19 まさかのagain(笑)
○
翌日。
ライナ家の工事が始まった。
「ライナよ。どんな感じに建てればよいか?」
まだ決まってないのか!
まぁ要望通りに建ててもらえそうなので、言っておく。
「じゃあ、その辺りの村の風景に溶け込めるようにしてください。あとは、まぁ女性が一人暮らししていける感じで」
「了解した」
「ライナ、こんな感じでよいか?」
「はい!ありがとうございます!……少し大きすぎません?」
だいたい10時間半だろうかす、とうとうライナ家が完成した。
というか、周りの建築士たちはヘトヘトで、ほとんど俺が作業していた。
というか、やたらでかい。女性の一人暮らしはどこへ……
「村長、中に入ってみてもいいですか?」
「うむ」
新生ライナ家は屋根裏含め四階建てで、ちょっと日本の民泊みたいなイメージ。
もともと盗賊の豪邸だったこともあってか、庭も家もだいぶでかい。
まず一階。
玄関から入ると、めちゃくちゃ広い部屋があった。向かって右のほうには階段がある。階段の裏にはトイレがあるようだ。水操魔法で完全水洗式になっている。
そのうちお店とか開けそうだな……。ってぐらい広い。
向かって右には、4つ部屋があって手前から、洋室、洋室、キッチン、洗面所&風呂のようだ。
二階はベランダ、階段の側に物置、一階のような広い部屋、あとは洋室が3つある。
三階は広い部屋、洋室が3つ。
屋根裏は特にない。
「……村長」
「……」
「謎の広すぎる部屋と洋室多すぎません?」
「やっぱりそうだったか……実は、設計図を村人たちがノリで作ってしまってな……ま、まぁ別に不自由はないだろう?」
いや、まぁそうなんだけど!
部屋こんなにいらない!
ーーその夜。
「ラウア盗賊団逮捕と、ライナちゃんの家完成を記念して、かんぱーーーい!」
何故か俺の家は村人たちに乗っ取られていた。
「改めて……ライナよ、よくぞロウア盗賊団を捕まえくれた。ありがとう。ライナをカンナ村の名誉村人にする事にした。これからも村人たちを守ってくれ。頼んだぞ」
いや、親捕まえて名誉村人って、ちょっと複雑だな……
まぁ、これで村で生活しやすくなるならいいか。
ーーそして村人たちの占領は朝まで続いた。
「あー、皆さん、そろそろ返ってくださいますか?」
「う、うるへー。お前も飲んでいけよぉ」
村長!!!
とりあえず、みんな帰る気配がなかったので、魔法で縛り上げ、1人ずつ追い出してから解除してあげた。
「それにしても広いな……やることもないし、とりあえずギルドに行くか」
○
「アンさーん!海系のクエストありますかー?」
「あ、ライナさん!現在ライナさんは52レベルなので、Bランクまでのクエストを受けられますね。海系のクエストは……この辺ですね。全部受注しますか?」
「あ、シン村でクリアできる物だけにしてください」
「わかりました」
俺はシン村の海へ到着した。
もう一度、雷操魔法を使う。
今回は一応経験値も欲しいので、本気でやる。
バチバチッ…………
ドォォォォォォォン!!!!
「あ……や、や、や、ヤラカシタァァァァ!」
何が起こったのか端的に説明すると、
俺は「朱雷」を使いました。
しかも前回と比較にならないぐらい強いやつを。
多分、前回は静電気程度だったけど、今回は本気で海に放ったからだと思う。
……魔力、減らしてなかったんです(笑)
もう使ってしまったものは仕方ないので、クエストの素材だけ回収して、カンナ村に戻った。
「またこんなにたくさん……確認しますので、少々……いや、長々とお待ちください……」
「長々と」ってなんだ。
30分後。
「や、やっと……終わりました。ライナさん、クエスト全てクリアです。報酬の十万二千Gです」
ちなみにGというのはゴールドの略称で、この世界の通貨のようだ。
一Gあたり日本円でだいたい1円だ。
一週間に一回ぐらい、ギルドにクエストが溜まった時に全部まとめて受注すれば結構儲かる。
「ステータスはどうされますか?」
「色々あって、使えなくなりました」
前回と同じく、「朱雷」は使用すると魔力を全て消費してしまうのだ。
「では、私の魔力をお渡しします」
俺はアンさんから魔力を受け取ってステータスを見せる。
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ライナ 女(2000)
職業:魔法剣士
レベル1000(最大:1000)
体力:4153(最大:4153)
魔力:0(最大:3902)
攻撃力:1824
防御力:1646
素早さ:3164
知力:4608
魔法:ステータス表示、火操、雷操、地操、風操、水操、光操、闇操、氷操、不老不死、時操……(その他500ぐらい)
特殊能力等:自害転生、言語理解、平和主義
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「「……は?」」