第1話 二回目の転生
今回場面転換を含む為短めです。
全身を襲っていた痛みも、己を取り囲んでいた喧噪も全てが無くなっていた。
今感じるのは底冷えする様な冷たさと静寂。
かつて女神と出会った時の様な暖かさも光も存在しない。
これが本当の死か。
詰めたさに耐えかね思わず身を丸める。
カラカラカラ
「!?」
聞き覚えのない音に思わず目を向ける。
骨だ。
よく見ようと手を伸ばすとその骨も一緒に動く。
視線をずらしていくとそこにあったのは骨格標本の様にまとめられた骨だった。
ふわふわと立ち上がってみるとやはり同じように骨も動く。
……これはもしやまた転生したのだろうか?
骸骨という容貌から察するに地獄と言うのもあり得そうだが。
しかし周囲の状況からそれも考え難い。
石畳に石積みの壁。
魔法なのか何なのか一定間隔でぼんやりと周囲を照らす光源が有る。
まるでRPGに出てくるダンジョンの様な風体。
それはともかく今は現状を確認すべきだ。
心魂 山本 耕一/Lv10 492/1000
種族 スケルトン/Lv1
職業 旅人/Lv10 MAX!
探索者/Lv2 313/1000
癒術士/Lv3 192/300
戦士/Lv1
兵士/Lv1
体力=8/38
魔力=24
筋力=1/27
頑丈=1/29
器用=24
敏捷=28
知力=131
想像力=141
精神力=55
スキル
管理者権限/Lv2 505/10000
転生/Lv2 505/10000
求職/Lv2 615/10000
吸収/Lv10 MAX!
毒手/Lv1
自動回復/Lv1
治癒魔法/Lv3
体力温存/Lv1
アイテムボックス 4/30
状態異常
骨粗しょう症
……やっぱこの骨は俺だったのか。
色々突っ込みたいことはあるんだがまずはスキル欄にある転生が気になる。
転生
死ぬたびに同一の世界内で転生を繰り返す。
転生先の種族や地域はランダムで決定される。
これは控えめに言っても地獄ではないだろうか。
スライムに転生した時のと同様のを延々と繰り返すとか想像の範囲外にも程が有る。
どう見ても修羅道です本当にありがとうございました。
つまり平穏な日常を手にしたければ二通りしかない。
一つは(あるのかは知らないが)知的生命体のコミュニティに転生するまで延々死に続ける。
もう一つはいっそのこと割り切ってモンスターを滅ぼすかだ。
前者はいやすぎるし、後者は俺が二度目に殺されたフレイム・ホーンベアーの事も考えると無理筋だ。
あと骨粗しょう症って何なんだよ。
スケルトンでそれって厳しすぎるだろ。
筋力と頑丈なんか減少しすぎて一にまで落ちてるよ。
骨粗しょう症
骨密度が極端に落ちた状態。
体力と筋力・頑丈が最大で三十減少する。
種族によって速度差はあるがカルシウムの摂取により回復する。
……つまりスケルトンを探して吸収すればいいのかな?
しかし状態異常とはいえ現在の俺はウサギにすら力負けする貧弱状態。
アンデッド系と言えば回復魔法でダメージを食らうのが定番だが果たして……。
そこまで考えて俺は意識を周囲へと張り巡らせた。
以前もそうだったが一つの所に留まっているとモンスターに発見されやすい。
幸いにしてふわふわと言う感覚はあるものの体は人間だったころと同様に動かせる。
取りあえずはこの場を離れ、獲物となるスケルトンを探そう。
回復魔法が効けば何とかなるはずだ。
効かなかったら……逃げよう。(逃げられるとは言ってない)
お付き合いいただきありがとうございます。
次回投稿予定は4/16午前八時を予定しています。
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