盗賊は思案中
「おのれぇぇぇ」
アルムは怒りに任せ戦う
「くははは」
「今更怒るか?」
「見苦しい事この上無いな」
「下等種の鏡ぃぃぃ!」
「いいぞもっとだもとっと」
「うはははははは」
「ホレホレホレさぁさぁぁぁぁ」
ハイデビルの男は笑い
その姿は黒い短髪赤い肌真紅の瞳に赤い二本角体躯はアルムとそう変わらない
大切そうに抱く癒しの力を持つ少女の顔を嘗め回す
「うん中々♪」
アルムの慕う者はほとんどが死に
アルムはハイデビルの遊び心で生かされている・・・・・
事の起こりは少し前
「毒入りだ」
アルムは気付き
「皆食うな」
「流石!流石!」
ハイデビル男は手を叩き嗤い部屋の出入り付近迄下がる
「いやぁ此れで綺麗に死んでくれると」
「綺麗なアンデットが作れてお互いの為に良かったのに」
「フザケルナ」
「はぁ貴方はお呼びでない」
ハイデビル目の前から赤い熱線が放たれ
アルムの手にしている大剣が受ける
「皆戦え」
アルムは淡々と伝える
「チョトお待ちを」
ハイデビルの男は右手を突き出し待て
「アレそうそうソレソレ♪」
アルム達は待つ
ハイデビルは控えている仲間に伝え受け取る
癒しの力を持つ少女を
「動くな皆!!」
アルムは叫ぶ
「良い実に好い反応ですねぇぇぇ♪」
ハイデビルの男はニヤリと笑い
「ご安心を寝てるだけですよ」
「まあ彼女のお仲間にはアンデットになって頂きましたが♪」
「貴方の裏切り者はね此の少女の為と」
「裏切ったのですよ」
「いやぁー簡単に騙せました」
「貴方が少女を狙っていると伝えたら直ぐ信じて」
「相談されたからしょうがなくですよ!教えたの♪」
「いやぁーでも内心笑いが止まりませんでした」
「アルム抵抗してください」
「其の方が面白い」
「君が抵抗できなくなったら」
「私が此の安らかな寝顔の少女」
「16ですからきっとうふふふ」
ハイデビルの男は終始ご機嫌に喋り嗤う
「皆!!」
アルムは叫ぶ
慕い集まった者は突っ込んで行く死を恐れずに
地面にある魔法によるトラップを消滅させる為に
「アルムアトハ・・・」
オーガの言葉にアルムは頷き
「親父は逃げて伝えろ」
言いハイデビルに向け駆けだす
知略に長けたゴブリンは頷きアルムとは逆側に走り出す
ハイアンデットがアルムを阻む
幾つか見知った顔も見え・・・・
アルムは怒りを高める
「これみんっなぁ♪」
「貴方の所為♪」
「下等種の癖にイキガルカラ♪」
アルムはそうだと受け入れ己への怒りを高め
ただ一つの望魔王への復讐を心に誓い・・・・・・
フランはほぼ最初から見ていた
彼の今聖女になれるであろうハイデビルに抱かれた少女を
如何に無傷で手に入れるかで思案している
お読み頂き有難う御座います。




