Ουσία :..•°•.:*☆・:*':.. ウーシア(實體・本質) ..:*o .•°°•..:*☆'・*:.。:
意識、感情、思考、知性と云えども、五感などから受けた外的な刺激や内的な緊張などに因って、電位依存性ナトリウム(Na+)・チャネルが開き、細胞外に多くあったNa+が濃度差、及び電気的勾配に従って細胞内に流れ込み、細胞内の電位がプラスに変化(これを脱分極という)し、一定の閾値を超えると、さらにNa+チャネルを開くというループを起こし、活動電位が発生する(これがいわゆる化学的な発火現象、インパルスである)ことでしかない。細胞内が細胞外よりも、負に帯電している静止電位という状態から正に帯電する活動電位の状態へ、逆転するという瞬間が、化学的な発火現象、インパルスであり、この刺激が次のニューロン(神経細胞)を刺激し、刺激が次々伝播する。これが実際の、意識、感情、思考、知性という現象であり、乃ち物質的な現象でしかない。
これを以て爲される一切の概念、思想、論理を、本質に於いて、何だと言えるか。
言えない。眞の空である。ただ、現実でしかない。
諸概念は無効であり、空という概念ではない、眞の空である。實體である。
不動なる物質性の寂莫、閑たる甲高い皷の打たれたるがごとき個体の静寂、狂裂自在、過剰無際限な自由狂奔裂であり、乃ち瞬今眼前にあるもの、素朴、只管ただ在るという丈の無味乾燥、眞實・事實、物質というドライ、何もナイ・何モノでもNAI『物質』と云う無味、空を絶つ絶空、眞の絶空、非(躬らを咬む蛇ウロボロス、非ハ非ヲモ非ス)、存在、實在のことである。
存在、實在を云うこの小説は、ただの寫實。
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一九五八年十一月十七日月曜日、僕はニューヨークNew YorkのハーレムHarlemを歩いていた。乾いてよく霽れた寒い日だ。肩を竦め、ダッフルコートの襟を寄せた。
古い赤煉瓦のアパートメントに黑い鉄製の外附階段。半地下の部屋の窓の曇りガラスは割れ、寂しき歩道。タイムズ紙が雨に踏まれ、舗装の上で活字を歪める。何度も塗り替えられた壁は塗装が剥がれ、その上に貼られたポスターが雨に剥がされ、その上にまたポスターが貼られ名状し難い。アパートの前の手摺附階段が十一段。阿弗利加系アメリカ人が坐っている。草臥れた檜皮色のソフト帽にマホガニーの古いジャケット、黒いシャツとパンツ、チャコールグレーのタイは緩んでいて、ガーナ・チョコのような色のスウェードの靴、手に小さなブルースハープBlues Harp(HOHNER社製Ten-Hole Diatonic Harmonica モジュラー構造、ドシェール材コーム)を包む。
リードの震えのひずみは、Cheapで、半音下がった、薄鉄板のような甲高い音と、ぶち壊れたチューバのように低い耳障りな物理音とが、捏ね雑ざったような、揺らぐ不安定なピッチで、鼓膜に当たる不協和ないろ。乾き切った、深みもまろみも潤いもない、即物的SOUNDを縁取る區劃の輪郭を崛起と尖突させ、物質的晰裂。真夏昼下がりの、気怠い静寂を裂帛する、古蛇口の栓を捻った、唐突な響き。
https://ss1.xrea.com/sylveeyh.g2.xrea.com/Bluez.mp3
BLIK製空缶。まくれ上がった蓋が缶截りの刃でZAKZAKに截り牽き裂き剥がされていて、ふちZUDAZUDAに截り口ぎらぎら。頸刎られ顚さ磔の骸がごとく叛き仰け反り逸れ皈る屰剥ぎがまま。LABEL『鯡』。
雨しと濡れる飛び石の露路、青竹の『建仁寺垣』、蹲踞の手水に泛かぶ黄色い朽ち葉、数寄屋造りの柿板葺、長石釉に灰混ぜ白き釉薬をたつぷり塗りそのツラに紅殻でゑがく文様がほんのり緋く、膚に景色の侘寂。白志野焼。 釉薬の掛からぬ高台はただ焼締られて、土あぢ甚だしくも微妙。傍らに孑と存り、蟻腰の見掛做す竹箆の茶杓。
縄文来の鄙びた街道、雨風日照りに晒されて蝕まれ磨り削られ毀たれて、路傍の草に匿される、古き石の道祖神像。
もはや、誰も覧ぬコンテンツ(※1 参照)、ただ只管實在焉爾已哉。
扨扠、隅寺心経といふ古来尊き巻子本、俯勢仰勢自在に振舞ひ、垂露龍爪の巧みを尽くせど、廃墟し。仏説と称すも、摩訶般若波羅蜜多心經といふ經、釈迦牟仁斃れ五百年後の御製にしあれば、似非ゆゑ、此に在りし古紙乾墨。
第伍百廿四代 彝之爲弖阜飛也 録
令和廿伍年乙巳睦月丙申廿七 旧暦師走廿八 大寒水沢腹堅
参考: ※1 https://ss1.xrea.com/sylveeyh.g2.xrea.com/index7-2.html
Ουσία(ウーシア)とはギリシャ語。 英語で云うところのSubstance、又はEssenceです。 物質、実質、実体、本質、真髄などを意味します。 古代ギリシャ語の「Be動詞」とも言うべき動詞「エイナイ(εἶναι)」の女性形分詞「ウーサ(οὖσα)」に由来する。




