表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/15

第15話 初配信⑤(群雨めあ)

《群雨めあ》


俺は昔から不幸体質だった。


事あるときに失敗してきた。


だから、彼女も出来たことがなかった。


だが、俺にも初めて花が来た。


高校生の頃初めて彼女が出来たのだ、とても嬉しかった。


付き合っていたことはすぐに同学年に広がりその学校の中でもそこそこ有名なカップルに成った。


その彼女とデートに行く予定も出来た。


そのデートは俺の中でもよく心に残っている。めっちゃ楽しかった。一緒にお昼も一緒に食べよく遊んだ。


だが、思っても見ないことが起きた。


「ごめん、好きな人が出来たんだ... だから、もう別れよう」


そう告げられた。


驚きと悲しみが交互に別れた。


その時なんて言ったのかも覚えていない。


ただ、彼女...いや元カノが何処かに言ったあと......


大雨が振っていた。


これだけが頭に残っている。




その後、何処かに行こうとするたびに雨が振っていた。


最初は偶然だと思っていた。


だけど、それは偶然じゃないことがわかった。


その事に気がついたのは、ある俺が大好きだったグループのフェスに行ったときだ。


初めは、曇っていたが別に雨が振っているわけではなかった。


だが、俺がその会場に行った瞬間に大雨が降ってきた。


そのせいで、フェスは急遽中止になった。


俺がなにかしようとするたびに雨が振っていた。


(もう外に出ない)


そう決めて、高校卒業後は一人暮らしをしていた。


ご飯もウェイバー イートをいつも使っていた。時々食材を頼んで作ったときもあった。


でも、家にいるだけじゃ何もすることがなかった。


フェスン時のグループをいつも通り見ていると、メンバー募集があるということを聞いた。


俺なんかが、無理だって知っていながら応募した。




なぜか受かってしまった。


わけがわからなかった。


正直書類審査の時点で落ちると思っていた。


書類の特技に〈雨を降らすこと〉


こんなことを書いたのだから。


そして今、その活動を始めようとしている。


憧れていた、グループの新人に慣れたんだ。


どうせなら、精一杯しようと思っている。


不幸体質を持っていても、今回こそは成功させる。


そのグループの名前は【ライブ&ライブ】





【#初配信】ねぇ、今から降るよ


このサムネにしていると盛り上がるかなと思って見たのだが、思いの外コメントが流れていた。


『ねぇ、今から降るよwwww』


『予想、水の能力者』


『某映画のヒロイン連れてこいwww』


『これは期待』


『今までの新人もやばかったから今回もやばいと予想』


『↑ラライブでやばくない人いない説』


『1期生に殺されるぞwww』


盛り上がってるな〜


さすがラライブ、ラライブの新人というだけでもう同説5000人以上


普通の初配信ではありえないことだ。


そんなことを思っていると......


オープニングが始まった。


今日から、しっかりしていかないとな先輩方に恥じないように。


よし!頑張ろう。


オープニングが終わるとイラストレーターのママさんから描いていただいた。


落ち着いた感じの清楚系イケメンの立ち絵が現れた。


そしてまた、コメントが盛んになっていく。


「皆さん、はじめまして俺の名前は群雨めあ」


少し、声を作って話す。


『かっこええええええええ』


『キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!』


『清楚系や!!』


『今のところただのイケメソ』




「俺は、昔から不幸体質だったんだ。ある時ちょっとした事件があって何かあるとことに大雨が降るようになってしまったんだ」


『なるほどぉー』


『雨の異能力者だってことか』


『ほお』


『いい設定だ』


 やっぱり設定だと思っている。


そらそうか。


こんな事信じられるわけないしな。


それじゃあ


「それじゃあ、東京周辺の皆様方今から降るよ」


そういった


『え?』


『www』


『降らんやろww』


『天気予報も晴れって行ってたけど...』


「それじゃあ、外を見てください」


 それだけ言うと空が曇ってきた。


そしてザアアアア


 大きな音とともに大雨が降ってきた。


『え?』


『絵?』


『まじで?』


『?どうしたん?うち関西やからわからんwww』


『いや、まじで大雨が降ってきたんだ......』


 その後、めちゃくちゃ質問され


まあ、でもなんとか無事初配信を終えることができた。


そしで、同期がめちゃくちゃバズっていることを聞くのだった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ