ダンジョンはお日柄もよく2
再び落下しながら考える。
あたりに見える景色の様子から、最初に引っかかった転移罠による落下開始位置と変わらないように思える。これ再び同じ位置に落ちたらどうなるんだろうか、と。
「一回目をなんとか乗り越えた先に手段も何も尽きた状態での2回目とか死ねる」
背筋に寒くなるものを感じながら先ほどと同じように魔法陣を展開しゆっくり降下していく。
「念の為に少し離れたところに降りるか」
先ほどとは違う木々の隙間に向けて空中を滑空する。リアルタイムで魔法陣を更新しつつ優雅に地面に着地する。
地面に再び魔法陣が生成されたと思った瞬間に再び私は空中にいた。
「・・・オーケーオーケー」
空中に生成した魔法陣の足場の上に立ちながら地面を凝視する。
「なるほど」
見える範囲一面に連鎖しているであろう魔力の繋がりを示すラインが見える。
「落下しながら悠長にこんなの探せるかっての」
右手の親指と人差し指で輪っかを作りそこを覗き込むようにして魔力の流れを探る。しばらく観察していると魔力の密度の濃い部分を見つける。最初の落下地点から1キロほど離れた場所だ。
「落下しながらあそこまではいけんだろ」
どんなトラップだと若干呆れながら足場として固定していた魔法陣を動かし目標地点に向けて出発する。
初見殺しにも程があるし、知りうる限りで入り口から第一階層にかけてでここまで強烈な罠が仕掛けられている迷宮など聞いたことがなかった。迷宮を研究している研究者が聞いたらこぞって研究に来るだろう。そして喜んで罠にかかり死ぬ。研究者とはそういう生き物だとどこかで聞いたことがある。
「さてここか」
数分魔法陣で空中を移動し、見つけていた魔力密度の高い場所の上空に到着する。
空中の魔法陣を維持しつつ右拳を高く掲げる。拳の表面に不可視のインクで掘られた魔法陣に魔力を流し込み魔術を起動する。魔力を込める量に応じて破壊力が上がるため近接格闘において有効な切り札にはなるのだが、いかんせん魔力の充填に時間がかかることもあり、最大威力で使用する機会はあまりない。
「久しぶりに最大威力だ」
魔力の充填が終わったと同時に足元の魔法陣を消して自由落下に移行する。
体勢を入れ替え、右拳を地面に向けて殴りかかる姿勢をとり落下していく。地面に近づくにつれてカウントダウンを始め、攻撃まであと三秒ほどになった地点で勝利を確信する。魔物なのか、罠なのか知らないが吹っ飛ばすなどとテンションが上がりきった最高潮の時にそれは起こった。
年末忙しすぎて無理でした。言い訳乙。でゅふ。




