Ουσία
意識、感情、思考、又は知性とは、細胞の内が細胞の外より負に帯電している状態(これを静止電位という)が刺激を受けることに因って、電位依存性ナトリウム(Na+)・チャネルが開き、細胞外に多くあったNa+が濃度差、及び電気的勾配に従って細胞内に流れ込み、細胞内の電位がプラスに変化(これを脱分極という)し、一定の閾値を超えると、さらにNa+チャネルを開くというループを起こし、活動電位が発生する(これがいわゆる化学的な発火現象、インパルスである)ことでしかない。精神すら物質的な現象である。これを以て爲される一切の概念、思想、論理を、本質に於いて、何だと言えるのか。諸概念は無効であり、空という概念ではない、眞の空である。それは實在であり、實體であり、狂裂自在、過剰自由狂奔裂であり、今、眼の前に素朴に在るもの、存在のことである。 ただの寫實。
一九五八年十一月十七日月曜日、僕はニューヨークNew YorkのハーレムHarlemを歩いていた。乾いてよく霽れた寒い日だ。肩を竦め、ダッフルコートの襟を寄せた。
古い赤煉瓦のアパートに黒い鉄製の外附階段。半地下部屋の窓の曇りガラスは割れ寂しき歩道。タイムズ紙が雨に踏まれ舗装の上で活字を歪める。何度も塗り替えられた塀は塗装が剥がれその上に貼られたポスターが雨に剥がされその上にまたポスターが貼られ、名状し難い色模様。アパートの石段には手摺がある。四、五段。アフリカ系アメリカ人が坐っていた。草臥れた檜皮色のソフト帽にマホガニーの古いジャケット、黒いシャツとパンツ、チャコールグレーのタイは緩んでいて、ガーナ・チョコのような色のスウェードの靴、手に小さなブルースハープBlues Harp(HOHNER社製Ten-Hole Diatonic Harmonica モジュラー構造、ドシェール材コーム)を包む。
リードの震えのひずみは、チープで、半音下がった、即物的な、錫をメッキした薄鉄板のような、甲高い音と、ぶち壊れたチューバのような安定しない、低い金属音の奥深さが雑ざったかのような、不規則に揺らぐ音程。乾き切った、深みやまろみや潤いのない、崛起と尖突した、輪郭の區劃のきつい、存在の晰裂した物音。真夏の昼下がりの、気怠い静寂を裂帛する、古い蛇口の栓を捻るような、唐突な響き。
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あたかもBLIK製空缶。まくれ上がった蓋が缶截りの刃でZAKZAKに截り牽き裂き剥がされ、ふちZUDAZUDAに截り口ぎらぎら。頸刎られ顚さ磔の骸がごとく叛き仰け反り逸れ皈り屰剥ぎがまま。存在の意味不が閑として虚空の寂莫を做す。LABELに『鯡』と。
それ長石釉に灰を混ぜし白き釉薬をたつぷり塗るツラの上にベンガラのゑがく文様が窯でほんのり緋く変じ、白釉と鉄赤との膚の景色の表情なき侘寂の 寂莫。 汲めど尽きず言語を絶す。釉のかからぬ高台はただ焼締られしのみにて、土あぢ甚だ深く微妙。
孑然と竹節が蟻腰の見掛を做す茶杓、傍に存り。
存在とふは只管存在たるに若ず。無味乾燥。非存在にすら非じ。狂裂自在・自由狂奔裂。すなはち、風雪に晒され毀たれし、路傍の古き石彫りの像。
扨、隅寺心経とふ古来尊き巻子本、俯勢仰勢自在に振舞ひ、垂露龍爪巧みを尽くせど、廃墟し。仏説と称すも摩訶般若波羅蜜多心經といふ經、釈迦牟仁斃れ五百年後の御製なれば、似非ゆゑ、此處に在りし古紙乾墨。
第伍百廿四代 彝之爲弖阜飛也 録
令和廿伍年乙巳睦月丙申廿七 旧暦師走廿八 大寒水沢腹堅
参考: https://ss1.xrea.com/sylveeyh.g2.xrea.com/index7-2.html
https://ss1.xrea.com/sylveeyh.g2.xrea.com/非-Anti-狂裂..pdf
Ουσία(ウーシア)とはギリシャ語。 英語で云うところのSubstance、又はEssenceです。 物質、実質、実体、本質、真髄などを意味します。 古代ギリシャ語の「Be動詞」とも言うべき動詞「エイナイ(εἶναι)」の女性形分詞「ウーサ(οὖσα)」に由来する。




