盗賊は一休み
「ホープ俺が教育してやる!!」
生気に満ちた若者の声が・・・・
「フロウ!!」
「リタは大丈夫だ」
アルムはフロウの目の前に立ち伝える
フロウはアルムを見つめ
「そりゃ良かったの」
「だから戦う理由は無いだろう?」
アルムの言葉にフロウは何処かを見つめ喋り出す
「面白そう其れが理由じゃな」
「少々生き過ぎて飽きてきたところ」
「ホープお前が生まれた」
フロウはアルムを見つめる
「正しく光そして希望」
「ホープ其方こそが無秩序なる世界を纏め救う者」
「魔王等ではない」
フロウはアルムを指さし伝える
「俺にはあの方程の力も知恵も善さも無い」
アルムはフロウの考えを否定する
「そんなもの誰かが補えばよい」
「お前には在るのだ」
「諦めて受け入れろ」
フロウもアルムを否定する
「俺は復讐の刃アルム」
アルムは左手の掌から柄を出し片刃剣を取り出す
大きな鉈のの様な1メートル未満の剣
だが今まで愛用していた大剣より全てにおいて勝っている
「くくく流石アルム」
「威風堂々と見事なり!!」
「どの様な絶望にも怒りに憎しみを持って立ち上がれる」
「故に正しくヒーロー」
「来いホープ!!」
アルムはホープと呼ばれるのが嫌いである
理由は常にこう呼ばれて育った
名前負けの弱虫強者の陰に居る卑怯者と
彼は言われても平然とした顔で過ごしてきた
内心等微塵も感じさせず
「其の名で呼ぶなフロウォォォ」
彼は遂にキレた子供頃からの鬱憤を剣の乗せ駆ける
「ホープ俺が教育してやる!!」
フロウの右手には1メートル40程度の綺麗な剣が出現しアルムの剣撃を止める
其の持つ右手は艶やかで生気にみちた生身の逞しい男のモノに
「なっ」
驚きアルムは下がりながら黒い霧を纏わせたクナイを三つ投擲
「俺の障壁を浸食するか」
「先ずは見事と褒めて遣わすぞホープ!!」
クナイは障壁を少しばかり食い破るり突き刺さるが其処迄
「偉げに俺に説教か永遠の20代がぁぁぁぁ」
叫びアルムは飛び虚空を走り
見事な金髪宝石の様な碧眼
見惚れる肉体美そして光輝く容貌を持つフロウの背後に背にして立ち
「突けぬ様に見えて突きもイケルか」
「中々の代物だなホープ」
アルムは後ろ向きのまま突き
フロウは器用に受け止める
アルムは前に駆けだしフロウの振り回しの斬撃を避ける
「くくくははは」
「陰も生も」
「気の使いよう精進せよホープ」
フロウは剣を肩に担ぎアルム同様黒い霧を作り出し纏う
「別に黒く無くとも良いのだぞホープ」
その瞬間黒い霧は無色となり
フロウは嫌味にカッコつけて首まで傾げてアルムに伝える
「はいはいフロウ様」
「御教授有難う御座います」
アルムは平然と喋る
「なに何も知らない若造に先達として当然の責務よ」
フロウは得意満面に笑い応える
「なら遠慮なく見て覚えさせてもらうフロウォォォ」
「ああ其れで良い!ホープ!」
「ええとフラン」
ノエルはアルムがフロウに挑む少し前に
ダンジョン攻略班とフランに合流し障壁担当になり一人で張りつつ
「ほっとこうノエル」
アルムと謎のイケメンの攻防に戸惑いノエルはフランに尋ねる
フランは答え
「とりあえず安全だし皆で鑑賞しながらお食事といこうノエル」
「フラン了解♪」
ノエルはストレージからサンドイッチとお皿飲み物等を取り出し配置
皆ワイワイと和やかに短い休憩を有意義に過ごす・・・・
お読み頂き有難う御座います。




