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30 レベル上げ(ダイエット)

「では、クエスト一覧をどうぞ!」



「カズサは、具体的に、運動してどうしたいの?」

「あ、えーと、ダイエッーーレベル上げです!」

ダイエットって聞こえたけど、まぁスルーしておく。



「レベル上げなら、ちょうどいいですね、ライナさん」

「そうだね。じゃあ、この辺のと、この辺のと、あとは……え?これって……」

俺が見ていたのは、一番最後に書かれていたクエストだ。



「はい。見ての通りです。SSランクのクエスト、リヴァイアサンの討伐です。場所は、シン村の海域付近で、まだ目撃情報のみで怪我人等は出ていないようです」

前世でも見たことがないが、実際に目撃情報はあったみたいだ。



巨大な海蛇のような姿をしたリヴァイアサンの正体は、高位の魔族ということらしい。



「カズサ、魔族化してれば勝てるんじゃない?やばそうだったら私も助けるし、ダイエットにもーー」

「レベル上げです!」



そんな感じで、俺たちはレベル上げ(仮)と、リヴァイアサンと戦うべく、シン村に行った。



シン村へ着くと、いきなり待遇モードのシン村の村長がやってきて、一際大きな宿屋へ連れていかれた。



「おぉライナ殿。改めて、お久しぶりです」

「お、お久しぶりです……。えーと、ここに連れてこられたのは何故ですか?」

「ライナ殿は、シン村のクエストを受けにきたのでしょう?カンナ村の村長から手紙がありました」

クエストを受注したのはほんの1時間前だったので、恐らくアンさんはギルド本部で許可が下りた瞬間に、手紙を送ったのだろう。

それにしても、受けなかったらどうしたつもりだったのだろう……。



「はい、そうですけど……」

「リヴァイアサンの話はご存知ですよね?」

「えぇ。まぁ」

「実は、その目撃情報があってからシン村には全く冒険者がこなくなってしまって……。そこで、ライナ殿に討伐してもらいたい訳なんです」

元々、そのつもりです。



「次にリヴァイアサンが現れる情報はありますか?」

「わからないです。あの時のように赤い稲妻をーー」

「ストップ!!」

「ライナ様、何か?」

「い、いや、なんでもないです。村長、続けてください」



「……コホン。えー、最近はよく目撃されているので、運が良ければ今日遭遇できるかもしれません」



「わかりました。リヴァイアサンの討伐はしますが、他にレベル上げをしていてもいいですか?」

「はい、是非。宿の手配はしてあります。この部屋をお使いください」



4人で海の方に向かった。



「ライナ様、早速倒しにいってもいいですか?」

そう言ってカズサが「水圧軽減」、「水中呼吸」、「水濡無効」の魔法を発動する。



「カズサ、何する気!?」

「ワタシは海に潜って魔物を倒そうかと……」

「まぁ、ダイエットならーー」

「レベル上げです!」



「じゃあ、私が昔やってた効率いいレベル上げ方法教えようか?」

「……すみません、嘘ついてました」

「正直でよろしい。だけど、アキアとナツナは水の中で呼吸したりできるの?」

「できないよー。ドラゴンは水が苦手なの……」

「同じく」



「あっ!でも、ミヅサは多分またリベンジしに来ると思うので、その時に負けたくないので一応、レベル上げもしたいです」

「了解。うーん、アキアとナツナは悪いけどちょっと待っててくれる?」

「わかった!お留守番してる!」



俺とカズサは「水圧軽減」、「水中呼吸」、「水濡無効」の魔法を発動して魔物を倒しに海へ潜った。

「水濡無効」を使っている間は、水中で目を開けるので、魔力を探らなくてもどんどん倒していける。



一時間後。

「ふぅ……。いい汗かきましたね!」

「そうだねー」

とは言ったものの、ステータスのせいで疲れは全くない。



「ではライナ様、レベル上げのことを教えてもらってもいいですか?」

「やることはただ一つ。海に向かって雷操魔法を使うだけ。どう?簡単でしょ?まぁ、強さは適当でいいよ」

「……」

カズサがなかなか「雷操」を使おうとしない。



「え?どうしたの?」

「あ、あの……。ワタシ、火操魔法しか使えないんですが……」

「えっ!?レベル200ぐらいでしょ?使えるはずじゃ……」



「逆にライナ様も火操魔法しか使えないはずじゃないんですか?」

「一応、私は全部使えるけど……」

「ぜ、全部って全属性ってことですか!?」

「え?急にどうしたの!?」

どういうことだろう?



「母さん、多分おかしいのは母さんの方。まず、魔法にはそれぞれ属性があるのは知ってる?」

「そりゃあもちろん」



「種族問わず、個人が使える魔法には適正というものがあり、それは生まれつき決まる。必ず一個以上はあって、多くても三個ぐらい。適正がないと、その属性の魔法は使えない。だから、全部使えるというのはおかしいと思う」

全然、知らなかった……。

てっきり、全部レベルアップで覚えていくもんだと……」



「ナツナちゃんの話も踏まえた上で、も、もう一度聞きます。本当に全部使えるんですか?」

「うん。見てみる?」

俺は各属性の魔法を見せてあげた。



「す、すごすぎです……」

「うーん、じゃあ、経験値があなたたちも手に入れられるようにするから、参考程度に見ていてね」

俺は3人に「盗賊」の魔法をかける。

「盗賊」は、例えば近くの冒険者が魔物を倒して経験値を獲得する時、その経験値を少し横取りできるという超便利な魔法だ。



3人に魔法をかけた後、俺は全力で海に雷を叩きつけた。

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