愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第3章3節:お使いと膝枕の耳かき
#本編 #シーズン2
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第3章3節:お使いと膝枕の耳かき
エリスの協力で、天空の民のリーダーからの和平のメッセージを預かった一行は、次なる目的地、地下の民が住む都市へと向かっていた。 道は、巨大な星樹の内部を貫く、危険な洞窟だ。
「…少し、休みましょう。この先は、魔物の巣が近い」
リリアナの言葉に、一行は、比較的安全な広場で休息を取ることにした。 焚き火の炎が、壁に揺れる影を映し出す。 張り詰めた空気が、一行を支配していた。
その、重い沈黙を破ったのは、ミミだった。
「…ご主人様」
ミミは、ご主人様の隣にちょこんと座ると、その袖を、きゅっと掴んだ。
「ミミ、ご主人様に、ご褒美がほしいですにゃ」
「ご褒美?」
「はいですにゃ! じゃんけん勝負で、ミミが勝ったら、ですにゃ!」
ミミの、その場違いなほど明るい声に、ご主人様だけでなく、エリスとリリアナも、きょとんとした顔をした。 しかし、ご主人様は、すぐにその意図を察し、優しく微笑んだ。
「…ああ、いいだろう。この緊張をほぐすには、丁度いいかもしれないな」
ご主人様は、エリスとリリアナに目配せをすると、少し離れた場所で、ミミと向かい合った。 二人は、もちろん、その様子を、岩陰から固唾を飲んで見守り始めた。
【サービスシーン: タイプH】 【覗き見と羨望の連鎖ルール適用】
岩陰から、エリスとリリアナは、固唾を飲んで、二人の様子を覗き見ていた。
(こんな危険な場所で、じゃんけん勝負…? ミミのやつ、何を考えてるんだ…?)
エリスが、呆れたように呟く。
(いいえ、違いますわ。ミミさんは、この張り詰めた空気を、ご主人様との甘い時間で、和ませようとしているのです。…なんて、健気な…)
リリアナが、感心したように分析する。
洞窟の中で、ミミは、意を決したように、右手を後ろに隠した。
「いきますにゃ! じゃん、けん…!」
ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、ミミが出したのは…。
「ぽん!」
可愛らしい掛け声と共に、ミミが出したのは、そのグーを優しく包み込むような、「パー」 だった。
(勝ち…! あの子は、また、ご褒美を選んだ…!)
エリスとリリアナは、ごくり、と喉を鳴らした。 今度は、一体、どんなご褒美をねだるのだろうか。
「ミミの、勝ちですにゃ! それでは、ご褒美、お願いしますにゃ!」
ミミは、にぱーっと効果音がつきそうな満面の笑みで、ご主人様の前に立つと、自分の膝を、ぽんぽん、と叩いた。
「ご主人様。ミミの膝枕で、お休みくださいですにゃ。そして、ミミに、耳かきをさせてくださいですにゃ」
「…!」
その、あまりにも大胆で、そして、あまりにも親密すぎるおねだりに、覗き見ていたエリスとリリアナの体が、ビクッと跳ねた。
(み、耳かきですって!?) (なんて、高度な…!)
耳かきは、絶対的な信頼関係がなければ、成り立たない行為。 それは、二人の絆の深さを、何よりも雄弁に物語っていた。
ご主人様は、少し驚いた顔をしたが、すぐに、嬉しそうに微笑むと、ミミの小さな膝の上に、そっと頭を乗せた。
(ご褒美:膝枕で耳かきをしてもらう)
ミミは、愛用の猫の手の形をした耳かきを取り出すと、ご主人様の耳に、そっと、その先端を滑り込ませた。
「…ご主人様、気持ちいいですかにゃ…?」
「…ああ…。すごく、気持ちいい…。君は、本当に、何でも上手だな…」
ご主人様は、うっとりとした表情で、目を細める。 カリ、カリ、と、心地よい音が、静かな洞窟に響き渡る。 その音は、まるで、二人の愛情が奏でる、甘い子守唄のようだった。
(くっ…! なんて、親密なんだ…! 私には、まだ、あんな風にご主人様に甘えるなんて、とても…!)
エリスは、自分の顔が熱くなるのを感じながら、その光景から目が離せなかった。
(…あれが、正妻の余裕、というものですのね…。今の私たちが、到底敵う相手ではない…)
リリアナは、嫉妬と、羨望と、そして、ほんの少しの焦りを、ぐっと胸の奥に押し込めた。
洞窟の中の、二人だけの甘い時間。 それは、張り詰めていた一行の心を、確かに、解きほぐしていく。 しかし、この先に待つ、地下の民のリーダーとの困難な交渉を、彼らはまだ、知らなかった。
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