表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/34

「お邪魔しました」


玄関で彼は母親に挨拶をしてドアを開ける



私もついていく


門扉を開けようとする彼に



「ごめんね」と小さく言う



でも、キィーって音がその声を消してしまう


夜も遅いから外はとても静かだ


もう道を歩く人の姿もない



「明日な、あ~今から宿題やんないと」


その静けさをやぶる彼の声



英語の和訳だ・・・



「寝るの何時だろ・・・まあ、いいかいつも遅いし・・・」



能天気な彼をみるとほっとしてしまう


今度はちゃんとお礼を言おう



「ありがとね」


「やめろよ、うまくいくかわかんないよ」


「うん」


ガチャン

扉を閉めると


「じゃ、な」


走りだして、帰っていく

・・・小学生みたい・・・

小さくなって暗闇に消えていく、彼の背中をみて笑ってしまう


私も家に入る

家の中はコーヒーのいい匂いがする

今からはひと頑張りしよう


母親がキッチンのほうから


「顔洗ってらっしゃい、すごくむくんでるから」


と声をかける


玄関から、洗面所にむかうと涙で塩づけみたいなった顔が鏡の向こうに見えた


「やっば」


あわててごしごしと顔を洗ってキッチンに戻ると

ダイニングのテーブルのそばに常備している棚から辞書をだす

かばんから筆記具と英語の教科書とノートと下敷きをとりだして、テーブルにセットする


「はい」


コーヒーの入ったマグカップを私がぶつけて倒さないように少し離れたところへ置いて、

母親も自分の席について


「それで帰ってきたとき、変だったのね、お母さんびっくりしたわ」


うん・・・ごめんね・・・心配させたね


「もし、手に負えないようになったら、相談してね、まだまだ親に甘えても許される年だし、それにほんとはできるならお母さんが代わってあげたいんだけど・・・」


顔を上げて、目をみる


でも、もう制服の似合う年じゃないしね・・・ふふふって笑って席を離れ


ソファに寝転んで本を読み始めた


いつもこうやって、私の勉強が終わって寝に上がるまでそばにいる

こうやって今まで甘やかされてきてたんだな・・・



宿題が終わって明日の準備をし、歯を磨いて部屋に戻る


明日着る服を準備して・・・体操服をかばんに入れる手が止まる



・・・怖い・・・明日が・・・


でも、いろんなことがあって、泣きつかれたのもあって・・・しばらくすると眠くなって・・・

ベッドに入って目を閉じたら、すっと眠ってしまった





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ