表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/126

愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第8章4節:降臨せし愛しごころと創造の儀



#本編 #シーズン2 #最終章


[[00_シーズン2本編目次|目次へ戻る]]


第8章4節:降臨せし愛しごころと創造の儀

「…私を、あなたの、その手で、消滅させてほしい」


創造主の、あまりにも悲しい願い。 ご主人様が、その手を、震わせることしかできなかった、その時。


「…待つのですにゃ」


ミミが、静かに、一歩、前に出た。 しかし、その声は、いつもの彼女のものではなかった。どこか、懐かしく、気高く、そして、計り知れないほどの愛に満ちた響きを持っていた。


「創造主様。いいえ…『あなた』。私と、最後のゲームをしましょう」


ミミは、ご主人様の手をそっと離し、創造主の前に、一人で立った。 その小さな背中から、今、世界の始まりの光にも似た、神々しいオーラが、放たれていた。


「これは、勝敗を決めるためのものではありません。永い、永い時を超え、私たちが、再び、一つになるための儀式…『神々の創造じゃんけん』 です」


その宣言に、創造主の瞳が、初めて、大きく見開かれた。


「お前は…その、声は…まさか…」


ミミの体を借りた「誰か」は、優しく微笑み、宣言を続ける。


「私が負けたら、お仕置き。あなたの、その永い孤独と悲しみを、罰として、この身に、すべて、受け入れましょう」 「私が勝ったら、ご褒美。私の、変わらぬ永遠の愛を、ご褒美として、あなたの魂に、もう一度、注ぎ込みましょう」 「そして、あいこになったなら…スペシャルパワーを発動します。私たちの愛の力で、この世界を、あなたが本当に望んだ、優しくて、温かい、愛に満ちた形に…もう一度、一緒に 『共同創造』 するのです」


それは、世界の理を超えた、魂の約束。 創造主の頬を、一筋の、神の涙が、伝った。


「…ああ…やはり、お前だったのか…。また、会えるとは…夢にも、思わなかった…」


「いきますよ、『あなた』…! じゃん、けん…!」


もはや、それは、グー・チョキ・パーという、人の子の遊戯ではない。


創造主が、震える手で差し出したのは、全てを無に帰す 『終焉の御手』 。 その瞬間、ミミの体が、まばゆい光に包まれた。猫耳は光に溶け、その姿は、気高き『創生の女神』へと、変貌を遂げる。


そして、女神が降臨したミミが、愛おしそうに差し出したのは、全てを優しく生み出す 『創生の御手』 だった。


二つの神の御手は、どちらが勝つでもなく、どちらが負けるでもなく、永い時を超え、互いの指を、そっと絡め合った。


――あいこ。


その瞬間、女神が、歓喜の声を上げた。


「スペシャルパワー、発動!」


二つの御手が触れ合った中心から、愛そのものと言うべき、純粋なエネルギーが溢れ出す。 その光は、世界の歪みを、優しく修復していく。 創造主の、永い、永い孤独を、温かく、癒していく。


誰かが犠牲になる世界は、もう、終わり。 二人の神の愛から、新しい、優しい世界が、今、この瞬間に、再創造された。


光が、収まった時。 女神の気配は、ふっと消え、ミミは「あれ…? いま、ミミ、なんだか、すごく、懐かしい夢を見ていたような…?」と、不思議そうに、首を傾げた。


だが、創造主の表情は、もう、孤独の影を宿してはいなかった。 その顔は、永遠の愛を取り戻した、穏やかで、満ち足りた笑みに、輝いていた。


世界の命運を賭けた、最後のじゃんけんは、神々の、永い時を超えた、愛の再会によって、奇跡の結末を迎えたのだった。 #シーズン2 #本編



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ