愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第2章5節:ハッピーエンドと嫉妬のキス
#本編 #シーズン2
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第2章5節:ハッピーエンドと嫉妬のキス
全ての材料が、揃った。 三人は、急いで錬金術室に戻ると、『記憶インク』 の生成を開始した。
リリアナの的確な指示と、ミミの献身的な手伝い、そして、ご主人様の強力な魔力。 三人の力が一つになった時、釜の中の液体は、虹色の輝きを放ち始めた。
「…できましたわ! これが、『記憶インク』…!」
リリアナは、完成したインクを震える手で掲げた。 三人は、そのインクを手に、再び図書館へと向かう。
図書館の中央で、ご主人様がインクの瓶を高く掲げ、呪文を唱える。 すると、インクは眩い光の粒子となって、図書館の隅々まで広がっていった。
光の粒子が、白紙のページに触れるたびに、失われた文字が、まるで奇跡のように、次々と浮かび上がっていく。 図書館は、本来の叡智の輝きを取り戻し、虚ろな顔で彷徨っていた生徒たちの瞳にも、次第に、理性の光が戻り始めた。
「…そうだ、僕は、古代魔法学の研究を…!」 「ああ、思い出したわ! 昨日の夜、恋人と喧嘩したんだった!」
学園は、活気と、そして、日常の喧騒を取り戻したのだ。
「…ありがとう、ございます…。ご主人様、ミミさん…。お二人のおかげですわ」
リリアナは、心からの感謝を込めて、深々と頭を下げた。 その瞳には、安堵の涙が浮かんでいる。
「いや、君が一人で戦い続けてくれたおかげだよ」
ご主人様が、優しく微笑む。 その笑顔を見て、リリアナの胸に、抑えきれない想いが込み上げてきた。
【サービスシーン: タイプE】
リリアナは、ご主人様のローブの袖を、きゅっと掴むと、少しだけ背伸びをして、その唇に、自らの唇を、そっと重ねた。 それは、感謝と、尊敬と、そして、ほんの少しの恋心が混じった、清らかで、美しいキスだった。
「…!」
その光景を目の当たりにしたミミの体は、わなわなと、怒りに震えていた。
(な…な…な…!)
ミミの脳内で、嫉妬の炎が、ゴウゴウと音を立てて燃え盛る。
(ミミの大切なご主人様に、抜け駆けなんて、一億年早いですにゃーっ!)
ミミは、リリアナとご主人様の間に、猛然と割り込むと、リリアナに見せつけるように、ご主人様のネクタイをぐいっと引き寄せた。
「ご主人様は、ミミだけのものですにゃ!」
そして、その唇を、激しく、貪るように奪った。 リリアナの清らかなキスとは対照的な、独占欲と嫉妬に満ちた、情熱的で、濃厚なキス。 舌を絡め、角度を変え、ご主人様の唇の感触を、根こそぎ自分のものにしていく。
「ん…んん…!」
突然のことに驚くご主人様をよそに、ミミは、勝ち誇ったような瞳で、呆然と立ち尽くすリリアナを見つめる。 その瞳は、「ご主人様の唇は、ミミだけのものですから」と、雄弁に語っていた。
長い、長いキスの後、ミミは、満足そうに唇を離すと、リリアナに向かって、ぺろり、と舌を出してみせたのだった。
【章末ヒロインレポート】
キャラクター名: リリアナ
ご主人様への愛情ポイント: 100P → 130P(私の知識を頼りにしてくださり、弱さも受け入れてくれたから)
習得スキル/魔法: 古代魔法の解読(記憶インクのレシピを解読した)
今回のアピールポイント: 知的なだけじゃない、私の意外な一面…見てもらえましたか?
ご主人様へのおねだり: 今度は、二人きりで静かな書庫で過ごすお時間をいただけませんか?
【次章への予告】
リリアナのヒントが指し示したのは、天と地が分断された巨大な樹の世界。そこでは、二つの種族が存亡をかけた危機に瀕していた。
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