表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界外伝のススメ   作者: 渡久地 耕助
ルーと少年兵
5/9

後日談

予約投稿


み、短い

●少年の考察

 

 SIDE ルー


 固有スキル 【重力制御】


 遺失技能にして古代魔法の【重力魔法】を魔力を消費せずに使用するスキル。


 飛び降りる際、自身にかかる重力を軽減して着地し攻撃に用いたトリックは引力と斥力を利用し手首と首を引力で引き寄せ、逆に胴体は斥力で飛ばしたのだろう。


 結果、対象の手首と首がベルゼの元に転がり、首なし死体が量産される。


 加えて残った胴体を重力で押しつぶして血だまりに変える。


 急いでベルゼに襲いかかる重力魔法で押さえつけられ、次々、首なし死体へと変わっていき、まるで麦を刈るかのような軽さで無慈悲に坦々と、殺していく。


 名目上(・・・)は援護の為にゼノンとミアータを連れてきたが、出番はなさそうだ。

 視線を向けて見ると、口笛を吹きながらも、彼の戦い方を中止している。

 まぁ彼らも十分、化物級の人間だから予想通りの反応だろう。


 寧ろ恐慌に駆られ逃げ惑ったり、襲いかかっている眼下の盗賊たちの方が正常な反応だ。


 


 レベル数値二〇〇の強さは伊達ではない。


 調べ通り、盗賊達のレベルは精々五〇前後、情報では狩猟は一〇〇に届くかどうかだ。勝てる通りは無い。


 純粋培養型の戦士かと思ったがなかなかどうして、戦い方を熟知しているし、自身のスキルを使いこなしている。

 

 反面、それは彼が受けた五年もの年月の間に受けた戦闘訓練、実験の過酷さを物語っているが、私自身の目的の為にもこの力を使ってもらう。


 



 子共に笑顔を……


 

 そう言って世界の為に戦い、消えたあの人がこの光景や今の私を見たらさぞ嘆くだろう。


 そう思っている間にどうやら仕事が終わったようだ。


 盗賊の頭も首を晒し、一人生き残った奴隷商が、あまりの光景に、腰を抜かし、逃げることも出来ずに御者台で震え上がっている。


 さて、ここからは私の仕事の時間だね。


●末路


 後日、行方不明(・・・・)になっていた、とある貴族の領主と商人の惨殺体がそれぞれの自宅に白木の棺桶に入って送り届けられることになる。


 白木の棺桶に入っていた死体は見るも無残な状態であり、生きながら、ジワジワと殺されたのであろう死に際の凄惨が見て取れる酷い形相で固まった死相、拷問の跡が全身に刻まれていた。


 同時に両者のこれまでの横領、賄賂、人攫い、殺人、盗賊との癒着等の証拠が匿名で各ギルド、王宮に届けられる。


 表向きは両者に恨みを持つ者の仕業とされたが、裏社会の住人ではなくともガリアはおろか世界中の誰もが今回の事件の犯人を思い当たった。


 


 【白い悪魔】


 

 十字教に異端を超えて悪魔の烙印を押された謎の白い少女が率い、その目的も理念も明らかになっていない最凶の戦闘集団。


 「悪い子は白い悪魔に喰われる。」


 親が躾の為に子供に言い聞かせるナマハゲの様な扱いを受ける存在である彼女達は今日も悪を食い散らし世界中の悪人を恐怖に陥れていた。



●反省会

 

 ルーは届け物の中身(・・・・・・)を想像して萎縮しながらも受け取った運び屋を尻目に自身の拠点の一つである、不定期で開店する酒場【悪魔の巣】に戻り、初仕事のベルが寝静まった後、酒を団員に振る舞いながら今回の仕事の反省会を行った。



「ん~? ベル君かい? 子供にしちゃあ、まぁまぁだねぇ~。」

「弱過ぎ、その上、効率も悪い…アレじゃ古代魔法も宝の持ち腐れ……」

「それに相手が雑魚過ぎたねぇ。」


 バックアップという名目でベルの実力を見極めていたゼノンとミアータ、【遠見の水晶玉】で観ていたアルマの三人に新入り(ベルゼ)の評価を聞いてみたが反応は予想通りだった。


 まぁ手首、首を効率よく、切り取った固有スキル【重力制御】の使い方は私も評価したが、仲間とは言え、会って一日も経っていない相手にそう、ポンポンと自身の切り札を見せるモノじゃない。


 自身の情報は仲間に対しても可能な限り秘匿しなくてはならない。


【解析】【透視】【鑑定】といったスキルでスキルを看破されても使い方、威力等、詳細な使い方は見破れない為、秘匿に意味も有る為、その分、有利になる。


 護衛の盗賊たちのレベル差もアルマによって調べがついていたので安全マージンをとってベルゼの初陣を撮らせたのだが、通常攻撃でもスキルでも無く、固有スキルの大盤振舞いと来たのだから少々呆れた。

 

 

「フフフ、まぁ彼は純粋培養型だったから仕方ない。オイオイ教育していく事にしよう。」


 古代魔法にして、遺失技能である重力属性 其れを固有スキルのバックアップで魔法式、詠唱無しに行使出来るが、彼はまだ完全に使いこなせていない。



 それに必要となる下地が出来ている以上、レベリングの必要性は、殆ど無い為、戦闘技術のノウハウをこれから仕込んでいけば彼はもっと化ける。


「なんにせよ。あの子にはもっと強くなってもらわなければ話にならない。」


 私たち……いや、この世界に住む全ての者の為に、そしてあの娘を助け出す為にも…


 SIDE END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ