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【10話】初配信①(天斗カイ、魔華梨 瑠璃)

もう少しで、天斗カイくんの配信が始まる。

配信開始までの残り時間の書かれた時間が1秒また1秒と減っていく。

ふぅ、同期の初配信自体どんなことをするのかを知らない僕は緊張と同時にかなりのワクワクしていた。

3... ... 2... ... 1

配信が開始した。



《天斗カイ》

【#初配信】人間界の皆様方はじめまして、天斗カイです。

よしっ、配信が開始された。

オシャレなオープニングが始まりコメ欄も『待機』から『来た』のコメントに変わっている。

『待機』

『待機ぃ』

『おおおおお始まったあああぁぁ』

『キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!』

『祭りのはじまりだァァァ』

『来たー』

『待ってたぞこの日を』

『てか、OPめっちゃ洒落てるくね?』

『ホンマや!!』


大量のコメントが流れてきた。

そしてオープニングが終わりvtuberの立ち絵が出て、自己紹介を始める。

立ち絵は色と黒の羽の生えたいかにも天使のような見た目だがどこかダークな印象を与える黒の方はねと片目。

「やぁ、人間界の皆様方はじめまして、ライブ&ライブ4期生所属、天斗カイだ。元々天界に居たんだけど仕事をしないでサボっていることをバレて追放されて今は人間界に居る元天界人である。」

自分なりに考えて作ったキャラがこんなものになってしまった。だけど後悔はない。リスナーさんたちも喜んでいるみたいだ。

『初手で追放されとるww』

『草』

『元天界人か、なるほどφ(..)メモメモ』

『イケッボすぎ』

『イヤかっこよ』

『てか、追放された理由が草何だけど(笑)』


「まあ、自己紹介と行こうか。」

自分で作ってきた資料を見せた。


[名前] 天斗カイ

[職業] 元天界人

[特技] 雑談、歌

[やりたいこと] 雑談枠、歌枠、ASMR配信

[憧れの人] 先輩方

[達成したいこと] 登録者100万人

[ファンネーム] 追放者

[ファンマーク] まだ考えてない!

[はじめの挨拶] こんカイ

[終わりの挨拶] 乙カイ

... ... ...

その後、自己紹介をし終えたため終わろうとした。


「よし、それじゃあこの辺で初配信を終わるとするか。では人間界の諸君また会おう!次は魔華梨だ!リレー楽しめよ〜。乙カイ〜」

『乙〜』

『乙カイ〜』

『楽しったぞ!!乙カイ』

『おっつー』

『言われなくても楽しみます。乙カイ〜』

そして、天斗カイの配信が終了した。




《魔華梨 瑠璃》

【#初配信】遂に... 我が目を覚ます時が来たか...


くっくっく、遂に我が力を開放する時が来たようじゃな。

残り3分

「瑠璃ちゃん緊張していない?大丈夫?」

「大丈夫に決まっておるじゃろ、我を誰だと思っておる。」

こいつの名は”田中 華”じゃ。

我の手伝いをせてくれる世話係... いや側近の幹部じゃな。

スマホを手に取り、人間どものたまり(コメント)を確認した。


『もう、配信する前からキャラが分かってしまった』

『た、たいき』

『この娘ってもしかしなくても厨二(断』

『いや、まだわかんないぞ!!』

『かたったー勢です今までも同じようなツイートをしている模様』

『\(^o^)/オワタ』

『草草草』


0秒になった。

「お、おい時間になったぞ。もう、宣言をしても良いのか?」

「まだだよ〜、いまオープニング中だからね。」


ふう落ち着け、勇者と戦ったあの夜に比べたらなんともないはずじゃ。(想像の中の)

オープニングが終わり、いかにも魔王のような格好をした少女が現れた。

「くっくっく、わりぇ... ...我の名は魔華梨 瑠璃じゃ。我は元々魔王をしておったのじゃが次のものに託したのじゃ。次はこの人間どもを征服するべくこの世にやってきた。恐れるが良い。」

『噛んだ』

『噛んだ』

『噛んだ』

『かわいいw』

『噛んだ』

『噛んだかわいいw』


「き、貴様らなかなかやるな... じゃが、和紙のステータスを見てもそのようなことを言えるかな?」

そして、何やらOBSをいじって資料を出そうとした。が、全然うまく行かない。

「おおう?んんー へ?」

資料の出し方がわからない

ううぅ、と田中の方を見た。

田中は、すぐに来てくれて資料を出してくれた。

「よし、これじゃ」

『ネットに弱いのかな?』

『まあ、元魔王だしね』

『納得』


〈すてーたす〉

[名前] 魔華梨 瑠璃

[職業] 元魔王

[特技] 魔談 会議

[やりたいこと] 人間征服

[憧れの人] 我

[達成したいこと] 登録者100万人

[ファンネーム] 魔王軍

[ファンマーク] しらん

[はじめの挨拶] こん瑠璃

[終わりの挨拶] おつ瑠璃

その後も、リスナーにいじられながらも最後までやり遂げた。

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