ルーと金の卵達
続けて投稿
外伝ですので不定期更新になると思います。(多分)
ルーSIDE
トゥールーズ ギルド 受付
遺跡、ダンジョン攻略の拠点、補給地として知られる街、ここには数々の依頼が舞い込む。
「ハイ、これでおしまい マグドレア教会の娘さんの救出依頼 任務完了。」
私は本来、王都を拠点に構えているが敵が多い為、世界各国、各地に隠れ家を用意しており、各地に移動する際、こうしてその地のギルドに顔を出し、表の仕事として依頼を受けるのだ。
本来は、迷子探しなんて雑務クエストは受けないのだが、迷子になった娘、その父親が大物だった。
クレア・マグドレア あの撲殺神父の娘の捜索、報酬は微々たるものだが、あのガリアの豪傑と繋がりを持つのは決してマイナスにはならず、恩まで着せれるのだ。受けない手はないだろう。
「お疲れさま?でも貴女が手を出さなくても勝手に解決した様なものでしょう? ルー?」
「えぇ~仕事はちゃんとこなしたでしょう! と言うか孤児の受け入れ先に多額の寄付までしたのよ?もうクルトの女神様もビックリの慈悲ッぷりよ!! こんな迷子探しの報酬じゃ大赤字よ。」
「なにいってるの後ろの子を仲間に入れた事を考えたらお釣りじゃ済まないぐらいの黒字じゃない。」
「……やっぱ分かる?」
「あんた私の本職何かしってるでしょ。」
そうこのギルドの受付嬢、リィーン・ド・マイヤールは公爵家の長女で近衛騎士の一人にして義勇軍の大隊長の任を受けており、この街の外にある女神封印のダンジョン【黄泉の入口】の監視と有能な人材のスカウトが本来の任務だ。 その彼女がベルゼの桁はずれの戦闘能力を見逃すはずが無い。
「確かにその子の実力も分かるけど、それだけじゃないわ。貴女も気付いたでしょ? あの娘、クレアちゃんの異常さをね……その子も相当だけど、間違いなく聖女クラスの潜在能力を秘めてる娘よ。」
そう言われてあの娘の特異性を思い返す。 下級の魔物やゴロツキが徘徊する地下道を誰ひとり欠けることなく、通り抜け、ルーの隠蔽スキルを見破り、助けを求めてきた少女。
屈強な男や戦士ではなく、弱者を装い、気配を消して依頼主の娘の捜索を行っていたルーは捜索対象が自分から来た事に最初驚き、「女神さまたすけて」と助けを求められ、アルマにクレアを託し、ちりじりに逃げた子供の確保を仲間に命じ、42号と呼ばれる少年を急いで助けにいったこと、思わぬ拾い物を見つけ、すっかり忘れていたのだ。 冷静に考えれば、あの年の子供が自分の高レベル隠蔽を見破るほどの実力差を有していたという事実に他ならない。
「あ アンタ 気付いてなかったの?」
流石にリィーンも、あきれ顔だ。
「そ そんなことない ちゃんと気付いていたぞ!!」
「あんた、てんぱってると口調が変わるのよね その癖さっさと直しなさいよ。」
「う 五月蠅い!///」
「ま どの道あの娘はあなたの手に余るし、あの撲殺神父を敵に回すリスクを考えるとその子を選んで正解じゃない?」
流石にこれ以上いじろうとせず攻撃を止める。
む~やりにくい! リィーンの弱みが殆ど無いから反撃も出来ない! 悔しい!!
「ベルゼ 行くよ。 次の仕事に向かう際に皆に紹介するから。」
テクテクと無言で私の後についていくるベルゼ か 可愛い!
そうして出口へと向かう際に奇妙な男が入口から入ってきた。 黒いフードコートを身に纏い、顔をスッポリ隠しているが、上等な布で作られたコート、それに黒塗りの皮靴、執事服の様な黒いスーツがコートの其処から見えているが、執事が何時も着用している白い手袋もしていないし、なんだか変わった男だ。 貴族の使いか?それとも見習いだろうか? クレアの例があるので注意深く観察しても何も見えないので興味本位でステータスを看破するメガネを掛けて男を覗いてみる。
氏名 ■■■ ■■■■
評価ランク E- レベル1
称号 駆け出し教師?
年齢 22
種族 ヒュム?
所属 ■■■■
賞罰 なし
スキル一覧
戦闘スキル【拳闘術】【■■戦闘術】【投擲】【挑発】
職業スキル【調理】【歌唱術】【速記術】【文才】
魔法スキル なし
固有スキル【魔改造】
【固有スキル】!!
驚いたレベル1なんて雑魚 一般人でもそうお目に掛からないことや名前と所属、一部のスキルにプロテクトが敷かれていた事にも驚いたが、固有スキルを保有している人間を久しぶりに見た。
しかも【魔改造】なんて聞いたこともないスキル!!
あ~も~今日は何て日? 金の卵を一日に三人も巡り合えるなんて!! しかも戦って、唄って、料理も出来る人材! 事務の仕事も任せられる【速記術】なんてスキルもある。
クレアちゃんは逃しちゃったけど!
この執事さん?は絶対に買いよ! 何とか引き入れないとって!! 「アアッ!!」
執事君が受付で説明を聞き終わって書類を代筆している最中にリィーンが此方をチラッと見てドヤ顔をしている!
執事君は気付いていない!
アンタも気付いたわね! 悔しい~!!! そうこうしている内に登録が終わりカードを発行してしまい、仕事を受けて何処かにいってしまった。
つかつかと歩いてリンに詰め寄る!
「あら 如何したのルー? 帰ったんじゃなかったの?」
「あの執事君何者? 固有スキル持ち何て久々に見たわよ。」
「ギルドが個人情報流すわけないでしょ? 諦めなさい。」
い いけしゃあしゃあとこの女~ 駄目!駄目よルー! ここは堪えるの!これに耐えきった時私は淑女としてより成長するのよ!
それに彼はギルドに登録したとは言え今は未だ新人の筈!徴兵義務が発生するまではまだ猶予があるわ。
「そいえばそうね 邪魔したわ リン」
「別に? じゃあ またの御利用を~♪」
ぐぬぬぬぬ 勝ち誇った顔をして~
ん?
ふと振り返るとベルゼが私の服の裾を掴んで頬を膨らませてそっぽを向いてる!!
ちょ! 拗ねてる やきもち!? でれた!? もう!?
「あれれ~ もしかしてベルゼくんは焼き餅焼いてるの? ごめんね~/// じゃあ気を取り直して食堂にでも行こうかおいしい料理でも食べに行こうか! 何がいい?」
「……美味しいモノ」
「あっはっは よ~しお姉さんがこの街で一番おいしい店に案内してあげよう!」
ベルゼを見てたらなんだか癒されてしまった。 ごめんね皆、ちょっと集合に送れるわ。
悪魔の巣 一同 「「「「「ルー遅いな~」」」」」
主人公とのニアミス クレアの潜在能力
あとタイトルがちょいちょい変わります。