愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第8章2節:最初の創造主
#本編 #シーズン2
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第8章2節:最初の創造主
ご主人様の、逞しい腕に、お姫様抱っこされながら、エリスは、幸せの、絶頂にいた。 しかし、塔の、最上階に、辿り着いた、その時。 一行は、息を、呑んだ。
そこに、広がっていたのは、星空だった。 床も、壁も、天井も、全てが、ガラス張りで、まるで、宇宙空間に、浮かんでいるかのようだった。 そして、その、中央に。 玉座に、腰掛け、静かに、星空を、眺めている、一人の、男がいた。
その男は、ご主人様と、よく似た、面影を、持っていた。 しかし、その表情は、全ての、感情が、抜け落ちたかのように、虚ろで。 その瞳は、無限の、孤独を、映し出して、いた。
「…来たか。二番目の、創造主よ」
男は、ゆっくりと、立ち上がった。 その声は、地獄の底から、響いてくるかのように、冷たく、そして、悲しかった。
「…お前が、最初の、創造主か」
ご主人様が、静かに、問いかける。
「…いかにも。私は、この世界の、最初の、そして、唯一の、神となるはずだった、男だ」
創造主は、そう言うと、ふっと、自嘲気味に、笑った。 その、あまりにも、悲しく、そして、美しい姿に、一行は、言葉を、失った。
【サービスシーン: タイプF】
ご主人様は、創造主の、その瞳の奥に、見覚えのある、影を、見出した。 それは、かつて、ミミを、失いかけた、あの時。 無限の、絶望の中で、一人、彷徨っていた、自分自身の、影だった。
(…この男、俺と、同じだ…)
ご主人様の、五感が、研ぎ澄まされていく。 創造主から、漂ってくる、微かな、百合の、香り。 それは、彼が、愛した、女性の、香りだろうか。 彼の、虚ろな瞳の奥で、燃え尽きることなく、燻り続けている、絶望の、炎。 彼の、か細い、指先から、伝わってくる、無限の、孤独の、冷たさ。
(…この男は、愛する人を、失ったんだ。そして、その絶望から、逃れるために、この、歪んだ世界を、創り出した…)
ご主人様は、全てを、理解した。 この男は、敵ではない。 救われるべき、もう一人の、自分自身なのだ、と。
「…話を聞こう。お前が、何を、望んでいるのか」
ご主人様の、その、あまりにも、優しい言葉に、創造主の、虚ろな瞳が、初めて、僅かに、揺らいだ。
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