愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界 04_始まりの家での甘い一日 第9章 第2節:高所のヒントと量子もつれのキス
第9章 第2節:高所のヒントと量子もつれのキス
書斎での熱い「研究」を終えた後、俺たちのハウスキーピング・ロワイヤルは、次の舞台へと移っていた。 天井まで届く巨大な本棚が並ぶ、荘厳な図書室。ここでのゲームは、よりスリリングなものだった。
「第二回戦のお題は、『図書室の高い場所の掃除』! 俺が下で支える中、一番長くバランスを保てた者の勝ちだ! もちろん、ここにもお宝のヒントが隠されているかもしれないぜ?」
このお題に、聖女アリアが「わたくしがやります!」と、いの一番に手を挙げた。 「高い場所なら、お宝のヒントも見つけやすいかもしれませんからね!」 純粋な瞳を輝かせ、健気にも勝利とヒントを掴もうとする彼女に、誰も異論を唱える者はいなかった。
アリアは、掃除用の短いキュロットスカートに履き替えると、軽やかな足取りで高い脚立を登り始める。俺は言った通り、彼女が落ちないように、その華奢な体を支えるべく、脚立の下に陣取った。
「ご主人様、しっかり支えていてくださいね?」 「ああ、任せろ」
アリアが一段、また一段と登っていく。それに伴い、俺の視界に映る彼女の姿も、徐々に危険な角度になっていく。 ふわりと揺れるキュロットスカートの裾。そこから伸びる、しなやかで健康的な脚。そして、そのさらに奥にある、柔らかな曲線を描く聖女の領域……。
俺がゴクリと唾を飲み込んだ、その瞬間だった。
「きゃっ!?」
アリアがバランスを崩し、脚立が大きくぐらついた。 「危ないっ!」 俺はとっさに、彼女の腰を両腕でがっしりと掴み、自らの体に引き寄せるようにして脚立を固定した。
「だ、大丈夫か、アリア!?」 「は、はい……ありがとうございます、ご主人様……」
ゼロ距離での密着。俺の顔のすぐ目の前には、アリアの腰と、そして……。 ハプニングによってめくれ上がったキュロットスカートの隙間から、彼女の柔らかなお尻が、半分ほどあらわになっていた。
その時、俺は見てしまった。 彼女の、きめ細やかなお尻の素肌に、先程リリアナの下着で見たものと同じ、淡い光を放つ魔法の紋様が、まるでタトゥーのように浮かび上がっているのを。
「……ヒント、見つけたぞ」 「えっ……? どこにです……きゃっ!?」
俺がその紋様を指でなぞろうとした瞬間、アリアの体がびくんと大きく震えた。 そして、彼女の吐息が、ふっと妖艶なものに変わる。 「……ふふっ、ご主人様ったら、大胆ですこと。そんなところを触るなんて」
内なるルナが、俺の視線(観測)によって共鳴を始めたのだ。聖女の姿のまま、サキュバスの魂が囁きかける。アリアの純粋な信頼感と、ルナの官能的な体温が、支える俺の腕を通して、同時に流れ込んでくる。 この不思議な量子もつれの感覚に、俺の思考も混乱し始めた。
「……ご主人様、その……ヒント、なのですか?」 意識を取り戻したアリアが、戸惑いながら尋ねる。 「ああ、そうだ。だが、ここからじゃよく見えん。一度降りるぞ」
俺はアリアを抱きかかえるようにして、慎重に床へと降ろした。
「それで、ヒントはどこに……?」 床に降りたアリアが、不思議そうに自分の体を見回している。 俺は少し気まずい思いをしながらも、真実を告げた。 「……お前の、その……お尻だ」
「へっ……!? お、お尻ですって!?」 アリアの顔が、みるみるうちに真っ赤に染まっていく。 「ああ。さっき、脚立から落ちそうになった時に見えた。魔法のインクで、地図の続きが描かれている」
それを聞いた瞬間、アリアの背後から、ルナの妖艶な声が響いた。 『ですって、アリア。絶好のチャンスじゃないの。ご主人様に、わたくしたちの肌を、隅々まで調べてもらえるなんて』 「る、ルナは黙っていてください!」
アリアは一人で葛藤していたが、やがて意を決したように、俺に向き直った。 「……ご主人様。そのヒント、わたくし、ちゃんと確認したいです。ですから……その……」 彼女はもじもじとしながら、信じられないような言葉を続けた。
「わたくしの、お尻……ちゃんと、見ていただけますか……?」 『そうよ、ご主人様。どうせなら、もっとよく見えるように、明るい照明の下で、じっくりと観察してくださいな』 ルナの囁きが、アリアの口を通して、挑発的な響きを帯びる。
俺はゴクリと唾を飲み込み、図書室の奥にある、大きな読書用のデスクを指差した。そこには、昼間のように明るい光を放つ、魔法のランプが置かれている。 「……あそこなら、よく見えるはずだ」
アリアはこくりと頷くと、覚悟を決めた足取りで、デスクへと向かった。 そして、俺がランプに明かりを灯すのを待ってから、ゆっくりと俺に背を向け、スカートの裾をぎゅっと握りしめた。
「ご、ご主人様……。ヒントが見えやすいように……しますね」
彼女はそう言うと、恥ずかしさに震えながらも、自らの手でキュロットスカートとめくし上げ、さらにその下の純白の生地を、ゆっくりと、本当にゆっくりと、引き下げていった。
ランプの明るい光が、聖女の聖域を白日の下に晒していく。 やがて、丸みを帯びた完璧な形の丘が、二つ、あらわになった。そして、その片方に、淡い光を放つ地図の紋様が、確かに浮かび上がっている。
「……どう、でしょうか……? これで、見えますか……?」 アリアは、デスクに手をつき、少し腰を突き出すような形で、必死に恥ずかしさをこらえている。 「ああ……見える。だが、複雑な紋様だ。動かないでくれ」
俺は、その神聖な領域を汚さないように、細心の注意を払いながら、顔を近づけた。 指先が触れるか触れないかの距離で、光の紋様をじっくりと目で追っていく。 甘く、清らかな香りが、俺の理性を揺さぶる。
「ひゃぅっ……!」 俺の吐息が肌にかかったのか、アリアの体が愛らしく震えた。 『もっと……もっと近くで、見てくださっても、よろしくてよ……?』 ルナの声が、吐息と共に漏れ聞こえる。
その極度の緊張と興奮に、ついにアリアの精神が耐えきれなくなったのだろう。 「……あ……ご主人様、なんだか、頭が……クラクラ……」
ヒントを解読し終えた、まさにその瞬間だった。 アリアの体が、ぐらりと大きく傾いた。 「危ない!」
俺は彼女の体を正面から抱きとめる。腕の中で、アリアはぐったりとして、呼吸が浅くなっていた。 「しっかりしろ、アリア!」 これは、ただの貧血じゃない。精神の混濁だ。 俺はためらわなかった。彼女の唇に、自らの唇を重ね、命を吹き込むように、深く、息を送り込む。
すると、閉じていた彼女の瞼が、ゆっくりと開かれた。 だが、その瞳に宿っていたのは、アリアの純粋な光ではなかった。 妖艶で、蠱惑的な、サキュバス・ルナの光だった。
「ん……ふぅ……。あら、ご主人様。随分と情熱的な 『救命の口づけ』 ですこと。……その続き、もっと味わわせてくださらない?」 ルナはそう言うと、俺の首に腕を回し、さらに濃厚なキスを返してきたのだった。
◆ 愛情日誌:アリア&ルナ
記録者: アリア(時々ルナ)
好感度ポイント: もう、わかりません……!
今回の出来事のまとめ: お宝のヒントが、わたくしの、その、お尻にあるなんて……! ご主人様にあんなところをじっくり見られるなんて、恥ずかしすぎて、気を失うかと思いました……。(『最高だったわよね? もっと見てもらえばよかったのに』と、ルナが言ってます……もう、お黙りなさい!)
次回のおねだり: でも、ヒントは二つ目。これで一歩リードです。このまま、わたくしが『究極のキス』を頂いてみせます! (『もちろん、その時はわたくし(ルナ)がいただくに決まってるじゃない』……ですから、黙りなさい!)




