてもらってもよろしいでしょうか?」

「……はい?」

居候とは、何事だ。



「ちょっと、どういうことかわからない……です」

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