ある晴れた昼下がりの7
「お帰りなさい」
完全に充電し終わったのかリンゴがフヨフヨと飛んでくる。
「いや、絶対タイミング見計らってたよね?」
ジト目でリンゴを見つめる。
そんなこと気にせずフヨフヨと飛んで私の頭の上に着地する。
「それで一体何だったんですか?」
リンゴが問いかけてくる。
「あーなんか魔族がでた。倒した。」
簡単に説明する。
「りょ」
リンゴはそれで全て察したようだ。割と長い付き合いだから出来る芸当である。
「ところで相談なんだが、このままここを探索すべきだと思うか?」
帰ってきた教会の中で湯を沸かしつつコーヒーを準備する。頭の上でゴロゴロ回りつつリンゴが答える。
「マスターは廃村となった原因を調べたいのですか?」
そう問いかけられてふと考える。廃村は世の常で、この世界では魔物に魔族に害獣にと人の世を脅かす要素が多すぎる。なので街道沿いとはいえ、小さめの村が廃村になっていても不思議ではない。
「火の魔物と魔族だからなぁ」
「村内も比較的綺麗ですしね」
そうなのだ。お湯が沸いたのでコーヒーを淹れる。
一応何故こうなったのかの仮説は立ててある。迷宮の発生だ。
迷宮は自然の産物であり、コントロールできるものではない。また、魔族もその通りだ。 便宜上魔族と呼ばれているが、実際はどのような生態なのか分かっていない。専門に研究している人もいないし、会話も通じない。ただ人間種を見つけると徹底して攻撃してくる。それこそどちらかが滅びるまで戦わなければいけないほどに。
「やはり魔族が気になりますか?」
リンゴは核心を突いてくる。
「そうだね。魔族がどこからか来た個体なのか、この近辺で発生したものなのか。
それによって変わるからな」
リンゴに答えながらコーヒーを飲む。
そこからどうするか考えつつ一旦荷物を整理していく。
亜空間から溜まっている洗濯物と洗剤を取り出す。杖を使って空中に水の玉を作り出しその中に放り込む。
さらに杖を一振りして水球をぐるぐると回転させるとどんどんと水球が汚れていく。何度か水球を消しては作り直し同じ作業を繰り返すと洗濯物は綺麗になった。
その後は水球ではなく暖かい空気で作った球の中で同じようにぐるぐる回転させて乾燥させれば洗濯の完了である。畳む魔法はないのでそこは自力である。




