愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン０２ 第8章3節：創造主の告白
#本編 #シーズン2
[[00_シーズン２本編目次|目次へ戻る]]
第8章3節：創造主の告白
「…話を聞こう。お前が、何を、望んでいるのか」
ご主人様の、その、あまりにも、優しい言葉に、創造主の、虚ろな瞳が、初めて、僅かに、揺らいだ。 彼は、ぽつり、ぽつりと、自らの、悲しい過去を、語り始めた。
彼にも、かつて、愛する、女性がいたこと。 その女性を、不治の病で、失ってしまったこと。 その絶望から、逃れるために、彼は、神の力に、手を伸ばし、彼女が、永遠に、生き続けられる、理想の世界を、創造したこと。
しかし、彼が、創り出せたのは、彼女の、抜け殻だけだった。 魂までは、再現できず、彼女は、ただ、微笑むだけの、人形と、なってしまった。 彼は、絶望し、何度も、何度も、世界を、創り直した。 しかし、結果は、同じだった。 その、無限の、ループの中で、彼の心は、少しずつ、壊れていった。 そして、いつしか、彼は、自分と同じように、愛する人と、結ばれた、ご主人様の世界を、妬み、憎むようになっていたのだ。
「…私は、ただ、もう一度、彼女に、会いたかっただけなんだ…。魂の、温もりを、感じたかっただけなんだ…」
創造主の、その、あまりにも、悲しい告白に、一行は、涙を、禁じ得なかった。 ミミ、エリス、リリアナ、ソフィアは、それぞれ、自らの、ご主人様への、愛情を、重ね合わせ、その胸を、締め付けられていた。
話し終えた後、創造主は、ふっと、自嘲気味に、笑った。 そして、ご主人様の前に、すっと、立った。
「…二番目の、創造主よ。私と、じゃんけん勝負を、してもらおうか」
「…なんだと？」
「これは、私自身の、けじめだ」
ご主人様は、黙って、その挑戦を、受けた。 そして、その様子を、少し離れた場所から、ミミ、エリス、リリアナ、ソフィアが、涙ながらに、見守っている。
【サービスシーン: タイプH】 【覗き見と羨望の連鎖ルール適用】
（ああ…なんて、悲しい、人なのでしょう…） （…分かる。分かるぞ、お前の気持ち…！） （…愛が、深すぎる故の、過ち…） （…神よ。どうか、彼の魂に、安らぎを…）
四者四様の想いが、星空の、玉座で、交錯する。
玉座の前で、創造主は、意を決したように、右手を後ろに隠した。
「いくぞ…！ じゃん、けん…！」
ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、創造主が出したのは…。
「ぽん…」
力なく差し出された、か弱い 「チョキ」 だった。
（負け…！ あの人は、自ら、罰を、望んだんだ…！）
四人は、思わず息を呑んだ。 彼が、望む、お仕置きとは、一体、何なのだろうか。
「…私の、負けだ」
創造主は、どこか、安らかな表情で、ご主人様を、見つめた。
「ああ。それじゃあ、お仕置きだな。…何がいい？」
「…お仕置きは、これだ。…この、歪んだ世界と共に、私を、あなたの、その手で、消滅させてほしい」
「…！」
その、あまりにも、悲しく、そして、美しいおねだりに、その場にいた全員が、言葉を、失った。
（お仕置き：ご主人様のその手で、自分を、消滅させてほしい）
（なんて、人なの…） （…自分の、罪を、自分で、償うつもりなんだな…） （…これが、彼の、最後の、愛の形…） （…ご主人様…）
四人は、創造主の、その、あまりにも、深い愛情に、涙と、尊敬の念を、抱くことしか、できなかった。 ご主人様は、黙って、創造主の前に、立った。 そして、その肩に、そっと、手を置いた。 その瞳は、深く、そして、悲しい、色を、していた。
#シーズン2 #本編
