ダンジョンはお日柄もよく5
一方その頃。
門に向けて大量のゴブリンが進んでいた。どこから現れているのかも定かではないが、この量のゴブリンが現れることは異常事態である。
「ススメススメ」
ゴブリンの集団の後方で大きな腹を開けて延々とゴブリンを産み出している魔物がいる。大きな叫び声で産み出したゴブリンを封印の迷宮へと送り出している。
門の内側に進んだゴブリンは魔法陣に触れる先から転移していく。そしてそのまま空中に放り出され地面に堆く死骸の山を作っていく。地面に触れた死骸は再び空中に転移させられるが、侵入してくる数の多さと死骸の量の多さでどんどんと周囲に無事に散っていくゴブリンが出始めている。
さながら死骸の雨のようになりつつある一階はまるで地獄絵図のようだった。
「なんか攻略されつつありますけど」
コアから映し出される映像を見ながら巫女っちに聞いてみる。
「あ、あ、あ、」
頭を抱え込みながら右往左往している封印の巫女。次々とコアから映し出される映像にはどんどんと攻略が進む迷宮の様子が映し出されていく。
物量で突破されるとか不憫すぎる。あ、ついに魔法陣が機能しなくなった。
「ここまで何階層あるんです?」
封印の巫女へと聞いてみる。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、」
だめだこりゃ。
「何ですかこのだめ巫女は?」
頭の上から声がする。
「おはようリンゴ」
迷宮の中で眠っていたリンゴが目をさます。
「いくつか質問はありますが、ここ迷宮の最奥ですよね?」
「そうだよー封印の迷宮ていうらしいよ」
リンゴにそう伝えつつ画面の様子を見る。一体どんな魔物がいればこのような状況を作り出せるのか。近くにゴブリンの巣窟があったにしてもこの量はないだろう。
「理解しました。あそこに浮いているのがこの迷宮のコアですね」
リンゴはそういうと迷宮コアに向かって飛んでいく。
「何するんだリンゴさん?」
画面越しにリンゴの方を見る。あ、なんか強そうな個体が空から降ってきた。
ジジジと画面にノイズが走る。画面が何個か消えていき、新しい画面が出たり消えたりしている。
「・・・リンゴさん何してるのかはわかるけど、それはやばいんじゃない?」
迷宮コアに光の触手を伸ばし何やらコアと戦いを繰り広げている。明らかに優勢なのはさすがリンゴさん。迷宮コアって神が作ったとか言われるもののはずなのだが。
「掌握完了しました。ふふん。ブイ」
リンゴさんの横に寄り添うようにコアが並んでいる。
「どうしますか?迷宮を改変していきます?」
リンゴがそう聞いてくる。
「何ができるか聞いてる間もないよなこの状況」
出していた荷物はコアの乗っ取り中に片付けている。
「とりあえずこの場所まであと何階層ある?」
「32階層あります」
意外とあるのね。まーならこりゃあれだな。
「一階層に俺を飛ばせるか?」
戦闘準備を整えつつリンゴにきく。
「いつでもできますよー」
リンゴはそういうとカッと光った。
「あいつああいうところあるよなー」
空中に放り出されたのはこの迷宮に来てから何度目か。全く信用されているというのも辛いものがあるぜ。
などと独りごちつつ、周囲に爆炎魔法をばら撒きながら一階層の制圧を開始する。
休憩の時に地面に降りたら再び空中に放り出されることになった時にはリンゴに帰ったら文句を言おうと決めた。




