20 やってしまったものは仕方ない。
「「……は?」」
ちょっと待て。
「ららら、ライナさん今のは冗談ですよね?光操魔法とかで……」
「わ、私もそう思います。もう一度やってみるので、魔力をください」
俺はもう一度ステータスを見せる。
=====
ライナ 女(2000)
職業:魔法剣士
レベル1000(最大:1000)
体力:4153(最大:4153)
魔力:0(最大:3902)
攻撃力:1824
防御力:1646
素早さ:3164
知力:4608
魔法:ステータス表示、火操、雷操、地操、風操、水操、光操、闇操、氷操、不老不死、時操……(その他500ぐらい)
特殊能力等:自害転生、言語理解、平和主義
=====
「「……」」
あれ?
「も、もう一度!」
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ライナ 女(2000)
職業:魔法剣士
レベル1000(最大:1000)
体力:4153(最大:4153)
魔力:0(最大:3902)
攻撃力:1824
防御力:1646
素早さ:3164
知力:4608
魔法:ステータス表示、火操、雷操、地操、風操、水操、光操、闇操、氷操、不老不死、時操……(その他500ぐらい)
特殊能力等:自害転生、言語理解、平和主義
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「どうやらマジのようですね」
「ら、ら、ら、ら、ライナさん強すぎで……す……」
そう言ってアンさんがびっくりしすぎて倒れてしまった!
「アンさん?」
「……」
どうやら気絶してしまったようなので、とりあえず村長の所へ届けるか。
「村長ー。アンさんが色々あって気絶しちゃったので、届けにきましたー」
「おぉ!ライナか!急用だ。シン村までついてきてくれ」
アンさんの事、スルーされた!
○
シン村へ到着すると、まず視界に入ってきたのは、他の村からやってきたギルドリーダーたちと、重そうな鎧を着た兵隊たちだった。
「これはライナがやったのか?」
村長が指をさした方向を見ると、そこにはシン村のきれいな海ーーではなく、海系のモンスターたちの焼け焦げた死骸で埋め尽くされた、黒ずんだ海と、赤い稲妻が走る黒雲に覆われた空だった。
「いえ。ちがうーーと思います。あの兵隊たちはどうしたんですか?」
「近隣の王国の衛兵だ。今、海系のモンスターの焼け焦げた死骸の目撃情報が世界中で報告されていて、大混乱に陥っているらしい」
「では、どうしてシン村へ?」
「死骸の目撃情報は、シン村付近の海域で赤い稲妻が落ちた後、どんどん増え始めたらしい。それだけでは無く南国の山々が突然凍りついたり、とある海域では突然暴風が吹き荒れ出して、島ごと吹き飛ばされたり……しかも、その時間帯にはライナはシン村へいたらしいから、まさかと思ってな」
恐らく、俺が海に「朱雷」を放ったことで世界中の海系のモンスターを倒してしまい、一瞬の内にレベル1000までの経験値を全て手に入れたらしい。
前世での俺の苦労は一体なんだったんだろう。
というか、南国の山が凍るとか、島が飛ばされるとか、ありえんだろ。
「平和主義」ってなんだっけ?
「……村長、一度村に戻ってからでもいいですか?」
○
俺たちは村へ戻った。
一応、アンさんも起きていた。
「してライナ、海の死骸や、天変地異の話はどうなんだ?」
俺はシン村での出来事と、ステータスの事を話した。
ちなみに、ステータス表示をしたら、「平和主義」が消えていた。
まぁ、そうなるわな。
転生ボーナス取得直後に「平和主義」と、「言語理解」がなかったのは、前世でレベル上昇時に取得したものだからみたいだ。
「平和主義」を取得はしたが、海を荒らしまくったせいで後からステータスに影響したらしい。
「……この事は誰にも話さないでくださいね!?」
「う、うむ」
俺は一仕事(?)を終え、家に戻る途中、村の家具屋でベットを買って、担いで持ち帰った。
ステータスがステータスなので、重さは全く感じなかった。
○
翌日、また暇なのでギルドに向かう途中、村の人から声をかけられた。
「ライナちゃん、レベル1000らしいね!」
……え。
「す、すごい、ライナちゃんだ!」
……ん?
「やばい!殺されるぞ!」
……なんで!?
バキッ!!
「アンさん!!!」
ギルドの扉が壊れて、アンさんが立っているカウンターまで飛んでいき、刺さった。
力加減が難しい。
とうとうライナが最強になりました!!