愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第7章3節:ポーンの軍団と聖女のあいこ
#本編 #シーズン2
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第7章3節:ポーンの軍団と聖女のあいこ
ご主人様の、知的な囁きによって、リリアナは、無事に、石板の罠から、解放された。 しかし、一行の前に、休む暇は、なかった。
ゴゴゴゴゴ…!
地響きと共に、チェス盤の向こうから、無数の、黒い影が、現れた。 それは、ポーンの駒の形をした、機械兵の軍団だった。
「くっ…! 来るぞ、みんな!」
エリスの、号令。 一行は、それぞれの武器を手に、迫り来る、ポーンの軍団に、立ち向かった。
戦いは、熾烈を極めた。 一体、一体は、弱いが、その数は、圧倒的だった。 斬っても、斬っても、無限に、湧いてくる。
数時間の、死闘の末。 一行は、なんとか、ポーンの軍団を、殲滅することに、成功した。 しかし、その代償は、大きかった。 全員が、疲弊しきって、その場に、座り込んでしまった。
「…はぁ、はぁ…。なんて、数なんだ…」
「…この先、ナイト、ビショップ、ルーク、クイーン、そして、キングが、待ち構えているというのに…」
リリアナの、絶望的な言葉に、一行は、押し黙った。 その、重い沈黙を、破ったのは、ソフィアの、優しい声だった。
「…皆さん。こんな時こそ、景気づけが、必要ですわ」
ソフィアは、にっこりと、聖女のように微笑むと、ご主人様の前に、すっと立った。
「ご主人様。私と、じゃんけん勝負を、していただけませんか?」
「…ソフィア?」
「ふふっ。今の、この淀んだ空気を吹き飛ばすには、これしかありませんわ」
ソフィアの、そのあまりにも、突拍子もない提案に、ご主人様だけでなく、ミミ、エリス、リリアナも、呆気にとられている。 しかし、ご主人様は、すぐにその意図を察し、にやりと笑った。
「…面白い。いいだろう、ソフィア。その勝負、受けよう」
ご主人様は、他の三人に目配せをすると、チェス盤の中央で、ソフィアと向かい合った。 もちろん、三人は、その様子を、近くの駒の陰から固唾を飲んで見守り始めた。
【サービスシーン: タイプH】 【覗き見と羨望の連鎖ルール適用】
駒の陰から、三人は、固唾を飲んで、二人の様子を覗き見ていた。
(ソフィアさんまで、じゃんけん勝負を…!?) (あの、聖女様が、何を考えているんだ…?) (…いいえ。きっと、ソフィアさんなりの、深いお考えがあるのですわ…)
三者三様の想いが、駒の陰で交錯する。
チェス盤の中央で、ソフィアは、意を決したように、右手を後ろに隠した。 その表情は、まるで、迷える子羊を導く、聖母のように、穏やかだった。
「いきますわよ…! じゃん、けん…!」
ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、ソフィアが出したのは…。
「ぽん…!」
ご主人様の拳に、自らの拳をこつんとぶつける、「グー」 だった。
(あいこ…! あの、ソフィアさんが、一番欲張りな選択をした…!)
三人は、思わず息を呑んだ。 あの、慈愛の塊のような、ソフィアが、一体、どんなフルコースを、ご主人様にねだるというのだろうか。
「…あいこ、ですわね」
ソフィアは、不敵な笑みを浮かべて、ご主人様を見つめた。 その瞳は、「さあ、私に、究極のフルコースをくださいな」と、雄弁に語っていた。
「やれやれ。君も、大概、欲張りだな」
ご主人様は、呆れたように笑いながら、近くの引き出しから、一枚のシルクのハンカチを取り出した。
「まずは、お仕置きからだ。…ソフィア、こっちにおいで」
「…はい」
ご主人様は、そのシルクのハンカチで、優しく、ソフィアの目を覆い、後ろで固く結んだ。
(お仕置き:目隠し)
「よし。それじゃあ、次はご褒美だ。…疲れているだろう。俺の膝の上で、少し、お休み」
「…!」
(ご褒美:ご主人様の膝枕)
ソフィアは、目隠しをされたまま、ご主人様の、その逞しい膝の上に、そっと、頭を乗せた。 視覚が、奪われているせいで、ご主人様の、太ももの、硬さ、温かさが、普段の、何倍も、生々しく、伝わってくる。
(ああ…ご主人様…! なんて、倒錯的で、甘美な、フルコースなのでしょう…!)
ソフィアの、理性が、蕩かされていく。 その、あまりにも、扇情的な光景を、ミミ、エリス、リリアナは、それぞれの想いを胸に、見つめていた。
(な、なんて、破廉恥な…! でも、羨ましい…!) (くっ…! あの女、聖女の皮を被った、魔女だ…!) (…完敗ですわ…。あの、聖母と少女の、究極のギャップには、誰も、勝てませんわ…)
三人は、ソフィアの、その底知れない魅力の前に、ただ、ひれ伏すことしか、できなかった。 しかし、一行は、まだ、知らない。 次なる敵、ナイトの駒が、すぐそこに、迫っていることを…。
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