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時空の未来

時空の裂け目が最大限に拡大し、過去と未来の境界が完全に崩壊し始めた。悠真と璃子、そして両方のグループのメンバーは、廃墟の中心に立つ巨大な時空のコアの前に立っていた。コアは光と闇が渦巻く球体で、触れるだけで存在そのものが消滅しそうな圧倒的な力を放っていた。クロノスはコアの内側から現れ、冷酷な笑みを浮かべながら悠真たちに最後の挑戦を投げかける。

「このコアを破壊すれば、時間はリセットされる。しかし、すべての記憶、すべての歴史が消え去る。保存すれば、現在の世界は救われるが、未来は永遠に歪んだままだ。どちらを選ぶ? 君たちの選択が、全ての運命を決める。」

悠真は璃子と視線を交わす。彼女の目には、かつての敵意は消え、代わりに深い信頼と決意が宿っていた。だが、悠真の心には迷いがあった。もしリセットを選べば、璃子や仲間たちとの絆、苦しみも喜びもすべてが消えてしまう。一方で、現在の世界を救うことは、未来の世代に無数の苦難を強いることになるかもしれない。

その時、璃子の声が静かに響いた。「悠真、わたしはもう迷わない。あなたが選ぶ道なら、どんな結果でも受け入れる。だって、わたしはあなたの未来であり、あなたはわたしの過去なんだから。」

その言葉に背中を押され、悠真は決断する。リセットはしない。代わりに、彼はコアに自分の力を注ぎ込み、時空のバランスを強制的に安定させようと試みる。だが、その代償は大きかった。コアのエネルギーが暴走し、悠真の体が徐々に透明になっていく。時間そのものが彼を吸収しようとしていたのだ。

璃子は叫び、仲間たちも力を合わせるが、状況は悪化するばかり。最終的に、悠真は璃子に最後の言葉を残す。「もしまた会えたら、最初からやり直そう。今回は、君と一緒に笑顔で終わりたい。」

その瞬間、悠真の体は光に包まれ、消滅する。コアは静まり、時空の裂け目は閉じ始めた。世界は救われたが、悠真の存在は完全に消えてしまったかに見えた。

しかし、物語の終盤で驚きの展開が待っていた。数ヶ月後、璃子は廃墟の跡地を訪れる。そこで彼女は、時間に取り込まれたはずの悠真が、幼い子供の姿で現れるのを目撃する。クロノスが最後に残した「時間の恩恵」だった。悠真はすべてを忘れているが、璃子の顔を見るや否や、どこか懐かしそうな笑みを浮かべた。

璃子は涙を流しながら、子供の悠真を抱きしめる。「また始まるよ、悠真。今回は、絶対に幸せな未来を作るから。」

物語は、遠くの空に輝く星の下で、璃子と新しい悠真が手を取り合うシーンで幕を閉じる。だが、星の光の中には、かすかな時間の歪みがまだ残っており、物語は完全な終わりではなく、新たな始まりを暗示していた。



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