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第4話 レべリングの日々(二回目)

 ガシャガシャッと音を立て床に倒れ込む。

痛みを感じてもおかしくないがそれよりも恐怖が勝っているのか衝撃だけが体を駆け巡る。

慄くままに階段の降り口に目をやると、奴は階段の上からこちらを見下ろしていた。

しかし何かに阻まれているのかこちらを見るだけで一向に降りてこようとはしない。



フロア・エクスキューショナー/Lv1



職業  階層粛清者  /Lv10 MAX!


体力=9999

魔力=9999

筋力=999

頑丈=999

器用=44

敏捷=44

知力=99

想像力=99

精神力=99



スキル





階層粛清者


自然に生まれた生物では無く迷宮によってのみ生成される。

侵入者が迷宮の同一階層に長時間留まった際にのみ生成され、その階層から侵入者が居なくなるまで活動する。

驚異的なステータスを誇る反面、階層を跨ぐことができず該当フロアに侵入者が居なくなると消滅する。

その為対処法はシンプルで一刻も早く階層を離脱することが重要である。

尚生成にかかる時間は階層の広さに比例する。




 奴は俺の事を確認するとまるで元からいなかったかのように霧散していった。

やっと人心地付く。

結果的にではあるが脱兎のごとく逃げ出したのが正解だった。

立ち向かえば正面どころか奇襲でも搦め手でもどうしようもなかっただろう。


 気を取り直し通路を歩き出す。

ガシャガシャと音を立てながら。

前の階層で昼夜を確認したのは何度だったかと思いを馳せる。

確かに昼と夜の繰り返しを三度は確認した筈だ。

つまり最低でも三日は例の死神に怯えずともよい。

レベルの事だけ考えれば先ほどの階層に戻ってひたすら骸骨狩りと言うのも良いかもしれない。

しかしここは迷宮。

先ほどのフロアで宝物がいくらか入手できた。

今回のフロアでも何らかのアイテムが入手できるのではないか?

そんな射幸心と今回はマップ機能で最初から階段への道先が明らかになって居るという安心感が探索しようという意思を後押ししたためだ。


 五分ほど歩き続けた頃、今回の階層で初めての十字路が見えてきた。

この迷宮では曲がり角や十字路と言った場所ほど危険だ。

見えないところから出会い頭に敵と遭遇することが間々あるからだ。

案の定近づくにつれカシャカシャという音がしてくる。

俺の「状態異常 骨粗しょう症」が酷かった時の音とそっくりだ。

そして音は両側から聞こえてくる。

耳を澄ませて……もとい、聴覚に集中してみたところ両側から一体ずつの様だ。

当時の自分のステータスを思い起こす。

今の自分とは比較にならないほど弱い相手だ。

頭の中でこの二体のスケルトンをどう料理するかイメージする。

ヒールの連打では瞬時に目標を変えられないし、射程も余り長くは無い。

その時間でもう一方の骸骨に組みつかれたり仲間を呼ばれたりしても面倒だ。

片方はタイミングを合わせて殴り倒す。

さてどうするか……。

悩んでいる間に足音が近づいてくる。

何度も感じた距離感だ。

3……2……1……今!


 俺は右手側の通路にバッと身を出すと足音の主へ全力で拳を突きだす。

軽い破砕音と共に、スケルトンはバラバラに吹き飛んだ。

振り返ると左側の通路から出てきたスケルトンが襲い掛かる姿が目の前を覆った。

すかさずヒール!

もう一体のスケルトンもあっけなく霧散した。


 時間にすれば二秒と無かっただろうその攻防。

それを制した俺は戦利品(骨)を回収し歩みを続けるのだった。

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