【11話】初配信②(アルテリア・ラーティック)
《アルテリア・ラーティック》
オレは今、初配信をするべくマネジャーさんと準備をしている。
正直、天斗と魔華梨のキャラがこすぎて俺のキャラ困難でいいのかって思ってしまっている。だが、今まで1,2,3期生の先輩方が受け継いできたんだ。ここで折れる訳にはいかない。
ふぅ、心を落ち着かせよう。あと10分ぐらいで配信時刻になる。
ピロン
ろいんの着信音がなった。
スマホを事務所の机から取り確認する。
『おにいちゃん、はいしんガンバってね!?』
妹の”美奈”からだった。俺が今23歳だが妹はまだ10歳の小学生だ。
タタタタタ
『おお!お兄ちゃん頑張るからな!!見ててくれよ!!』
『うん!』
そう、アルテリアはシスコンであった。
【#初配信】よお!これから頑張っていくぞ!
配信が開始された。
作った台本通りにやればいいんだ。
そう、鞄の中を確認してみたが...
ない...
どうする?今から家に取りに戻るか。
いやだめだ、もう配信が開始されオープニングが始まっている。今から取りに行ったって絶対間に合わない。
... ... 終わった。
元々”美奈”がライブ&ライブを見ていた。
「おにいちゃん、これおもしろいよ!!」
「おお、どれどれ?」
そうしてオレも見てみた。
だが、ひと目見た瞬間オレはその世界に引っ張られたように感じた。
自由に体が動いており、更には話で視聴者を喜ばせる。
すごう仕事だとオレは感じた。
「俺もやってみてぇ」
あれから、3ヶ月オレは毎日美奈とラライブを見ていた。
そうすると、突然美奈から告げられたのだ
「おにいちゃん、ラライブに入ったら?」
「え...」
そう言われた。入れるのなら入りたい。だが、オレなんかが入れるのだろうか。
「いま、よんきせいのおうぼをしてるみたいだからやるだけやってみたら?」
それを聞いた瞬間体が勝手に動いていた。
スマホで応募する様だった為直ぐ様応募をした。
そして、2週間後、1次審査合格の知らせが届いた。
その後もそのまま審査に受かった。
なんで受かったのかは、オレにもわからない。
だがその嬉しみをそのまま受け取った。
だが、初配信で言おうと思っていたことを言えなくなってしまった。
もうすぐ、始まってしまう。
もう駄目だ... ...
いや、諦めては、駄目だ。全部アドリブで行けばいいってことだ。
よし、やるぞおぉぉ。
オープニングが終わり騎士を想像させるかのような鎧を着た青年が現れた。
「よお、俺の名前はアルテリア・ラーティックという。元々とある小国の門番をしていたのだが敵どころか商人すら来ない。こんなところにおれるカーって思い脱走したのだ。だが、まあ追手が来たのだ。その追っ手から逃げている時に、ラライブという大国が匿ってくれた。そして今に至るってわけだ。よし、分かったな、これにて初配信は終了とする。さあ帰った帰った。」
よし、終わったな。
『いや、早すぎやろw』
『開始10秒で初配信を終了とする男www』
『いや草w』
『せめて、初めと終わりの挨拶ぐらい考えろ!!www』
「いやぁ、しょうがないじゃないか言おうと思った資料、家においてきたから何も思いつななかったんだよ。」
『草』
『意外と申告で草』
『草草草』
「よし、じゃあそのへんは後々決めるとして俺の妹の話でもしようか。」
『へ?』
『んんん?』
『嫌な予感が...』
『ふぇ?』
「俺の妹はだなペラペラ、ペラペラペラ
これが最終配信時刻まで続いた。
これが後に[妹愛情初配信]と呼ばれることも知らずに。