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  作者: KYOS
1/3

始まり

こんにちは


以前に一つ投稿させてもらって使い方が分からなかったのと行き詰まったのとで新規投稿させていただきました


たぶん不定期ですができるだけ早く更新したいと思っています

熱い―身体が燃えるように


回りを見回す


この熱さは私の回りにある家が燃えているせいだ


首だけ向けて後ろを見てみる


人が倒れている


一人ではない


男も女も子供も老人も


文字通り屍の”山“がそこにあった


ふと、自分が何か握っていることに気付いた


見ると、それは鏡のような美しい刃を紅い血で染めている日本刀だった

柄を見ると私の手も刃と同じ色をしている


そのまま、今私が着ている服を見る


お気に入りの真っ白のワンピースが紅い血で真っ赤になっていた


それで私は理解した


――あの屍の山を作ったのは誰でもない私だということ


私はひどく落ち着いて、ひどく虚ろだった


とりあえず何処へ行くという訳でもなく歩きだす


しばらく、燃えている家と屍達の中を歩いていると見慣れた建物が見えてきた

そこには見覚えがあった


母と一緒に料理を作った

父と一緒に剣道の稽古をした


猫のみーこと一緒にじゃれた


そんな思い出の場所が赤い火をともして灰になっていく

それを見て初めて私の中に感情が芽生えた


深い、底のない哀しみ―――


大声をあげて泣いた


すべてを洗い流すように


何かと決別するように



しばらくして泣き止んだ彼女の目は固い決意をした目をしていた


それは遠くを見据えるように


他の何者も近づかせないような目をしていた


そして彼女は灰になりつつある思い出の我が家に背を向け二度と振り返ることなく歩き続けた

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