1-6 勇者旅に出る
宿屋に戻るとひたすら土下座で平謝りをするタケル。
一旦宿屋に戻って荷物を全部置いていったときについ癖で装備品も置いてしまったのである。
無論その装備品の中にキャリーも含まれている。
『信じられない!わたしとタケル様は一心同体。そんな愛のパートナーをそこらの装備品と同じように置き去りにするなんて…』
ぶっちゃけ武器としか見てないけど、それを言ったら更に長引きそうだし言わない。こういうときは土下座に限る。大抵のことはこれで許されるって爺ちゃんが言ってた。ありがとう土下座。
『もう、次こんなことをしたら許しませんからね。』
どうやら自分の謝り勝ちのようだ。
むくりと起き上がる。もちろん申し訳ない気持ちの表情を崩さずに。
『っで次の行き先は決まったのですか?』
『まぁね。次の街はポポランって街だよ。歩いて3日ほどで着くらしい。』
『おぉー、そうなのですか。楽しみ♪いつ頃出発ですか?』
『うーん、気が早いかもしれないけど明日の朝旅立とうと思ってる。』
『やったー♪』
先ほどまでガミガミ怒っていたのが嘘のようにご機嫌だ。
次の日
朝日が出て日の光が照らす。
『さぁ、いきましょ♪新しい冒険がわたしたちを呼んでますよ~♪』
キャリーはウキウキ気分でタケルを起こそうとする。
めんどくさいながらも目を擦りながらベッドから起き上がる。
顔洗って歯を磨き、それから下の階にいき朝食をとる。
今回は和食にした。味噌汁と焼き魚の匂いが食欲をそそる。
味噌汁を啜りながら、宿屋の亭主に今日ここを立つこととお礼を言う。
朝食を食べて自分の借りてる部屋に戻り荷物を整えてから宿屋から出る。
宿屋から出ると日の光がタケルを照らす。
相変わらず、漁業と貿易が栄えてる街ってこともあり朝から賑わっている。
時折、顔見知りに出くわすので今から旅立つことを伝える。
そうこうしているうちに西門にたどり着く。
『ふふふ、いよいよだね。』
『キャリーさん、声が怖いっすよ』
キャリーの悪魔的な笑い声を無視して西門から街を出る。
しばらく歩いて後ろを振り向く。
いろいろあったけどなかなか楽しかったよ。
そう心の中でお礼をいい街をあとにする。
とりあえずこれで一章が終わりです。
全然読み直してないから変になってないか心配です(´・Д・)」