愛しの猫耳メイドさんの秘密の世界線 シーズン02 第2章4節:錬金術室と究極のフルコース
#本編 #シーズン2
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第2章4節:錬金術室と究極のフルコース
夜の闇に包まれた、魔法学園の錬金術室。 様々な薬品の匂いが混じり合う、その部屋で、三人は最後の材料を探していた。
「…見つかりませんわね。『賢者の涙』の結晶など、聞いたこともありません」
リリアナの顔に、再び疲労の色が浮かび始める。 それを見たご主人様は、ふっと、優しく微笑んだ。
「…なるほどな。それじゃあ、リリアナ。俺と、じゃんけん勝負をしないか?」
「…え…? ま、またですの…?」
「ああ。気分転換だ」
ご主人様は、悪戯っぽく笑うと、ミミに目配せをして、少しだけ席を外すように促した。 ミミは、こくりと頷くと、少し離れた薬品棚の陰に、そっと身を隠した。
【サービスシーン: タイプH】 【覗き見と羨望の連鎖ルール適用】
薬品棚の隙間から、ミミは固唾を飲んで、二人の様子を覗き見ていた。
(また、リリアナさんと…。ご主人様は、リリアナさんのことが、そんなに心配なのかしら…)
ミミの胸が、チリ、と痛んだ。 先ほどの温室での、ご主人様の優しい手つきが、まだ頭に残っている。 もっと、甘えたかった。もっと、触れてほしかった。 そんな独占欲が、ミ-ミの心を掻き乱す。
リリアナは、戸惑いながらも、ご主人様の挑戦を受けることにしたようだ。 その顔は、疲労と、羞恥と、そして、ミミへの対抗心で、赤く染まっている。
(見ていらっしゃい、ミミさん。私が、あなた以上に、ご主人様をメロメロにさせてみせますから…!)
リリアナの瞳に、静かだが、しかし確かな闘志の炎が宿る。
「いきますわよ…! じゃん、けん…!」
ご主人様が、ゆっくりと「グー」を出す。 その瞬間、リリアナが出したのは…。
「ぽん…!」
ご主人様の拳に、自らの拳をこつんとぶつける、「グー」 だった。
(あいこ…! あの人、一番欲張りな選択をした…!)
ミミは、思わず息を呑んだ。 お仕置きも、ご褒美も、両方手に入れようという、リリアナの計算され尽くした選択。 それは、ミミにはない、大人の女性の狡猾さのように思えた。
「…あいこ、ですわね」
リリアナは、不敵な笑みを浮かべて、ご主人様を見つめた。 その瞳は、「さあ、私に、究極のフルコースをくださいな」と、雄弁に語っていた。
「やれやれ。本当に、欲張りな魔法使いさんだ」
ご主人様は、呆れたように笑いながら、リリアナの前に立った。
「まずは、お仕置きからだ。…リリアナ、次のキスまで、俺の命令に『はい』としか言えなくなる。いいな?」
「…はい」
(お仕置き:命令に「はい」としか言えなくなる)
リリアナは、うっとりとした表情で、その命令を受け入れた。 ご主人様に支配される、絶対的な快感。
「よし。それじゃあ、次はご褒美だ。…そこに座って、俺に膝を貸しなさい」
「…はい」
リリアナは、言われるがままにソファに座ると、ご主人様を自らの膝の上に寝かせた。
「…耳かきをしてやろう」
「…!」
(ご褒美:膝枕で耳かきをしてもらう)
ご主人様は、リリアナの膝の上で、心地よさそうに目を細める。 リリアナは、震える手で、銀の耳かきを手に取った。 ご主人様の、弱くて、無防備な場所を、自分が独占している。 その事実に、リリアナの背筋が、ぞくぞくと快感に打ち震えた。
(ああ、ご主人様…。私の膝の上で、なんて、無防備な…)
カリ、カリ、と、心地よい音が、静かな研究室に響き渡る。 ご主人様は、完全にリリアナに身を委ね、やがて、すーすーと、穏やかな寝息を立て始めた。
(か、完敗ですにゃ…)
薬品棚の陰で、ミミは、がっくりと膝をついた。 ただ甘えるだけの自分とは違う、ご主人様を癒し、そして支配するという、高度なテクニック。 嫉妬と、羨望と、そして、ほんの少しの敗北感が、ぐちゃぐちゃに混ざり合って、ミミの心を掻き乱す。
(ミミだって…ミミだって、ご主人様に、あんな風に…!)
ミミが、唇を噛み締めた、その時だった。 ご主人様の寝息に混じって、リリアナの膝の上から、ころり、と何かが転がり落ちた。 それは、ご主人様の涙…ではなく、美しく輝く、小さな 『賢者の涙』 の結晶だった。
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