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27 村の案内

「ふぅ……」



俺は急いで地上に戻り、アキアとナツナの様子を確認する。

一応、命は無事のようだ。



威力を調整したとはいえ、あの威力を耐えるドラゴンのステータスって意外とすごいかもしれない。



「カズサ、ありがとうね」

「いえ、弟子として当然です!」

とはいえ、傷つけてしまったのは事実なので治癒魔法で娘たちの体力を全回復する。



ダメージの反動が大きいのか、2人がなかなか起き上がる様子がないので、ギルドの病室に運び込む。



「うぅ……」

「大丈夫!?」

「はっ!ママっ!」

う、うんっ?

今、ママって……



「今のでわかった。母さんはナツナたちの親にふさわしい!」

「え?いや、なんのことかな?」

「では改めて。ナツナたちを娘として、一緒に暮らしてください!」

「わわ、私は大歓迎だけどーー」

「ワタシも大歓迎です!」



「じゃあ……!」

「いいよ。お母さんになってあげる」

「やったー!」

「よしっ……!」

アキアは飛び跳ねて喜び、ナツナは小さくガッツポーズして喜びを噛み締めているようだ。



まさかこんな感じで家族になるとは思わなかったけど、結果オーライだ。

これはカズサに礼を言わねば!



「ありがとうね、カズサ」

「いえ、ライナ様の家も賑やかになりますし、ワタシとしても嬉しいです!」



転生ライフ歴2000年……と14年余り、ドラゴンの娘がライナ家に加わりました。



「あ、あの、ライナさん……」

「ん?どうしましたーー」

アンさんの方を見ると、ギルドは壊れまくっていた。



「これ、自宅も兼ねているんですけど……」

「わかった!わかった!すぐ直す!」

「ナツナも手伝っていい?」

「アキアもー!」

おぉ……なんていい子たちなんだ!



という訳で、アンさんの自宅兼ギルドの修理工事が始まった。



私は木材の切り出し、カズサは内装、娘2人にはドラゴンになって組み立てをしてもらった。



ドラゴンがいたおかげか、作業はめちゃくちゃ早く進みーー



3時間後。



「完成!アンさん、こんな感じでいい?」

「やっぱりライナさんは凄いですね……って、言いたいんですけど、これ何ですか!?」

俺たちの視界の先には、村では一番立派な建物が建っていた。



「いや、アンさんの自宅兼ギルドだよ?」

「いくらなんでも立派過ぎます……で、でもこれでカンナ村が有名にーー」

アンさんが真顔でブツブツ言っていたが、そこはスルーする。



「えーっと、アキア、ナツナ、村の案内してあげよっか?」

「ーーうーん、どうする?」

「せっかくだから、お願い」



ちょっと間があったのが気になったが、お願いされたので、案内してあげる。



「まずここからね。ここはギルドと言ってーー」

「今はアンさんがギルドリーダーなんだよね?」

「あと、アンさんは今、カンナ村の村長も兼任していて、支持率は98%ーー」

その後もギルドの解説が続いた。



「うっ……うん、そうだね……」

いや、知らない話ばっかりだったんだけど!?



「え、えーっと、次は向かいのーー」

「前村長の家だね。前村長はアンさんの叔父にあたる人で、現在は72歳と8ヶ月だったかな?」

「今は楽しい老後を過ごしてるみたい。趣味は読書で、お気に入りの本はーー」

また長い解説が続いた。



「す、すごいね……」

「べ、勉強になります……」

カズサまで関心しちゃってる!



これもまた知らない話ばかりで、一番驚いたのはアンさんが前村長の孫だったこと。

本当に知らなかった。



「次はーー」

「喫茶、能ある鷹っ!!」

「うぅ、姉さん強い……」

なんか早押しクイズみたいになってる!



「えっと、喫茶、能ある鷹はーー」

「創立25年の村では有名な喫茶店、店長オススメのメニューはサンドイッチだっけ?」

「ちなみに、副店長オススメのメニューはーー」



その後の村の案内の主導権も、娘2人が握っていた。



「ひょっとしたら、娘たちの方が頭いいんじゃ……」

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