2 初見殺しのルーレット
そうシンファさんが言った瞬間、俺は意識を失って、その場に倒れこんだ。
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ようやく意識を取り戻し、目を開けて起き上がってみる。
俺は、転界とは全くちがった室内にいた。
まず、外に出てみると庭がある。広い。
次、建物の外観。和風。なんか見覚えがある。
ラスト、内装。和風。なんか見覚えがある。
そして壁にはこんなことが書かれていた。
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本能寺
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ーー正直、目を疑った。
いや、転生ルーレットでは織田信長だったけど、これって壮大な死亡フラグだよね?
さぁ、どうする。
多分、今日中に俺は死ぬだろう。
転生ポイントカードはたまるのかなー……
101回目からってどうなるんだろ……
そんなことを考えてるうちに日が暮れた。
なんか眠くなってきた……
もう、寝るかーーというわけに行くはずもなかった。本当にシナリオ通りのことが起きた。
「居たぞ!出会え出会え!」
「なっ何奴!?」
寺の周りを武士たちが取り囲み、現状は大パニック。控えていた味方の武士たちも慌てている。
正直、前世で歴史のテストはそこまでいい点ではなかったが、歴史は好きだったため、この状況はめちゃくちゃかっこいい。
なんて、思っている場合ではなかった!!
えーっと、確か信長は本能寺で放火して自害したんだったな……
ん?まてよ。自害?
自殺じゃないか!!
どうする!?
ーーそうだ!
俺「そこのお主、ちょっと来い」
味方A「へ、へいっ」
そうして俺は一連のシナリオを全て説明した。
まず、俺が放火。
次に、味方Aと隠れる
そこで、切ってもらう。
首を隠してもらう。
以上。
ーー結果、俺は第2の人生を終えた。
○
「ああ、また死んだのですね。ご苦労様です。」
今度は照度はバッチリのようだ。
というか、二回目に死んで変わったことがある。
ーー女神が変わっている!!
「あ、あの、シンファさんは?」
「あぁ、そうでしたね……あの人は今、神界の王、ゼウス様から時間凍結の刑を執行されています。期間は300年ほどだそうです。ちなみに彼女とは姉妹になります。あ、自己紹介遅れました。妹のサイファです。天上界では第3宇宙転生担当秘書を務めさせていただいています。これから300年間だけですが、よろしくお願いしますちなみに、私は残り時間は全然大丈夫です」
「よ、よろしくお願いします……」
正直、サイファさんの方がしっかりしてそうだ。
そりゃあ、秘書やるのもわかる。
それと、髪と目の色はシンファさんとは一緒だが、髪は短めで、目つきは真面目って感じ、こちらも口調と一致している。
「さて、早速ですが、本題に入らせていただきます。転生の件ですが、スタンプは2つ目を押させていただきました」
いつの間に押したんだ。
「あ、そうでした。雷覇さんはステータスというものをご存知ですか?」
「えぇ、まぁ、一応」
前世でもそういうのは少し耳にしたことがある。
「実は、どの宇宙にもそれは存在していて、地球の皆さんは自分のステータスを知らないだけなんです」
「というと?」
「雷覇さんも、今ステータスはあります。よければ説明しましょうか?」
「じ、じゃあ、お願いします」
「まず、雷覇さんのステータス分布を見ながら解説しますね。ほいっ」
掛け声と共に目の前に光が発生し始める。