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愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第9章1節:最後の夜と、三つの願い



#本編 #シーズン2


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第9章1節:最後の夜と、三つの願い

再創造された、穏やかな世界。 その、始まりの家のリビングで、最後の夜の、晩餐が、開かれていた。


明日、エリス、リリアナ、ソフィアは、それぞれが最も輝ける、新しい世界線へと、旅立つ。 女王として、知の守護者として、そして、新世界の聖女として。 それは、栄光に満ちた、新たな門出。しかし、同時に、ご主人様との、しばしの別れを、意味していた。


食事が終わり、暖炉の炎が、静かに、揺れる。 重い沈黙を、破ったのは、エリスだった。


「…ご主人様。私たちから、最後のお願いがあります」


リリアナとソフィアも、こくり、と強く、頷く。 その瞳は、潤んでいるが、そこには、確かな決意の光が宿っていた。


「私たち、一人一人と、『公開お仕置き宣言じゃんけん』 を、してください」


「…!」


ご主人様は、息を呑んだ。 ミミが、心配そうな顔で、三人の顔を、見つめている。


リリアナが、静かに、言葉を続けた。 その手には、いつの間にか、美しい装丁の、空白の魔導書が、握られている。


「この世界での、詳細な記憶は、それぞれの世界線に旅立てば、いずれ、薄れていってしまうでしょう。ですが、魂に刻まれた、この愛だけは、決して、忘れたくありませんの」


「だから、この儀式で、私たちの愛と、ご主人様への感謝を、最高の思い出として、魂に、刻みつけてほしいのです」と、ソフィアが微笑む。


「そして、その、最高の思い出の全てを、この本に、記録しますわ」 リリアナが、魔導書を、愛おしそうに撫でる。 「未来の私たちが、道に迷わないための…ご主人様へと続く、唯一の、道標として」


それは、彼女たちが、自らの意志で決めた、あまりにも、健気で、そして、壮大な、愛の儀式だった。


「…わかった。君たちの覚悟、確かに受け取った」


ご主人様は、静かに、立ち上がった。 ミミは、記録係のリリアナの隣に座り、固唾を飲んで、その儀式の始まりを見守る。 これから始まる、三夜連続の、愛と魂の、物語。 その、最初の挑戦者は、もちろん、この女だった。


「さあ、ご主人様! 最初の勝負です!」 エリスが、燃えるような瞳で、ご主人様の前に、立った。 #シーズン2 #本編



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