表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/122

愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第5章2節:罪悪感と奉仕のキス



#本編 #シーズン2


[[00_シーズン2本編目次|目次へ戻る]]


第5章2節:罪悪感と奉仕のキス

(もしも、その『最初の創造主』の、世界創造の失敗の原因が、ミミと同じように、愛する人の幸せを、強く、強く、願いすぎたせいだとしたら…?)


その、あまりにも残酷な可能性に、ミミの心は、完全に、支配されてしまった。 作戦会議が終わった後も、ミミは、一人、部屋の隅で、膝を抱えて、思い悩んでいた。


(ミミのせいだ…ミミが、ご主人様にもっと幸せになってほしい、なんて、欲張りな願いを持ったから、この世界は、歪んでしまったんだ…)


罪悪感が、毒のように、ミミの心を蝕んでいく。 その様子を、ご主人様は、黙って、見つめていた。 そして、静かに、ミミの前に、しゃがみ込んだ。


「…ミミ」


「…ご主人様…」


「俺と、じゃんけん勝負をしよう」


「…え…?」


「いいから」


ご主人様は、有無を言わさぬ力強さで、ミミの手を取った。 そして、その様子を、少し離れた障子の陰から、エリス、リリアナ、ソフィアが、心配そうに、覗き見ている。


【サービスシーン: タイプH】 【覗き見と羨望の連鎖ルール適用】


障子の陰から、三人は、固唾を飲んで、二人の様子を覗き見ていた。


(ご主人様…。ミミの心を、救おうとしてくれているんだな…) (ですが、今のミミさんに、じゃんけん勝負は、少し、酷なのでは…) (…いいえ。きっと、大丈夫ですわ。あのお二人の絆は、私たちが思うよりも、ずっと、ずっと、強いのですから…)


三者三様の想いが、障子の陰で交錯する。


部屋の中で、ミミは、戸惑いながらも、ご主人様の挑戦を受けることにしたようだ。 その顔は、罪悪感と、羞恥と、そして、ほんの少しの救いを求める気持ちで、ぐちゃぐちゃになっていた。


「いきます…にゃ…! じゃん、けん…!」


ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、ミミが出したのは…。


「ぽん…」


力なく差し出された、か弱い 「チョキ」 だった。


(負け…! あの子は、自分を、罰してほしいんだ…!)


三人は、思わず息を呑んだ。 ミミの、そのあまりにも健気で、自己犠牲的な選択に、胸が、締め付けられるようだった。


「…ミミの、負け、ですにゃ…」


ミミは、俯いたまま、小さな声で呟いた。 お仕置きを、ください。 ご主人様の罰で、この、罪深い心を、清めてください。


「…ああ、そうだな。それじゃあ、お仕置きだ」


ご主人様は、そう言うと、ミミの前に、そっと、自分の右手を差し出した。


「…え…?」


「お仕置きだ。…この、俺の指に、君が、奉仕のキスをしなさい」


「…!」


その、あまりにも予想外で、そして、あまりにも、ミミの心を理解した、優しいお仕置きに、ミミの瞳から、ぽろぽろと、大粒の涙がこぼれ落ちた。


(お仕置き:ご主人様の指に、奉仕のキスをする)


ミミは、震える手で、ご主人様のその大きな手を取ると、その指先に、恭しく、唇を寄せた。 ちゅ、と、可愛らしい音が、静かな部屋に響き渡る。 それは、罪への罰ではない。 「君は、俺に、仕えてくれるだけでいいんだ」 という、ご主人様からの、絶対的な赦しのメッセージだった。


「ご主人、様…! ご主人様…!」


ミミは、何度も、何度も、その指先に、キスを繰り返した。 まるで、自分の存在価値を、確かめるかのように。


(すごい…) (なんて、深い愛情なんだ…) (…今の私たちでは、到底、あのお二人の領域には、踏み込めませんわ…)


障子の陰で、三人は、ミミの、そのあまりにも深い、自己犠牲的な愛情と、それを受け止めるご主人様の、器の大きさに、ただ、畏敬の念を抱くことしか、できなかった。


#シーズン2 #本編



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ