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強くてニューゲーム!  作者: 存在がフィクション
プロローグ【超☆勇者空間】
2/5

ep0-2

あー。死んだ。あっさり死んだ。まだプロローグなのに。


「ここが死後の世界か」


周りを見回しても何もない。真っ白な空間だ。


ホント、何もない。自分の身体も見えない。


「うーん……え? もしかしてずっとこのまま? 」


これなら地獄の方がマシじゃないか?


「おーい! 誰かいないのかー! 」


とりあえず走る。


自分の身体とかは見えないが、とりあえず走れた。


「やべっ。泣きそう! 誰かー! 」


これが死ぬっていうことなのか? 


「パンパカパーーーン!! パッパッパパンパカパーン!! 」


「うわびっくりした! 」


「どうも! 初めましてだね! 子孫君! 」


振り返るとそこには真紅の髪をポニーテールにし、光り輝く鎧を身に纏った少女がいた。


「え? どなた? 」


「初代勇者です! 」エッヘン


申し訳程度に膨らんだ胸を逸らす少女。


「うん? 初代勇者? 」


「そそ! 魔王を封印した人」


「へー。女の人だったんだ」


あまりの超展開についていけないが……そりゃ死後の世界だもん、御先祖様くらいいるよな。


「そう! こんな美少女が勇者だったのよ」


自分で言ってるよ。こんなのが俺の先祖かよ。


「いやー。30人がかりで魔王をボコったのは楽しかったわー。あのね、まずは私が勇者に…」


聞いてもいないのに武勇伝を語りだした初代。







「てか君さ、なんかこうやけに素直じゃない? 」


武勇伝を右から左に受け流していると、初代は首をかしげた。


「ん? そうか? 」


「ウン。普通だったらお前が初代? 嘘付け! とか。ここから出せ! とか言わない? 」


「うーん。素直っていうか、安心してるだけだ」


「あ、安心? 」


「ああ。この死後の世界に俺1人だけかと思ってたからさ。初代がいてくれて安心してるんだ。だから、あんたが本当に初代かどうかなんてどうでもいいんだよ」


なんかこの人の元気っぷりを見たら余計に安心してしまったしな。


「あー。なるほどね。でも、ここは死後の世界じゃないよ」


「え? 俺死んだぜ? 」


それはもうあっさりとね。


「あーうん。確かに君は死んじゃったんだけど、死後の世界に行く前に私がここに連れて来たのよ」


「へー。ありがとう。じゃあここは何なんだ? 」


「超☆勇者空間」


だっせぇ。しかもそれだけじゃ全く意味がわからん。


「じゃー一刻も早く出してください」


天国に行きたいです。


「いやいや、ここでハイドウゾーって行かせたら何の意味もないじゃない」


「つまり、俺をここに連れてきたのは大きな意味があると」


「そゆこと」


「その意味とは? 」


「君にもう一回魔王と戦ってもらうためよん」


つまり……?


「俺は生き返れるってことか! 」


「うん。まぁ……そうだね」


若干反応が悪くないか? まぁいいや。


「じゃあ早速オナシャス!! 次は負けない! 」


「あー。なんかいきなり魔王と戦う気満々? 」


「そりゃもう! ボコボコにしてやるよ! 」


「どこから沸いてくるのよその自信」


「全身! 」


堂々を答えたのに初代はジト目で俺を見ただけだった。


「……まぁ君をこのまま生き返らせても確実に魔王は倒せないから、君にはもう一回人生をやり直してもらうよ」


「!? そ、そんなラッキーがあっていいのか? 」


「むしろ、魔王と戦ってるところで生き返っても仕方ないよね? 」


「そりゃそうだ」


ま、まぁ本気を出せばワンパンで余裕だけどな。


「私は君、というか、私の子孫の勇者をずっと見てきたけど、その中でも君はずば抜けた才能と潜在能力を持ってるんだよ。だから、魔王が復活した時にも特に心配はしなかったんだけど」


「いやぁ、そんな」


いきなり本当の事を言われると照れるな。


「でもねー。まさかレベル上げもしないし、仲間も作らないしで、魔王に挑むとは思わなかった」


「あ、はい。すみません」


「だから、今回は特別にやり直せるチャンスをあげるけど、絶対にしくじらないでよ? 」


「おっけい。任せろ」


「本当にだよ? 2回目はないからね? 」


「おう! 普通は1回目もないんだ! そのチャンスを棒に振るような男ではないぜ! 」


心配性な勇者さんだな。


「あと、記憶とレベルは引き継ぐから、くれぐれも調子に乗らないように」


おおっ。つまり。


「いわゆる強くてニューゲームだなっ! これなら勝てる!! 」


「お願いだよ。私が大好きな世界を護ってね。それから、ごめん」


「え? なぜあやま」


初代の顔が悲しみに歪んだ理由を聞こうとしたのだが、聞く前に俺の意識は黒色に染まった。

【勇者】カロン Lv28

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