ep0-1
とてつもなく拙い文章です
魔王の城の広間、ここで俺はとてつもないピンチに陥っていた。
「フヌハハハハハハ!!! どうした勇者よ! 貴様の力はその程度か! 」
「だって聞いてねぇから!! 魔王がこんなにでかいとか聞いてねぇから!!! 」
「魔王は大体でかい! 」
くそっ! 昨今のライトノベルでは魔王ってのは大体人間サイズだろ。
「ふーむ、つまらんな。弱すぎる」
弱すぎるだと!?
「なんだとこのヤロー! くたばれ!! 」
俺の放てる中でも最強の魔法を放つ。
「ぁいてっ。フヌハハハハハ! 効かんわ! 」
「嘘付け! ちょっと痛かっただろ! 」
小声であいてっって言ってたぞあいつ。
「ちょっとびっくりしただけだ」
「ちっ」
魔法も効かないし、剣なんか効くわけもないし。
んー。だめだこりゃ。
「くっそー。こんな事ならもうちょっとマジメにレベルあげときゃ良かったな」
剣を放り投げて座り込む。
「む? 貴様今何レベルだ? 」
「……魔王に言うレベルなんてない」
「いいからいいから。ほら、言ってみ」
魔王も戦闘態勢を解いて座り込んだ。
「絶対バカにされる」
「いやいや、人のレベル聞いてバカにする奴なんかいねーって、ほら」
「……28」
「よわっ!? うわびっくりしたー。一応ここラスボスの所だぞ? それ完全に中盤のレベルじゃんか」
「ほら弱いって言った! うわー! うぜー! 」
「よくもまぁそんなんでここまで来れたな」
「ああ、全部逃げてきた」
「なんでこんなの逃がすんだ我の下僕達は……ってか、仲間はどうした仲間は」
「……ほら、俺って人見知りじゃん? 」
本当は王様からの御褒美を独り占めしたかっただけとは言えない。
「あー。そうなのか。いや、なんていうかさ。昔我を封印した勇者の子孫なのだろう? 貴様は」
「まぁな」
勇者ってのは好きに名乗れる称号ではないからな。疑うってんなら家系図持ってくるぞ。
「奴は30人くらい仲間を引き連れていたぞ? 完全にリンチだったわ我」
「ふーん」
「だからその反省点を踏まえて超パワーアップして復活したのに、これはない」
「じゃーもう一回封印されればいいじゃないですかーやだなー」
「はぁ。まぁいい。ここで貴様を殺せば勇者の血筋は途絶える。この世界我の物」
「俺が童貞だとなぜ分かった!? 」
さすが魔王だ。ってかやっぱり殺されるんだね俺
「さらばだ弱き勇者よ。世界はこの魔王がいただいた」
魔王が拳を振りかぶった。
あー。ごめん王様、世界の皆。代々の勇者の方々
「あー。死にたくねー」
魔王の拳が眼前にせまった時、俺は『後悔先に立たず』という言葉を思い出した。
【勇者】カロン Lv28