愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第4章1節:事件と解かれた帯
#本編 #シーズン2
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第4章1節:事件と解かれた帯
星樹ユグドラシルでの戦いを終え、一行は、心身の疲れを癒やすため、【湯煙温泉郷】 へと向かった。 しかし、そこに待っていたのは、想像とは全く違う光景だった。
「…ひどい…。活気があるどころか、まるで、ゴーストタウンですにゃ…」
ミミの言う通り、温泉街は、完全に寂れていた。 客の姿は一人もなく、ほとんどの店がシャッターを下ろしている。
一行は、その中でも、かろうじて営業しているように見える、一軒の古びた温泉旅館に足を踏み入れた。
「ごめんください! 誰かいませんかー!」
エリスが声を張り上げるが、返事はない。 ロビーには、うっすらと埃が積もっていた。
「…どうやら、ここも、何か問題を抱えているようですね」
リリアナが、冷静に分析する。
「よし、手分けして、館内を調査しよう。何か、手がかりが見つかるかもしれない」
ご主人様の言葉に、一行は頷き、それぞれ、館内の調査を開始した。
ミミは、ご主人様と一緒に、誰もいない貸切風呂のエリアを調べていた。 しかし、湯船は、完全に干上がっている。
「…やっぱり、ここもお湯が枯れてしまっているんですにゃ…」
ミミが、がっくりと肩を落とした、その時だった。 彼女は、何かを思いついたように、ぱっと顔を輝かせると、ご主人様の袖を、きゅっと掴んだ。
「ご主人様…!」
「ん?」
「こんな時だからこそ、ですにゃ! じゃんけん勝負ですにゃ!」
「ははは、君は、本当に、じゃんけんが好きだな」
ご主人様は、呆れたように笑いながらも、その挑戦を受けて立った。 そして、その様子を、少し離れた脱衣所の扉の隙間から、エリスとリリアナが、こっそりと覗き見ていることに、二人はまだ、気づいていなかった。
【サービスシーン: タイプH】 【覗き見と羨望の連鎖ルール適用】
扉の隙間から、エリスとリリアナは、固唾を飲んで、二人の様子を覗き見ていた。
(また始まったぞ、ミミのじゃんけんが…)
エリスが、やれやれ、といった表情で呟く。
(ですが、見てください、エリス。ミミさんの、あの生き生きとした表情を。あれこそが、彼女の魅力の源泉なのですわ)
リリアナが、少し羨ましそうに分析する。
脱衣所で、ミミは、意を決したように、右手を後ろに隠した。
「いきますにゃ! じゃん、けん…!」
ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、ミミが出したのは…。
「ぽん!」
可愛らしい掛け声と共に、ミミが出したのは、そのグーを優しく包み込むような、「パー」 だった。
(勝ち…! あの猫、また、ご褒美を選びやがった…!)
エリスの眉が、ぴくりと動く。
「ミミの、勝ちですにゃ! それでは、ご褒美、お願いしますにゃ!」
ミミは、にぱーっと効果音がつきそうな満面の笑みで、ご主人様の前に立つと、自分が着ている浴衣の、その帯を、くいっ、と指で示した。
「ご主人様。ミミの、この浴衣の帯を、その素敵な手で、優しく、解いてくださいですにゃ」
「…!」
その、あまりにもあざとく、そして、あまりにも官能的なおねだりに、覗き見ていたエリスとリリアナの体が、ビクッと跳ねた。
(な、なんて、計算高いんだ、あの猫は…!) (ええ、ですが、ご主人様は、満更でもないご様子…)
ご主人様は、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに、悪戯っぽく笑うと、ミミの背後に回り、その帯に、そっと手をかけた。
(ご褒美:浴衣の帯を解いてもらう)
しゅるしゅる、と、絹の帯が解けていく、甘い音。 ミミは、うっとりとした表情で、目を細める。
そして、帯が、はらり、と床に落ちた瞬間。 ミミの美しい浴衣姿が、あらわになった。 白い項、華奢な肩、そして、浴衣の合わせ目から、ちらりと覗く、胸の谷間。 その全てが、湯気一つない脱衣所で、妙に生々しく、ご主人様の目に焼き付いた。
「…風邪を、引くぞ」
ご主人様は、そう言うと、自分の羽織を、ミミの肩に、そっとかけてやった。
「…ありがとう、ございますにゃ、ご主人様…」
ミミは、幸せそうに、その羽織に顔を埋めた。
(くっ…! あの猫、ただ脱がされるだけじゃなく、ちゃんと、ご主人様の優しさまで引き出しやがった…!)
エリスは、ぎりり、と奥歯を噛み締めた。
(…見事ですわ、ミミさん。ですが、いつまでも、あなたの独壇場にはさせませんから…)
リリアナの瞳に、静かな闘志の炎が宿る。
その時だった。 旅館の奥から、か細い、しかし、凛とした女性の声が聞こえたのは。
「…どなたか、そこに、いらっしゃるのですか…?」
三人が、はっと声のした方を見ると、そこに立っていたのは、見覚えのある、優しく、そして、美しい、聖女の姿だった。
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