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8話 レべリングの日々を経て(1)

 探索→戦闘→探索→戦闘(日が沈むorアイテムボックスが満タンになるまでずっと繰り返し)→小動物の巣穴襲撃→吸収タイム→探索→戦闘(先頭に戻る)。

これがここ数日の生活。

獲物はウサギ・蛇・フクロウといった今まで通りの物に加え、カラス・モグラ・ネズミ・イタチ等。

他にも水辺で小ガニの群れを発見したのでそれも吸収。

探索の最中、蚊柱に集られたのでこれも吸収。

容積が小さいからか吸収一回で体まで全部吸収したが経験値は10体に付き1しか入らなかった。(潰した奴だけアイテムボックスに入れて検証した。)

 その結果がコレ。


種族 スライム/Lv9 542/900

職業 旅人/Lv9   558/900

体力=40

魔力=40

筋力=25

頑丈=27

器用=24

敏捷=23

知力=127

想像力=137

精神力=36



スキル


管理者権限/Lv1  4142/5000

???

???

吸収/Lv10     MAX!

アイテムボックス   1/15


 もうほとんどのスペックが今まで遭遇した殆どのモンスターの最大値を上回っている。

敏捷は鳥類には及ばないが、これは恐らく飛行能力の有無が関係しているのだろう。

今の敏捷値の高さが示すかのように、飛び跳ねるスピードは依然とは段違い。

木々の間をまるでスーパーボールの様に飛び跳ねる様は圧巻だ。

他にも筋力値が大きくなった結果か、大半の小動物は一度捕らえてしまえば身動きもとれない状態にしてやることができる。

さらに吸収もレベルが最大になりウサギぐらいなら全部吸収し終えるまでに30分とかからない。

それにアイテムボックスもレベル5になった際に枠が増え15種類まで収納できるようになった。

ステータス的にもそれが示す能力自体も相当な進化を遂げていることは間違いが無い。


 さてなぜこんなことをつらつらと述べているか?

答えは緊張を紛らわすためだ。

今回の獲物は湖畔に佇む一体のスライム。

 そうスライムなのだ。

今まで倒してきたモンスターは軒並み小動物か鳥類。

正面から戦っても一方的に倒せるような相手ばかりだ。

しかもその大半を奇襲か夜襲で倒しているのだから如何にこれまでの戦闘が温い物ばかりだったか。

因みにここ数日中型以上のモンスターは遭遇自体はしているが視界にとらえた瞬間逃げ出した。

パッと見た印象でステータスまで確認はしていないが、猪やシカそれに緑色の肌をした頭でっかちの小人(恐らくゴブリン?)はその姿を確認している。

ほぼ同格と思しき相手、それも奇襲も夜襲も通じないであろうスライムを相手にするのはこれが初めてなのだ。


 木の上から慎重に相手を窺う。



スライム/Lv4 221/400

職業 なし


体力=13

魔力=4

筋力=5

頑丈=8

器用=3

敏捷=5

知力=1

想像力=1

精神力=4


スキル


吸収Lv4   334/400


 レベルは数日前の自分と同じだがステータスは遥かに低い。

やはり職業の有る無しの差は大きい。

それに職業以外にも(恐らくだが)チートによる差もあり、今の自分との差はまるで大人と子供のそれだ。

 行ける。

そう確信した俺は身を圧縮するようにして力を溜める。

そして樹上からまるで砲弾を撃ち出すかのように一直線にスライムへと飛び掛かる!

驚いたのか攻撃を避けるためか横っ飛びにプヨンと身をかわすスライム。

しかしそこまでは想定内。

着地の衝撃でそのまま体を圧縮し、さながら跳ねるスーパーボールの様にスライムを追尾する!

ベチャッ!

ぶち当たった瞬間そんな音がした。

あれ?これで御終い?

 周囲に散らばる敵スライムの体液。

え?え?

目を凝らすと「スライムの体液」という物がそこらじゅうに存在する。

しかしスライム自体はどこにも見当たらない。

というかこれ俺のも交じってんじゃね?

 なんというか肩透かしにあったような気分で周囲を見渡すこと数分。

どうやら本当にスライムを倒したらしい。

念の為自分のステータスを確認する。


種族 スライム/Lv9 555/900

職業 旅人/Lv9   571/900

体力=40

魔力=40

筋力=25

頑丈=27

器用=24

敏捷=23

知力=127

想像力=137

精神力=36



スキル


管理者権限/Lv1  4155/5000

???

???

吸収/Lv10     MAX!

アイテムボックス   1/15


 うん経験値が増えている。

認めたくはないが本当にスライムを倒したらしい。

というかあの緊張は何だったんだろう。

さらに言えば本体を吸収出来ていないの為経験値効率がすこぶる悪い。

 そんなことを考えてながら森に向かって移動していると、コロコロした球体を踏んづける。

「?」

 なんだこれは。

赤黒く染まったビー玉の様な物体。

取りあえずステータスを確認してみる。

「スライム(Lv4)の魔石」

魔石。

あれか?

良くゲームなんかで召喚に使ったり、ライトノベルなんかだと加工品の材料に使う奴。

 しかしこんな物持っていても何の役にも立たない。

ゲームやライトノベルの世界みたいに誰かが買いとってくれればいいのだがあいにくこちとら孤立無援。

売りつける相手が居ないどころかそもそも市場が存在しない。

苛立ち紛れに魔石に向かって吸収をかける。

すると目の前の魔石はすうっとその姿を消してしまった。

 あれ?吸収できてる?

目の前のガラス質の物が吸収できてしまって正直に戸惑う。

本当に吸収できたのか再度ステータスを確認する。


種族 スライム/Lv9 672/900

職業 旅人/Lv9   688/900

体力=40

魔力=40

筋力=25

頑丈=27

器用=24

敏捷=23

知力=127

想像力=137

精神力=36



スキル


管理者権限/Lv1  4272/5000

???

???

吸収/Lv10     MAX!

アイテムボックス   1/15


 もしやとは思ったがやはり経験値が増えている。

もしかすると経験値が増えるのはこの魔石を吸収したタイミングなんではなかろうか?

毎回丸ごと吸収するのだから特に検証する意味は無いのだが、今回みたいに使うタイミングが無いわけではない。

取りあえず頭の中に留めておこう。

 さぁ記念すべき自己レベル10までもう一息だ。

そう思い直し再び森の中へと潜り込んでいくのだった。

お付き合いいただきありがとうございます。

評価ブックマーク感想お待ちしております。

尚今週は別作「ありふれたボーイ・ミーツ・ガール~遥か未来で~」も投稿しております。

ジャンルとしてはSF青春物になるのでしょうか。

本作とは雰囲気も登場キャラクターの数もガラッと変わり、ヒロインもちゃんと出ますので是非合わせてお楽しみいただければと思います。↓URLからジャンプできます

http://ncode.syosetu.com/n8854dc/

なお次回投稿は2/20午前8時を予定しております。

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