愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第6章3節:偽りの誘惑と魂の絆
#本編 #シーズン2
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第6章3節:偽りの誘惑と魂の絆
「さあ、ご主人様…。私の、極上の癒やしを、ご堪能くださいな…」
偽ソフィアの、甘い囁き。 偽リリアナの、妖艶な流し目。 ご主人様の理性が、焼き切れようとした、その時だった。
「待ちなさい!」
凛とした、しかし、怒りに満ちた声が、響き渡った。 声の主は、本物の、エリスだった。
「ご主人様から、離れろ! この、偽物どもが!」
エリスは、剣を抜き放ち、偽物たちに、斬りかかろうとした。 しかし、その動きは、どこからともなく現れた、二人の、新たな偽物によって、阻まれた。
「あらあら、そんなに、怒らないで? 私」
そこに立っていたのは、エリスそっくりの、しかし、どこか、挑発的な笑みを浮かべた、偽エリス。 そして、その隣には、冷たい光を宿した、偽ミミが、立っていた。
「…これで、役者は、揃った、というわけか」
ご主人様は、自分を四方から取り囲む、四人の偽物たちを、冷静な瞳で、見据えた。 そして、偽エリスが、ご主人様の前に、ずいっと立った。
「ご主人様。私と、『公開お仕置き宣言じゃんけん』 です。私が負けたら、あなたに、最高に過激なお仕置きを、してもらいますから」
その様子を、少し離れた場所から、本物のエリスが、固唾を飲んで、見守っている。
【サービスシーン: タイプJ: 公開お仕置き宣言じゃんけん(Janken Punishment Game)】 【覗き見と羨望の連鎖ルール適用】
(あの、偽物の私…。一体、何を考えているんだ…!) 本物のエリスは、ぎりり、と奥歯を噛み締めた。
偽エリスは、くすくすと妖艶に笑うと、宣言を始めた。
「お仕置きのフルコース、まずは 『魂の隷属を誓う主従逆転の儀』 。私があなたの『奴隷』になる儀式です。この場で四つん這いになり、あなたの靴を舐め、『私はご主人様の犬です』と三回吠えます。私の騎士としての誇りも魂も、すべてあなたに捧げますので、その証として、私の額に、あなたの指で『肉』という文字を書いてくださいな」
「なっ…!?」 本物のエリスが、絶句する。騎士の誇りを、なんだと思っているんだ!
「ふふ、まだありますわよ。次は 『快楽の祭壇』 。私を祭壇に見立て、このテーブルの上で手足を拘束し、私の魔力の源であるおへそに口づけし、魔力が空っぽになるまで吸い出し続けてください。私が苦しみと快感に喘ぐ声を、皆に聞かせてあげる」
「やめろ…! そんなこと、私が、言うはずが…!」 本物のエリスの悲痛な叫びも、偽エリスの宣言を止められない。
「そして、メインディッシュは 『仲間たちの前で晒される身体検査レポート』 ! 私が、本物のエリスよりどれだけ優れているか、隅々まで調べて、その結果を、本物のエリスと、他の仲間たちの前で、大声でレポートするのです! 『胸は偽物の方が大きい』『肌は偽物の方が滑らかだ』と! …ああ、でも、ご心配なく。このお仕置きは、ただ辱めるだけじゃない。なぜなら、私は、あなたを虜にする 『サキュバス』 だから。私の体は、男を悦ばせるためだけに存在するの。このお仕置きは、あなたにとって、最高の快楽になるはずよ」
サキュバス。その言葉に、ご主人様以外の全員が息を呑んだ。
「さあ、じゃんけんよ、ご主人様!」 偽エリス(サキュバス)が、力なく「チョキ」を出す。ご主人様は、無言で「グー」を出した。 完璧な敗北。
「私の負け。さあ、お仕置きの時間よ、ご主人様…!」 偽エリスは、恍惚の表情で、ご主人様に身を委ねようとした。
しかし、ご主人様は、その体を、毅然と、振り払った。
「…茶番は、終わりだ」
その声は、絶対零度の、冷たさを、帯びていた。
「…え?」
「確かに、お前の提案は、魅力的だ。男の欲望を、的確に突いている。だが、それは、ただの『誘惑』だ。俺が求めている『お仕置き』じゃない」
ご主人様は、四人の偽物たちを、そして、絶望に打ちひしがれる本物のエリスを、一人、一人、見据えた。
「愛のないお仕置きは、お仕置きにあらず! それは、ただの暴力であり、魂への冒涜だ。お前たちには、彼女たちが、悩み、葛藤し、それでも勇気を振り絞って、俺に『お仕置き』をねだる、あの、愛おしい『魂』の輝きが、微塵も感じられない!」
ご主人様の、その力強い言葉に、偽物たちの、完璧な微笑みが、初めて、凍りついた。 どんなに精巧な偽物でも、どんなに甘美な誘惑でも、本物の絆の前では、無力。 その絶対的な真実が、偽物たちの存在意義を、根底から、揺るがしていた。
本物のエリスの瞳から、一筋の涙が、こぼれ落ちた。 それは、屈辱の涙ではない。 自分の誇りと魂を、誰よりも深く理解してくれる、唯一無二の主への、感謝と、愛情の涙だった。 #シーズン2 #本編




