盗賊と愛妻は新たな隠し職業を得る
広場にて神々とグットキャスル合同での告知がなされ
ユニオン<シャインミナ>に合流することが民に伝えられる中
「ようフラン」
「グロウ兄貴お久しぶりです」
後ろからグロウにフランは抱き付かれる
此処は何処かの路地裏
「てめー俺から何年位逃げ回ってたか言ってみろ」
「いやだな~」
「ぐうぜんですよグロウ兄貴」
「ほんとか本当なんだな」
「シルト又弟子にしたから逃げずに」
「俺の前にいるわけじゃねえんだな!!」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
フランはあらぬ方向を見無言
しばし無言が続き
「まあどうでも良い」
「今はノエル逃がさねえように頑張れ」
「あれ許してもらえるですか」
「そりゃてめぇー虐めると」
「ノエルが傷つくからな」
「ありがとうございますグロウ兄貴」
フランはホッとしお礼を述べる
「まあ後ちょくちょく顔出すから」
「なぜに!!」
「シルトの様子見にだ」
「有難う御座います!グロウ兄貴!」
グロウの言葉にハキハキとお礼を述べるフラン
「応!まかせろ!!」
気勢良しに受け入れフランの肩を叩くグロウ
「しかし」
「わざわざ国落として迄」
「お前が魔王潰しに走るとはな」
「理由は?」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
フランは押し黙り
グロウはフランから離れ愛馬のバイクに寄りかかり
「話せないか」
「じゃあ次だ」
グロウは空を見上げながら話す
「ノエルと一緒に神都に家買って新婚生活ねえ理由と一緒か?」
「そうです」
フランは肯定にグロウは
「ノエルの為か」
本題を切り出す
「そうです」
「理由はノエルが嫌がって言えませんが」
「魔王が居る限り彼女は苦しみ続ける」
「それと俺は俺以外の者がノエルに恋心を抱くのを許せない」
フランは淡々と力強く話す
「そうか」
グロウは空を見上げたまま呟き
「お前が其処迄独占欲強えとはな」
「だからかノエルを隠すのか?」
グロウの問いに
「私が嫌いなだけですよ」
「人前で目立つのは」
聖女姿のノエルが現れ答える
歩き出て守る様に毅然とグロウの前に立つノエルに
「くくく此れは確かに師の言いが正しい」
グロウは笑いだし喋る
フランはノエルの隣に駆け寄り二人は顔を見合う
「てめら程の良縁はねえだろうよ」
「まさかフランを守れるとはね」
「いやいや恐れ入ったよノエル」
グロウはパンと自分の体を叩き
「俺が心配する必要ねえな」
「幸せになお二人さん」
バイクを押して歩き去ろうとするグロウに
「祝いの品は」
フランは声をかける
「ねえなぁ」
言いグロウは一瞬考え込み
「いや此れやる」
黒いコインを親指で飛ばす
フランは受け取り
「良いんですか?」
「ああ今のお前ならノエルの居る」
「お前なら問題ないだろう」
「フラン義賊団任せるぜ」
「じゃあな」
去るグロウの背に
「有難くバンバン呼びますからねー兄貴!!」
フランは明るく声をかける
「応!!新団長!!ノエルも遠慮なく呼んでくれ!!」
グロウは歩き消える
「此れなんです」
ノエルの問いに
「神様謹製チートアイテム」
フランは答え
「団員を呼べるようになるの」
「こんな風に」
「拒否されるとダメだけどね」
ポンと小さな音共に
グロウが出現し伝える
「ま万能じゃないけどな」
バイクが慌ててやってくる
「主人おいてくなぁー」
「俺も入る入れてくれフランお願いだから」
そして懇願
「登録と」
「ついでにノエル共同所有者で良いよね」
「はい♪」
フランとノエルは仲良く笑いあい
グロウとバイクは
「よしよし」
「主人ー俺は俺はー」
「うんうん悪かった悪かった」
「分ればいいのだ♪主人」
も仲良く笑いあう
新義賊団名前はなし
所属は四人である
バイクは人扱いしてゆこうと思います・・・・・・
此の時からフランは隠し職業義賊団長を得る
隠しなので職業盗賊のままである・・・・
お読み頂き有難う御座います。




