1-5 次の目的地
それから雑貨屋の方にいって必要になりそうな回復薬と毒消し、それからいままで買わなかったMP回復薬を購入した。
いままでは魔法もなかったし、MPも無いに等しかったけど、今回のレベルアップで魔法を覚えたし今後も覚えていきそうなので買っておいた。
それからキャリーに付き合わされていろんな店を巡ったりした。
ところどころ質問や買ってコールもされた。ってか買ったところでキャリーさん身につけることも食べることも出来ないよね?
まぁキャリーの機嫌が良くなったようなのでよしとしておこう。
キャリーは奴隷たちやその商人とかを見たときはブーブーと不貞腐れてたがいまではご機嫌でぺちゃくちゃと話しかけてくるのである。
そうこうしているうちに日が暮れてきた、帰ってる道中またあの白猫さんがいないか探したけど他の奴隷たちも奴隷商人の姿もなかった。
もう遅いし今日は外で食べることにした。
一旦宿屋に戻り買ってきた荷物を全部置いていく。
宿屋の方にも夕食はあるのだが夕食付きにしているわけじゃないので割引てないし、たまには外で食べるのもいいかなぁ。
宿屋から出て夜道を歩いていく。
『そこのカッコいいお兄さん、ご飯も美味しいお酒も美味しい、居酒屋"満腹"においでになりませかー。』
どこで食べようか彷徨っていると、店の前で売り子をしている女の子に呼びかけられる。
見た目は10代前半?って感じの女の子で、将来きっと美人になるんだろなぁと思われる可愛いらしい女の子である。
うーん、少し悩んだがどこがいいのかわかんないし、何より可愛い女の子の勧めってことでここにした。
いや、弁明するようだけど決っして自分はロリコンじゃないからね?ただむさ苦しい男に勧められるより女の子の勧めの方を選ぶだけだ。うん、普通だ。
そして勧められるように奥へ入っていく。
中は少し薄暗くいかにもバーって感じのところで、中央のテーブルにはジョッキを片手にわんさか賑わっている中年おっさんグループがいる。
タケルはバーのカウンターに座る。
何を注文しようか悩んでいると店の店主(30過ぎの気のいいおばさん?)にデカデカとしたジョッキをテーブルに置かれる。
『えっ!自分頼んでないんすけど?』
反論するも女店主の睨みひとつで黙ってしまう。
くぅー店を間違えたかなぁっと思いつつもジョッキに口をつける。
うん!?
一口飲んだ瞬間、濃厚でいてしつこくない果物のお酒でほんわかとする甘さが口いっぱいに広がる。
あまりの美味しさにごくごくと一気に飲み干す。
うーん、どうかと思ったけどこれなら納得の一品だ。
果実酒に舌鼓を打ちながら堪能していると。
"ドス!"っと音をたて食べ物が置かれる。
またですか…っと心の中で愚痴りながらも置かれた食べ物に手をつける。
……☆△○!?
食べ物はパスタとトマトソースで絡めたパスタ料理で口に入れた瞬間、魚介類の旨味とトマトの旨味が出ていてそれでいてお互いの味が主張しすぎずうまく絡んでいる。
思わずガツガツとガッつく。
かなりのボーリュームだったがあっと言う間に食べ尽くす。
食べてお腹いっぱいになりお腹をさする。
『ごちそうさまです。美味しかったです。』
『はいよ、そう言ってもらえると嬉しいね。』
そういい女店主は機嫌がよくなった気がする。
『そういえばここから近い街とダンジョンってどこにあるんですかね?』
せっかくなので聞いてみることにした。
『あんた冒険者かい?うーん、そうだね。ここから1番近いので西門から約3日ほど歩いたところにあるポポランって街だね。それか船で約3日ほどでいけるフーラル王国だね。』
うーん、船での移動はいいけど王国はちょっと…
万が一にでも聖剣の存在がバレたらややこしいことになる。
目立つこともめんどいことも嫌いなタケルは大きい国は控えたい。
そうなると次なる目的地はポポランってことになる。
『そのポポランって街はどんなところなんですか?』
『うーん、そうだね。わたし自身行ったことがあるわけじゃないけど、噂が絶えない街さね。』
『噂とは?』
『なんでも異民族狩りが許可された街で多種多様な奴隷が売られているとか。』
なんだその物騒な話しは。
『それに最近ではフローラ盗賊団ってのが道中現れるようになったらしい。』
えっ、まぢかよ。ぼく平和主義者なんですけど。
うーん、まぁ自分異民族でもないし狙われることはないか、それにこんな陰薄人を襲う盗賊もいないだろう。
次の目的地を決め、女店主に代金を払って宿に戻る。
そういえば何か忘れてるような…
『うぅー、ひどい呪ってやるー。』
この夜、宿屋から悲痛な女性のこえが聞こえてきたとか。
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