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32 魔族・リヴァイアサンさん

「リヴァイアサンは、後で探そう!今はその人の救助を!」

「わかりました!すぐに行ってきます!」



カズサが飛んで運んで来たのは、青い髪の毛の女の子だった。



「とりあえず意識がないみたいだし、村の宿屋まで運ぼう!」

「わかりました!」

村の宿屋に急遽搬送することにした。



シン村の宿屋へ着いた。

「この人、ものすごいダメージを受けているみたいです!早く回復してあげましょう!」

治癒魔法を使って回復してあげると、女の子が喋り出した。



「だ……誰だ……我の……眠りを妨……げる……ものはぁ……」

「カズサ……。もしかしてこの子……」

「はい、もしかすると先程まで戦っていたリヴァイアサンかもしれませんね……」

「どうする?」

「今倒しておいた方がいいかもしれーー」

「ま、待ってくれ!」

「あぁ、起きてたんだね……」



「いや、前言撤回だ!今ここでお前を倒す!」

「命助けあげた相手に対して何を言ってるんですか!?」

「元はと言えば、悪いのはお前らなんだぞ……。我が海でバカンスを楽しんで寝ていたら、突然雷を受けて、挙句の果てにこの有様なのだ……」

「いや、まぁ、討伐依頼も出ていたし……」

「そうなのか!?我も人間の姿でバカンスしてればよかったのか……?」

うーん、これってお互い様なのかな?



「今回、バカンスの邪魔をしてしまったのは悪かったよ。ごめん」

「我も、巨獣の姿で遊んでたのは悪かったのだ。あと、今回は見逃してほしいのだ」

「わかった。あ、そういえばリヴァイアサンって魔族なの?」

「そうだぞ。魔族の国では水系の魔物をすべて納めている」

さらっと、もの凄い事が聞こえた気がする。



「あー、そこのお前……。カズサと言ったか?」

「は、はい?」

「お前も魔族だろう」

「えぇ。ワタシは強化型の魔族です」

「なるほど。急に魔力が上がっていたから、まさかとは思っていたが。ちなみに我は巨獣型だぞ」



「ねぇリヴァイアサン、強化型とか、巨獣型とか、どういうこと?」

「そもそも魔族というのは、魔物の中でも一際大きな魔力を持っていて、人間の姿をすることができる奴らの総称なんだ。カズサの強化型は、普段は人間の姿で生活していて、魔族化した時にだけ体に変化が現れることを言う。我の巨獣型は、我を含めて4人しかいない。人間の姿では、このようにツノが生える。ちなみに、現在の魔王様は強化型だ。あ、そういえば、リヴァイアサンって呼びにくかったらリアとでも呼んでくれ」

なるほど。魔族という判定は結構ゆるいのか……。

あ、でも、アキアとナツナってどうなるんだろう?

もしかして、リヴァイアサン(以下リア)以外の巨獣型の魔族って娘たちも含まれるのかな?



「リア、ど、ドラゴンって巨獣型なの?」

「ドラゴン……?あぁ、竜族のことか。違うぞ。まぁ、竜族と魔族の巨獣型の判定は結構難しいがな。実際、魔族の巨獣型にも、ドラゴン形態になれるものはいるし……。要は、戸籍の違いだな」

なんだそれ……。



「アキアたちが魔族の戸籍だったとしても、巨獣型ではなく、獣型だよー」

「アキアが知ってる限り、魔族の中での巨獣型は、海蛇の姿をしたリアさん、鳥の姿のジズ、象の姿をしたベヒモス、あと、ドラゴンの姿をした、バハムートのはず」

全部とんでもない名前だな……。

特にバハムートは、前世で一度戦って、人間の姿の時でも勝てなかったぐらいだ。




「よく知ってるな……。ライナでよかったか?この2人はお前の娘か?」

「まぁ、複雑と言ったら複雑なんだけど、れっきとした私の娘たちです。アキア、ナツナ、自己紹介してあげて」



「はじめまして、アキアです!」

「はじめまして……。ナツナです。アキアの妹になる」



「それにしてもリア、もう大丈夫なの?」

「まぁな。巨獣型の魔族は再生力が高いのだ。もう傷も癒えたし、我はもう一度バカンスしてくるぞ」

リアが立ち上がって、また海の方へ行ってしまった。



「まぁ、私たちもカンナ村に戻ろっか」

俺たちはシン村の村長に出来事と、お礼を言ってシン村に戻った。



リヴァイアサンの一連の事件が終わり、カンナ村での平和な生活を送ること1週間。

この1週間の平和な生活はもう失われた。



「うぅ……助けてく……れ……」

玄関の方からそんな声が聞こえた。

扉を開けると、傷だらけのリアがいた。



「え?リアじゃん……。どうしたの!?」

「話は後だまずはーー」

言い切る前に、リアが倒れてしまった。



一応、応急処置はしておいたのだが、再生力が高いはずのリアの傷はなかなか治らない。



「海底の村に……行け……。魔力は、万全か?」

「うん、そうだけど、海底って……どうやって行くの?どこにあるかも知らないし……」

「今すぐだ!魔方陣は、この紙に書いてある」

リアが一枚の紙を渡してきた。



「これって、魔族の魔方陣だよね?詠唱は私できないんだけど」

「それはカズサができるだろう。詠唱もその紙に書いてあ……る……」

またリアが意識を失ってしまった。



「アキアとナツナは、何が起こるかわからないから、ここで待ってて。カズサ、その紙には何が書いてあるの?」

「どうやら空間転送系の魔方陣と、詠唱のようです。恐らく、リアさんが言っていた海底の村へつながっています」

「わかった。早速外で使おう!」



外へ出て、カズサが魔法陣を書き始める。

「ライナ様は、その中央らへんに立ってください」

「こ、こう?」

魔方陣を書き終えたカズサが、俺の手を握って詠唱を始めた。

余談だが、カズサは魔族化した時の副作用を克服することができたようだ。



「ゲーカイ・リア・メイ」

魔方陣から禍々しい煙が発生し、俺とカズサが飲み込まれる。



「ちょっ、カズサ、大丈夫なの!?」

「リアさんに言ってください!」



煙が落ちついてきて、目を開くと、そこはさっきまでいたカンナ村と全く違う風景が広がっていた。



「「なっ……!」」

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