時空
時空の異常が拡大する中、主人公・悠真と新たなタイムリーパーのリーダー・璃子は、互いに疑心暗鬼を持ちながらも、協力せざるを得ない状況に追い込まれていた。異常の原因は、過去と未来をつなぐ「時空の裂け目」に潜む謎の存在が関係しているようだった。その存在は、時間そのものを操作し、歴史を歪める力を持っているらしい。
悠真たちは璃子のグループと共同で、裂け目の中心地である廃墟と化した未来都市へと向かう。そこはかつて人類が栄華を極めた場所だったが、今では時間の歪みによって建物が崩壊し、過去と未来の断片が混ざり合った異様な風景が広がっていた。時計の針が逆回転するビル、空中に浮かぶ古い馬車、突然現れる中世の城壁…。すべてが時間のルールから外れた世界だった。
旅の途中で、悠真は璃子が実は自分の未来の姿だと気づく衝撃の事実が明らかになる。璃子は、悠真が未来で下したある決断によって壊滅的な結果を招いた結果、タイムリーパーとして過去に戻ってきたのだ。彼女は悠真を恨んでいたが、同時に彼が唯一の希望でもあることを理解していた。一方で、璃子自身も過去の自分を救うことでしか未来を変えられないというジレンマに苛まれていた。
二人の間に緊張が走る中、裂け目の中心で謎の存在が姿を現す。それは「クロノス」と名乗る、時間そのものを体現したような超越的存在だった。クロノスは、悠真と璃子にこう告げる。
「あなたたちの選択が、すべての時間を破壊するか、救うかを決める。だが、どちらを選んでも犠牲は避けられない。時間はバランスの上に成り立っているのだから。」
悠真は、璃子と力を合わせ、クロノスに立ち向かうことを決意する。しかし、戦いの最中、悠真は自分の過去の記憶が改ざんされていることに気付き始める。実は、彼自身が最初のタイムリーパーで、歴史を変えるために無数のループを繰り返してきたのだ。璃子もその一部だったが、彼女はループの果てに生まれた「反転した未来」の産物だった。
最終的に、悠真はすべてのループをリセットするか、現在の世界を受け入れるかの選択を迫られる。璃子は彼を信じ、共に戦うことを誓う。二人と仲間たちは、クロノスを封印するために時空のエネルギーを集中させ、壮絶な戦いを繰り広げる。時間そのものが崩壊しそうな瞬間、悠真は最後の力を振り絞り、裂け目を閉じる。
物語は、平穏を取り戻した世界で終わる。悠真と璃子は、過去も未来も受け入れ、共に生きていくことを決める。しかし、遠くの空には、微かに時間の歪みが残っており、物語は完全な終わりを迎えていないことを示唆する。
