愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第3章:星樹ユグドラシルと二つの種族 第3章1節:世界の命運と勝ち取った一歩
#本編 #シーズン2
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第3章:星樹ユグドラシルと二つの種族
第3章1節:世界の命運と勝ち取った一歩
リリアナからのヒントを頼りに、二人が次に降り立ったのは、息を呑むほどに壮大な世界だった。
惑星を貫き、宇宙空間にまで枝を伸ばす、惑星サイズの巨大な樹。 それが、この世界の全てだった。 上層の枝には、雲を突き抜けて白亜の都市が築かれ、遥か下方の根元には、地熱の光で輝く、もう一つの都市が見える。
「…すごい…すごすぎますにゃ…! これが、【星樹ユグドラシル】…!」
ミミは、目の前に広がる、あまりにも幻想的な光景に、言葉を失った。
「ああ…。だが、ミミ。よく見てみろ」
ご主人様の深刻な声に、ミミは我に返る。 言われてみれば、この美しい世界は、どこか張り詰めた空気に満ちていた。 天空の都市からも、地下の都市からも、微かに、しかし確実に、人々の怒りや悲しみの声が聞こえてくるようだ。
「この星樹が、枯渇しかけているんだ。それによって、天空の民と地下の民が、残された僅かな資源を巡って、対立している…」
「そんな…! このままでは、戦争に…」
「ああ。世界の命運は、風前の灯火だ」
ご主人様の瞳に、強い決意の光が宿る。 ミミもまた、きゅっと唇を結んだ。
「…ご主人様」
「ん?」
「この世界を、ミミたちが救うのですにゃ! そのために、まずは、どちらの都市から調査に行くか…」
ミミは、悪戯っぽく笑うと、ご主人様の目の前に、自分の拳を突き出した。
「じゃんけん勝負で、決めましょうですにゃ!」
「ははは、こんな時でも、君は君だな。いいだろう」
ご主人様は、その緊張感の中での、ミミの天真爛漫な提案に、思わず笑みをこぼした。
【サービスシーン: タイプH】
(ご主人様を、出し抜いてみたいですにゃ…!)
ミミの胸が、ドキドキと高鳴る。 いつもは、ご主人様に甘えたり、甘やかされたりしてばかり。 でも、たまには、ミミがご主人様をリードしてみたい。 この未知の世界への第一歩を、自分が先に踏み出して、得意げな顔で、ご主人様を導いてみたい。
「いきますにゃ! じゃん、けん…!」
ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、ミミが出したのは…。
「ぽん!」
可愛らしい掛け声と共に、ミミが出したのは、そのグーを優しく包み込むような、「パー」 だった。
「ミミの、勝ちですにゃ!」
ミミは、えっへん、と胸を張って、勝利を宣言した。
「ああ、負けた負けた。それじゃあ、ご褒美を頼むよ、ミミ」
「はいですにゃ! お任せくださいですにゃ!」
ミミは、勝ち取ったご褒美として、ご主人様より一歩先に、未知の世界へと続く道へと足を踏み出した。 そして、くるりと振り返ると、太陽のような満面の笑みで、ご主人様に向かって手招きをした。
「ご主人様! こちらですにゃ! ミミが、ご主人様を、安全にエスコートしてみせますにゃ!」
その生き生きとした、自信に満ちた姿は、どんな宝石よりも眩しく、ご主人様の心を強く惹きつけた。
「ははは、頼もしいな。それじゃあ、頼むよ、俺の可愛い案内人さん」
ご主人様は、優しく微笑むと、ミミのその小さな手に、自らの手を重ねた。 しかし、二人はまだ知らない。 この先に待つのが、天空の騎士団長との、運命の再会であることを…。
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