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愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第1章2節:小旅行と勝ち取ったご褒美

#本編 #シーズン2


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第1章2節:小旅行と勝ち取ったご褒美

どこまでも続く青い空と、白い砂浜。 ミミとご主人様は、気分転換のために訪れた 【夏休みの海辺】 で、子供のようにはしゃいでいた。


「きゃっきゃっ! ご主人様、冷たいですにゃ!」


「ははは、こっちだ、ミミ!」


しばらく波打ち際で遊んだ後、二人はビーチパラソルの下で休憩することにした。 クーラーボックスの中には、キンキンに冷えたジュースが一本だけ残っている。


「ご主人様、喉が渇いたでしょう。どうぞ、これを飲んでくださいにゃ」


ミミがジュースを差し出すと、ご主人様は悪戯っぽく笑った。


「いや、君も喉が渇いているだろう。俺は大丈夫だ」


「そんなわけにはいきませんにゃ! ご主人様を潤すのが、ミミの役目ですにゃ!」


「ははは、そうか。…ならば、こうしよう」


ご主人様は、ポン、と自分の拳を叩いた。


「じゃんけん勝負だ。勝った方が、このジュースを飲む、というのはどうだい?」


「…! はいですにゃ! 望むところですにゃ!」


ミミは、ご主人様からの挑戦に、ぱあっと顔を輝かせた。


【サービスシーン: タイプH】


(また、この時間がやってきましたにゃ…!)


ミミの胸が、期待に高鳴る。 ルールは、いつもと同じ。ご主人様は、必ず『グー』を出す。


(さあ、どうしましょう…!)


お仕置きの「負け」を選べば、ご主人様にこの冷たいジュースを飲ませてもらえる。 火照った体に、ご主人様の手で注ぎ込まれる甘い液体…。 想像しただけで、喉がきゅっとなる。


あいこの「フルコース」を選べば、もっとすごいことになる。 目隠しをされて、ご主人様と間接キス…? 考えただけで、頭がくらくらしてきた。


でも…。


(今のミミは、メイドなんですにゃ!)


ミミは、きゅっと唇を結んだ。 今は、ご主人様に甘やかされたい、という女の子の気持ちよりも、ご主人様にお仕えしたい、というメイドの気持ちの方が、ほんの少しだけ強かった。


「いきますにゃ! じゃん、けん…!」


ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、ミミが出したのは…。


「ぽん!」


可愛らしい掛け声と共に、ミミが出したのは、そのグーを優しく包み込むような、「パー」 だった。


「…ミミの、勝ちですにゃ!」


ミミは、にぱーっと効果音がつきそうな満面の笑みで、勝利を宣言した。


「ああ、負けた負けた。それじゃあ、ご褒美を頼むよ、ミミ」


「はいですにゃ! お任せくださいですにゃ!」


ミミは、勝ち取ったジュースの缶を開けると、ご主人様の隣にちょこんと座った。 そして、その缶を、ご主人様の唇に、そっと近づける。


「ご主人様、あーんですにゃ」


「ははは、ありがとう」


ご主人様は、楽しそうに笑いながら、ミミの手からジュースを飲む。 こくり、と喉が鳴るたびに、ミミの胸も、きゅん、と可愛らしい音を立てた。


(ああ、ご主人様にお仕えできるって、なんて幸せなんでしょう…! ミミは、この瞬間のために生まれてきたんですにゃ…!)


献身的な愛情に満たされた、穏やかな時間。 二人は、この幸せが永遠に続くと信じていた。


「やっぱり、我が家が一番落ち着くな」


書斎に戻り、ご主人様は満足そうに息をついた。


「そうですにゃ。ミミも、この書斎の匂いを嗅ぐと、ほっとしますにゃ」


ミミは、部屋の空気を胸いっぱいに吸い込む。 そして、何気なく壁に視線をやった、その瞬間。


「……え?」


ミミの表情が、僅かに固まる。 彼女は壁に近づき、じっとその一点を見つめる。


「ご主人様、この書斎の壁紙って、前は…もう少し、白いクリーム色じゃありませんでしたか…?」


「そうか? 俺は、最初からこのアイボリーだったと思うが…。気のせいじゃないか?」


「…気の、せいです、かね…?」


ミミはご主人様に笑顔を向けながらも、その胸の内には、小さな、しかし確かな棘が突き刺さっていた。 気のせいなんかじゃない。 この完璧なはずの世界に、何かが起きている…。 その予感が、ミミの心に、冷たい影を落とし始めていた。 #シーズン2 #本編

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