【2話】お隣さん
ジリリリリリ
聞き慣れた目覚まし時計の音が耳に鳴り響いた。それと同時に僕の意識もゆっくり起きてきた。
誰だよ土曜日にまで目覚ましを合わせたバカ野郎は。...あ、僕か。
と、しょうもないことを頭の中で考えながら体を起こした。ナズちゃんの配信時間まであと3時間近くあるし、つぶやいたーそう、誰でも気軽につぶやき色んな人と交流を持つことが出来るザSNSといったやつである。詳しくは知らん。
まあ、そんなことはいい今日も今日とてラライブのライバーたちのつぶやきでも見ていくか。
ん?らライブ公式が何やら告知をしていた。なんだ?と思い読んでみると。
『新規ライバー募集』この度”ラライブ”4期生として活躍していただける方を10名募集します。
※応募条件
○1年以上継続して配信活動ができる方
○最低でも週2〜3回配信できる方
○本気でやろうと思っている方
と、書かれていた。
正直、めっちゃやりたいと思っている。でも受かるはずがない...
ラライブは超大手事務所のため倍率もめっちゃ高いと思う、しかも僕はとりえなんてものは一つもない。
僕は、3期生がデビューしたあとから見始めたためその時は応募したくても出来なかった。うう、どうしようか...
そう迷っているときに、
ピーンポーン
インターホンが突然鳴った。多分”あの娘”だろうと思いながらドワの前まで来た。
「はぁい。」
寝起きだからか少し変な声になっていた気がするが相手を待たせてはいけないと思い扉を開けた。
「おはようございます。茅原さん突然すみません。寝てましたよね、コレ祖父母たちが送ってくれたのですが流石に一人では食べ切れないと思いまして...」
と、言いながらダンボールを渡された。
そうそう、この娘の紹介をしなければ、この少女の名前はお隣さんの『水谷夏目』さんだ、最近仕事の関係で引っ越して来たらしい。かなり若く見えるけどこう見えてしっかり仕事をなさっている。
それに比べて僕はというと、はい無職です。え?なに文句あるの?すみません冗談です。少し昔話をさせてください。私事”茅原紗月”は実家の近くにある国立高校卒業後すぐに就職してわっほーいってなってたんですが、その就職先がまさかのドブラック企業でして半年耐えたんですがもう限界でやめました。そして今に至っております。ダレカタスケテー
「ああ、ありがとう水谷さん。助かるよ。でもまぁ、相変わらず大容量だね(笑)」
そう言うと水谷さんは
「あはは、すみません。ちなみに中身はとうもろこしです。ん?」
その時水谷さんはなにかに気づいたような顔をした。
「茅原さん?もしかしてなにか悩んでます?」
と聞かれた。少しびっくりしたがすぐさま
「いや別n...」
「もしかして、仕事関係ですか?」
ギク
「イヤーソンナコトナイヨー」
「声めっちゃ震えてますけど...」
そう言ったあと小さく微笑んで
「何かあったら私でしたら話を聞きますんで!」
と言ってくれた。でも、今思っていることを伝えるのはなんだか気が重たい。でも
「水谷さん!!」
自分でもびっくりするぐらい大きい声が出ていた。
水谷さんが少しビクッと方が震えたがすぐに収まり
「はい、何でしょう。」
そう返事が来た。
「実は、僕とある企業に前から憧れていたんだ。その企業が最近新人さん募集をし始めたんだ。でも、その企業はとても人気だから僕なんかが受かるわけがないと思っているんだ。」
それを聞いてきた水谷さんは
「茅原さん。もしその企業に本当に入りたいと心から思っているなら絶対に面接を受けたほうがいいです。私の会社の先輩もよく言ってるんです。後悔するのはやったあとでの方がいい、やらないほうが結局後悔するのだから とだから、もし落ちてもやらずに公開するよりマシだと思いますよ。」
それを聞いた瞬間僕の周りにあった霧が一気に晴れたような気がした。
「そして一つ茅原さんの言ったことに訂正を入れます」
「訂正?」
なんだろう
「先程茅原さんは自分のことを”僕なんか”といってましたがそれは違います。私は茅原さんはとても素敵な人だと思っていますから。あっ!すみませんこれから少し予定があるのでこの辺で失礼します。」
そう言ってテテテと歩いていった。その後水谷さんは少し振り返り
「入れるといいですね。その茅原さんが憧れた企業に。」
そう言ってどこかに行ってしまった。
ふう、水谷さんがどこかに行ったあと部屋に戻りスマホを取り出した。
そして、ラライブ4期生応募をしたのであった。
はい、あるVtuberに憧れてVtuberになったのだが、憧れていたVtuber今いるマンションのお隣さんかもしれない 2話を読んで頂き本当にありがとうございました。
さてここで一つ言いたいことがあります。それはズバリ一話目に主人公の名前が書かれていないことです。これに気づいた時にはすでに投稿していました。じゃあ、編集しろよという話なんですが、これはこれでいいじゃんと思いそのままに待っちゃいました(*ノω・*)テヘ
そしてついにお隣さんが出てきましたねぇ、これからどうなっていくのやら楽しみですね。それでは待た3話目出会いましょう。ノシ